韓国造船大手、大宇造船海洋が来月予定されている今年4-6月期(第2四半期)業績発表で2兆ウォン(約2160億円)台の損失を反映すると発表されたが=本紙7月17日付報道=、サムスン重工業も今年4-6月期に兆単位の損失を出したことが分かった。最近3年間に受注した原油生産・掘削設備の海洋プラント部門生産に問題があり、損失が雪だるま式に増えているためだ。
造船業界関係者が17日に明らかにしたところによると、サムスン重工業は今月末の4-6月期業績発表時に海洋プラント部門で発生した損失を一括反映する方針を決めた。サムスン重工業関係者は「現在4-6月期の実績を集計中なので、損失が発生するかどうかや、具体的な損失額は確認できていない」としながらも、巨額損失発生について否定しなかった。
業界では、サムスン重工業が4-6月期に1兆7000億ウォン(約1832億円)台の損失を反映するという見方が有力だ。具体的には、2012年に27億ドル(約3350億円)で受注したオーストラリア・イクシス海洋ガス処理設備(CPF)プロジェクトと、13年に30億ドル(約3722億円)で契約を獲得したナイジェリア・エジナFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)プロジェクトの生産に関する問題が深刻だとのことだ。
サムスン重工業は昨年1-3月期(第1四半期)に両プロジェクトで発生した約7500億ウォン(約808億円)の損失額(引当金を含む)を発表していた。しかし、頻繁な設計変更により納期が相次いで延期され、悪性の損失が増え続けている。17日のソウル株式市場でサムスン重工業の株価は前日比12.39%(2050ウォン=約220円)急落の1万4500ウォン(約1563円)で取引を終えた。
韓国の大手造船会社は2010年以降に受注した海洋プラント・プロジェクトで次々と大きな損失を出している。大宇造船海洋やサムスン重工業のほか、現代重工業も陸上・海洋プラント部門で発生した損失を昨年の実績に反映した結果、年間3兆2500億ウォン(約3502億円)の営業赤字を出した。
ハナ大投証券のパク・ムヒョン研究員は「韓国の造船各社は海洋部門の基礎設計能力を備えておらず、原価計算もまともにできていない。商船景気悪化で大量受注に乗り出した海洋プロジェクトが長期間にわたり韓国造船業界の足を引っ張る可能性がある」と語った。