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【戦後70年首相談話】
中国「植民地」「侵略」「おわび」盛り込み要求 民主党や朝日新聞主張と奇妙な一致
同じ頃から民主党など野党は相次いで首相談話の内容に注文をつけ始めた。
民主党の岡田克也代表は2月16日の衆院本会議で「植民地支配や侵略などの言葉は、70年談話にも必ず含まれるべきだ」と主張。社民党の吉田忠智党首や共産党の志位和夫委員長らも同様に村山談話の踏襲を求めるようになった。
新聞各紙も首相談話について相次いで社説を掲載するようになった。
朝日新聞は2月26日の社説で「全体として引き継ぐと掲げながら、植民地支配や侵略といったキーワードを村山談話もろとも棚上げにしてしまうのが新談話の目的ならば、出すべきではない」と主張。東京新聞も同日、「植民地支配と侵略への反省とお詫(わ)びは、外交の基盤となってきた歴史認識の根幹だ。全体として引き継ぐと言いながら、核心部分を変えることがあってはならない」との社説を掲載した。毎日新聞も2月25日にほぼ同じ内容の社説を掲載した。
首相が4月29日、米議会で「先の大戦に対する痛切な反省を胸に刻み、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない。これらの思いは歴代首相と全く変わらない」と演説すると、中国外交筋は再び説得工作を活発化させた。村山談話の具体的な文言に触れなかったことが不満だったとみられる。