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【政界徒然草】
「慰安婦」「大空襲」「八紘一宇」…ここがおかしい、民主党幹部の歴史認識
一般住民を含めた無差別爆撃の東京大空襲を行ったのは米軍だ。しかし細野氏から、その言及は一切なかった。先の大戦では日本軍も爆撃を実施した。ただ、東京大空襲の責任を持ち出すときに、より多くの木造家屋を燃やすために焼夷弾(しょういだん)を使って一般人の殺傷を狙った米軍の責任に全く言及しないのは、あまりにもバランスを欠く。
細野氏は戦後教育で浸透した典型的な自虐史観を披露した。「表現の自由」にこだわりがあるようだが、GHQ(連合国総司令部)による巧妙な検閲の実態を知らないのだろうか。
米軍の責任も指摘した上で「国民を守ることができなかった」と当時の日本政府の結果責任に触れ、今の政治の教訓とするなら理解できなくもない。しかし、「単純に比較できない」と言いながら大空襲との比較でホロコーストを持ち出すに至っては支離滅裂だ。
首相は国会答弁で何度も先の大戦への反省を口にしている。それを無視して首相が真摯に反省していないかのように印象づけ、政権批判に転じているあたりは、理屈も何もない。
細野氏は同月17日の記者会見で、記者に「なぜ米軍の無差別殺傷ということに触れなかったのか」と問われると、「米軍による非常に残虐な行為だと考えている。ただ、それは当然のことだ」と釈明した。当たり前だから言わなかったというのだ。こういうところに政治家の歴史観がよく見える。