[PR]

 新国立競技場の建設計画が白紙になったことを受け、旧計画でデザイン案が採用された建築家、ザハ・ハディド氏の事務所の役員、ジム・ヘベリン氏らが23日、文部科学省を訪れ久保公人スポーツ・青少年局長から経緯説明を受けた。会談後、事務所の関係者は朝日新聞の取材に対し「(損害賠償を請求する気持ちが)ないということではなくて、その話までまだ出ていない」として、契約解除による損害賠償を求める可能性を否定しなかった。同時に、新計画でも建設に関わる意欲を示した。

 計画白紙を受け、22日には事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長と面会した。損害賠償の話は出ず、「今までやってきたことを生かしたい」などと、新計画に何らかの形で参加したい意向を示したという。事務所関係者は朝日新聞に「大筋としてはそういうこと」と認めた。

 新計画はデザインから設計、施工までを一括し、事業者を国内外から公募する方針だが、その元になる新整備計画は秋口までに遠藤利明五輪担当相が責任者となって作る予定。面会に同席したJSCの吉尾啓介理事は「我々に言われても、という気もする」と話した。(阿久津篤史)