「童貞を蔑む風潮」に思うこと
ほとんどの人は「タイムラインに流れてきたワードを大喜利のように面白おかしくネタにする」くらいの感覚だったのでしょうが、普段仲良くしているフォロワーさんでも嬉々としてのこのワードを使っていることが私はとてもイヤでした。
しかし、そこで「童貞を殺す服だなんて、童貞を蔑むのもいい加減にしろよ!」と言おうものならば、「うわー、アイツ童貞だよ。みんなが笑っているネタにマジレスしてんよー」と晒し上げにあってしまい、「童貞を蔑むことの是非」どころが「自由に石をぶつけられる童貞が見つかった!殺せー!」という流れになることが想像が出来たのでじっとこらえていました。
そもそもこの「童貞を殺す服」……
ピクシブ百科事典によると、「おっぱいが強調される上に白くてフリフリなのが可愛いので童貞がイチコロになってしまう服」という意味ではなく、元々は「見た目は可愛いけれど実物を見たことがない人には構造が分かりづらいので、童貞が想像だけでイラストに描くと、これを描いたヤツは童貞だなとバレてしまう服」という意味だったとのことです。そうだったのか。
余計に腹が立つじゃねえか!
童貞で何が悪いんだよ!!
何だよその「童貞なことがバレてしまうと死ぬ」みたいな死生観は!「告白されたら死ぬゲーム」とか「パンツを見たら死ぬアニメ」とかそんなノリかよ!こちとら何年も前からブログで“日本一モテナイ男”を自称してんだよ!そんな設定のゲームを作ったらスタート地点で俺はゲームオーバーだっ!
俺達童貞が何をした!
むしろ、誰にも迷惑をかけずに生きてきた結果の童貞じゃねえかよ!
それなのに人間どもは「気持ち悪い」「近づくな」「社会不適合者だ」と俺達に石を投げ続け、俺達を森に追いやったんじゃないか!これはこれで漫画にして描いたら面白そうな話だな……
とまぁ、元々の発言の真意はさておき。
大喜利場と化したTwitterのタイムラインは「ぼくのかんがえる“童貞を殺す服”」で面白いことを言い合いたい人で溢れていたのですが……そういう状況を「あーあ」と思いながら眺めていて、「童貞じゃない人の考える“童貞”像」ってもはや本物の“童貞”かどうかはどうでもよくて、ステレオタイプの架空の“童貞”イメージなんだなぁと思いました。
中国人のキャラクターだから、「そうアルね!」と喋らせているような感覚。
今回のケースに限らず、漫画とかアニメとか映画とかドラマとかで“童貞キャラ”が出てきた場合……そのキャラは「人と喋るのが苦手」とか「女性とマトモに喋れない」とか「いつも二次元の嫁を想像してグヘグヘ言っている」とか、逆に「女の裸を見ることに執着する変態キャラ」とか、すごく定型のキャラクターなことが多いです。そうしたキャラは「童貞であること」がクローズアップされたキャラだからそうなりがちなのかも知れませんが。
実際には、童貞だって普通に人と喋るし、女友達がいる童貞だっているし、人前でグヘグヘ言ったりしないし、そんなに女に執着してこなかったからこそ童貞なのです。スポーツ漫画とかで「この作者、絶対剣道やったことないのにイメージだけで剣道漫画を描いてるだろ!」と言いたくなる作品があるのと同様に、「この作者、実際の童貞がどういうものなのか知らずにイメージだけで童貞キャラ描いてるだろ!」と言いたくなる漫画とかアニメとか映画とかドラマとかたくさんあります。
女性作家ならともかく、男性は必ず童貞だった時期があるから「実際の童貞がどういうものなのか」は知っているだろうと思うかも知れませんが……例えば13歳で童貞を卒業した男性作家さんには、「15歳で童貞の人」「20歳で童貞の人」「25歳で童貞の人」「30歳で童貞の人」「35歳で童貞の人」「40歳で童貞の人」それぞれが「童貞をどう捉えているか」が全然違うだなんて分かるワケがないんです。そこをイメージだけで描いてしまうと、「30歳越えても童貞だなんて女とマトモに喋られないに違いない」みたいな偏見でキャラを描いてしまうのでしょう。
恋愛経験の少ない作家さんが恋愛漫画を描くと「こんなの妄想の塊じゃねえかよ!ちゃんと自分で恋愛経験積んでから描けよ!」とか言われるのに、童貞じゃない作家さんが童貞キャラを描いても「こんなの妄想の塊じゃねえかよ!ちゃんと自分で童貞経験積んでから描けよ!」と言われないのは何なんでしょうね。どっちもイメージだけで描いているのは変わらないのにね。
「ぼくのかんがえる“童貞を殺す服”」の話題でも思いました。
「童貞はおっぱいが好きに違いない」「童貞は清楚な服に弱いに違いない」「童貞はフリルに弱いに違いない」―――どっかから拾ってきた貧困なイメージで童貞を語る人が多いこと多いこと。挙句の果てには「童貞は女に飢えているから何着たって喜ぶよ」とか「童貞が一番喜ぶのは全裸だよ」とか。それ、貴方が童貞だった中学二年の頃(例)に好きだったものじゃないの?
童貞なまま年齢を重ねていった人達は、また別だと思いますよ。
ぶっちゃけた話をしますとね。
私くらい“モテナイ”を極めて、“童貞”をこじらせた人間から言わせてもらえば……
“童貞”はちゃんと年月をかけてこじらすと、どんな服を着ている女性であっても、全ての女性が全裸に見える能力が会得できるんですよ。
おっぱいを強調する服だろうが、白くて清楚な服だろうが、フリフリな服だろうが、女性が何を着ようが私には全部全裸に見えます。「童貞を殺す服」も何も、童貞には服なんて関係ないんです。街を歩く全ての女性が全裸に見えますからね。むしろ、どこに行っても全裸の女性しか見かけないから、女性の裸なんて見飽きてしまっているくらいです。
だから、好きな女性芸能人がヌードになっても別に嬉しくないし、エロビデオで全裸になられると「もう見飽きたよ!」という気持ちになってしまうのです。「むしろ服を着てくれよ!」「ブラジャーが観たいんだよ!俺はブラジャーが観たいんだよ!」と思ってしまいます。
この記事を読んでいる人の中には「そんなワケがない」と思う人もいるかも知れません。
「俺の知り合いに童貞がいるが、そんな話は聞いたことがないぞ!」と思う人もいることでしょう。その場合、その知り合いの方がまだまだ童貞をこじらせる年月が足りていないのか、もしくは……とっくに女性が全裸に見えているのだけど、それを人には明かしていないだけだと思います。
当たり前です。
「俺、なんか女の人が全員全裸に見えるようになったんだけど」と言われたら、アナタはどう思いますか?「頭がおかしくなったんじゃないか」とか思うか、女性の場合は気持ち悪くてその人の傍には行きたくないと思われるかも知れませんね。男性の場合であっても「ズルイ!」「羨ましい!」という思いが、更なる偏見や迫害を生むかも知れません。
だから、女性が全員全裸に見える能力に目覚めたとしても、それを人に明かしたりはしないのです。私も友人に明かしたことはありませんし、ブログにも初めて書きました。ひっそりと墓まで持っていこうと思っていましたが、「偏見だけで語られる童貞像」がどうしても許せなかったので勇気を出して書きました。
それくらい「ステレオタイプな定型のイメージ」と「実像」は違うものです。
これは“童貞”に限らずです。
「○○だからこうに違いない」「だからきっとこうに違いない」「ならばこうに違いない」と誰かが書いたラベルだけ読んで、瓶に詰め込まれた中身を全部そうだと思い込むのは“偏見”でしかありません。逆に言えば、そういうところどころで、その人が“偏見”でしかものごとを見ていないことがバレてしまうのです。
アナタが“童貞”をバカにしている時、“童貞”もアナタのことをそう見ているのです。
(関連記事:「彼女はいません」が恥ずかしくない社会へ)
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