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【政界徒然草】
「慰安婦」「大空襲」「八紘一宇」…ここがおかしい、民主党幹部の歴史認識
3月16日の参院予算委員会で話題になったのが、自民党の三原じゅん子参院議員の質問だった。三原氏は多国籍企業に対する課税問題に触れ、「現在の国際秩序は弱肉強食だ」と指摘。その上で「八紘一宇(はっこういちう)の理念の下、世界が一つの家族のように助け合えるような経済、税の仕組みの運用について、首相が提案していくべきだ」と述べた。
これを朝日新聞は翌17日付朝刊で「『八紘一宇は大切な価値観』 三原じゅん子議員、予算委で」との見出しで報じた。記事では「八紘一宇は『世界を一つの家とする』という意味で、太平洋戦争中、日本の侵略を正当化するための標語として使われていた」と説明した。
何がニュースなのかよく分からないが、安倍首相率いる自民党が「戦前回帰」だと印象づけたいのだろう。しかし、当日の予算委で民主党議員は誰も問題視する声を上げなかった。ところが枝野幸男幹事長は朝日の記事が出た17日、記者団に対し、自ら三原氏の発言を取り上げ「必ずしも不適切なものとは思わないが」と前置きした上で、こう続けた。
「この言葉の持っている歴史的な意味やたくさんの人々の印象を踏まえると、与党議員が国会の場でこうした言葉を使うことはさまざまな波紋を招き、わが国の国益を損ないかねない」