米IBMの研究者は人工知能(AI)を搭載した高性能コンピューター「ワトソン」を活用し、メッセージを読んでそのトーンを判断できるアプリケーションソフト「IBMワトソン・トーン・アナライザー」を開発した。これは人間であれば自然にできる作業だが、コンピューターの場合には通常のタスクよりもはるかに高い知能が必要となる。
■「喜び」や「怒り」を分析
IBMワトソン・ユーザー・テクノロジーズの著名なエンジニアで「マスター・インベンター(達人発明家)」の称号を持つラマ・アッキラージュ氏は「コンピューターはメッセージで伝えられたトーンを正確かつ自動的に見抜くことができるのか。文章によるコミュニケーションでトーンを評価し、改善するお手伝いをするのは、人工知能と認知科学の分野における興味深い挑戦だ。われわれはIBMワトソンで、この問いに答え始めている」とブログに投稿した。
これは背後に人がいるとしか思えない話だ。もっとも、ベンチャービートは2013年に、IBMの研究者がどうやって200件のツイートで人間の性格を解読できたかという記事を書いている。
アッキラージュ氏によると、トーンは見過ごされたり、望ましくなかったり、書き手がうまく伝えきれていなかったりする場合もあるという。
同氏は「実験版の提供を開始したIBMワトソン・トーン・アナライザーは、文章によるコミュニケーションのトーンの評価・改善を支援するサービスだ。この最新のサービスを追加した(ワトソンの開発者向けサービス)『ワトソン・デベロッパー・クラウド』のAPIとソフトウエア開発キット(SDK)は、(IBMが提供するPaaS)ブルーミックスで入手できる」と述べている。
この技術はワトソンの「パーソナリティー・インサイト(性格分析)」で使われている言語分析と似ている。トーン・アナライザーは与えられた文章を分析し、その文章に反映された感情的、社会的、書き方のトーンについて洞察する。こうした洞察は個人や仕事でのコミュニケーション、セルフブランディング、市場調査、広報マネジメント、問い合わせ先の自動音声応答システムの管理など多くの目的に使えるとアッキラージュ氏は話す。
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