【社説】嫌韓高まる日本、五輪ホスト国にふさわしいのか

 今月8日、日本の入国管理局に「違法滞在中の在日韓国人を国外追放にしてほしい」という届けが急増し、インターネットのホームページが一時アクセスしにくくなるほどになったという。新しい「在留カード」への変更の期限がこの日だったことから、日本の右翼勢力が合法的に滞在中の在日韓国人らを次々と通報した結果、今回のような事態が起こったようだ。彼らは自分たちが運営するツイッターやブログなどを通じ、この日を「在日朝鮮人追放の日」などと宣伝し、組織的な通報を呼び掛ける書き込みを幾つも掲載していた。

 韓国人や在日韓国・朝鮮人に対する憎悪をあおる日本国内の嫌韓感情は確かに根が深い。しかし数年前からこのような韓国人排斥をあおる雰囲気は急速に高まっており、しかもそれはかつてなく非常に攻撃的になっている。つい先日も東京の韓国文化院に対する放火未遂事件があり、ある反韓団体の代表は、嫌韓デモに抗議するグループを暴行した。「在日特権を許さない市民の会(在特会)」と名乗る反韓団体は、太極旗(韓国の国旗)を持って回りながら、拡声器を使って韓国人に対し口にするのもはばかられるような暴言で侮辱を続けている。その地に根を下ろして生活する在日韓国人にとって、日本におけるこのような状況や雰囲気は、日々の生活や経済活動にも支障が出るほどひどくなっており、時には身の危険を感じることさえあるという。韓日関係が悪化している影響のためだけとは考えられないほど、状況は予想以上に日々深刻化しているのだ。

 韓国国内にも反日感情が存在しているのは事実だ。しかしそれは主に歴史問題の解決を拒否する日本の一部政治家に向けられたものであり、日本という国や日本人全体に向けられたものではない。韓国に居住する日本人に対して暴言を吐いたり、デモを行うといったケースはないと言っても過言ではない。

 日本の大阪高裁と最高裁は昨年7月と12月、反韓団体によるヘイトスピーチが人種差別に当たるとの判決を下した。この判決は日本が1995年に加盟した国連の「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」に基づいている。ところがこれらの判決が出た後も、日本国内では韓国人に対する人種差別を思わせるような攻撃的言動が減る兆候は一切見られない。

 日本の自民党は昨年、特別チームを立ち上げて実態調査に乗り出した。日本政府の報道官役を担う菅官房長官も今月初め、国会での答弁で調査に乗り出すことを明言した。来年はG7(主要7カ国)首脳会議のホスト国となり、さらに2020年には東京オリンピックの開催を控えていることから、国の威信に傷が付くことを心配して日本政府は動いているようだ。しかし本当に重要なことは、日本が果たして一部の過激な勢力による人種差別的言動を根絶できるかという点だ。人種差別を黙認する社会はその根本が病んでいるのであり、国際社会からは孤立を深める結果しかもたらさない。

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