2015年7月24日01時15分
日本経済新聞社が英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)を買収するのは、国内の新聞市場が人口減少に伴い縮んでいるからだ。今後、アジアを中心に国際的なデジタル戦略を加速させるとみられる。日本語という壁が作り出す狭い市場の中でシェア争いをしてきた同業他社は、衝撃を受けている。
FTは世界のビジネス界で強固な地位を築く。近年はデジタル発信に力を入れている。親会社の英ピアソンによると、過去5年で紙媒体と合わせた購読数は30%増の73万7千部。その7割がデジタルだという。
FTのデジタル紙面は、世界のメディアの中でも数少ない成功モデルとされている。最大限の情報量を得ようとすると、デジタル版だけでも年間約5万8千円と高額だ。それでも特ダネや出来事の背景説明、有力記者のブログ、コラムニストの解説などを通じて、内幕を描く記事が世界のビジネスリーダーや当局者に支持されている。
日経は、FTの翻訳記事を電子版に毎日掲載したり、記者を派遣したりするなど、以前から関係が深い。
FT親会社のピアソンとは、ビジネス英語と時事英語を学べるオンライン英語学習プログラムを共同開発もしている。企業が社員研修に導入する教材に日経やFTの記事をつかった教材を追加するなどビジネス面での連携を深めていた。
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