【新・悪韓論】沈みゆく「造船・韓国」 ビッグ3が陥った技術なき安値受注 (2/2ページ)

2015.07.23


造船業界の経営悪化に朴槿恵大統領は手を打てるのか(ロイター)【拡大】

 さらには、大型海洋構造物が完成するまでのつなぎ資金を得るために、タンカーやコンテナ船の安値受注でまた赤字に。韓国造船業界は「受注残高は世界一」であると同時に「赤字額も世界一」の階段を上っていたのだ。

 「日経ビジネス」(13年11月29日)は「新技術を身につけ快進撃する韓国の造船業」との記事を掲載していたが、韓国経済新聞(15年4月17日)によると、14年の現代重の研究開発(R&D)投資額は売上高の0・5%、三星重0・8%、大宇造船0・5%。新技術を身につけていないため大困難に直面しても、R&Dに投じるような資金は容易に捻出できなかったのだろう。大宇造船の関係者は「2兆ウォンとは4−6月期の数字」と述べ、政府関係者は「海外にある造船子会社の赤字」に言及している。

 産業銀行は1998年の通貨危機の際、5兆ウォン(約5370億円)の政府補填(ほてん)を受け、13年には造船企業STXの倒産で1兆4000億ウォン(約1500億円)の赤字を出した。輸出入銀行は、韓国で反日が燃えていた13年夏、みずほ銀行から5億ドル(約621億円)を借り入れた。国策銀行とはいえ基盤が盤石とは思えないから不安は募る。

 それにしても、大宇造船が公表する直前、年金基金や都市銀行が大量の空売りを仕掛けたのは何ごとか。インサイダー見え見え。買い取ったのは個人投資家、罪深いことだ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。

 

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