2015-07-22
■あらゆる意味で期待を上回る、実写版「進撃の巨人」
昨日はとうとう実写版、進撃の巨人がジャパンプレミア試写会でついに一般公開された。
僕も原作ファンで、アニメも全話見たし、ユニバーサルスタジオジャパンの展示も見に行った(そしてガッカリした)という、ただの進撃ヲタである。
最初は「絵がおかしい」と思っていたんだけど、巻を追うごとにどんどん絵に迫力が出てきてすっかりハマってしまった。
アニメも素晴らしい出来栄えで、マンガでは伝わりにくい立体機動の楽しさが余すとこなく表現されていた。
しかしこの傑作マンガ(&アニメ)を実写化すると聞いたとき、果たして上手くいくのだろうかという不安を、ファンなら誰でも抱いたと思う。
人気アニメや人気マンガの実写化は、失敗も成功も枚挙にいとまがない。
どうしても、生身の人間が演じるとわざとらしくなりすぎたり、逆に控えめに見えすぎたりして、難しい。
また、原作で筋書きやコマ割りを知っていると、それが頭のなかをチラついて「これはなんか違うよなあ」という違和感と二時間ずっと格闘する、という経験は誰にでもあるのではないかと思う。
今回、パンフレットにもあるが、役名を全て変更するなどのことも検討されたらしいが、「それだと進撃の巨人じゃなくなっちゃうでしょう」ということで原作通りの役名で出てくる人と、映画オリジナルキャラとのハイブリッドになったそうだ。
とりわけ謎の男といえば、「人類最強の男、シキシマ」である。
進撃の巨人の世界で「人類最強」といえば、リヴァイ兵長のはずだが、やはりファンが多いリヴァイ兵長を誰もが納得のいく形で実写化するのは困難と見て、全く異なるキャラクターを登場させたのだろうか。しかしこれはこれでとてつもなくおおきな賭けである。
いかに長谷川博己といえど、この大役を無事にこなせるのか。
そしてなにより不安なのは、立体機動装置だ。
アニメではいい意味で上手く誤魔化しながら立体機動の独特な動きを表現することに成功していた。
果たして実写で立体機動のアクションがキマるのか。
どうも挨拶を聞いたりメイキングをチラりと見たりすると、立体機動は完全なCGではなくワイヤーアクションを組み合わせて表現しているらしい。
まさしくワイヤーで人を上に引っ張りあげて居るわけだから物理的な動きになる。
しかしその物理的な動きの制約が、アニメの時と同じような(いい意味での演出が入った)躍動感を実写で再現するときの足かせになりはしないか。
そしてそんな不安がよぎるときにこの予告編である。
これを見た時、「なるほど」と思った。
物理的にリアルな慣性を持った動き。
アニメでは極端に大きく描いて強調される主人公たちの表情を実写はカメラワークで拾うという方向性。
おそらく立体機動の動きは数カットのシーンだけ見ても動きが頭のなかにイメージし辛い。
事実、それが気に入らないというスレッドが立ったようだ。
しかし長尺で見ると、これはきちんと繋がったものに見えるだろうとも思っていた。
人間の空間認識はそのくらいセンシティブで、きちんと計算された順序で見ないと頭のなかで躍動感に変換されないことがあるからだ。
そんな中の、ジャパンプレミアである。
抽選で選ばれた4000人が東京国際フォーラムに集まり、日本で最初にこの映像を見ることになる。同時に札幌と大阪、福岡でも試写が一般公開されたらしい。
7/16にハリウッドで行われたワールドプレミアでは5分間に及ぶスタンディングオベーションが起きるほどの大絶賛だったという。
「ハリウッドにも進撃のファンが?」
もしくは、原作ファン関係なしに面白い出来なのか?
しかし前編だけ見てスタンディングオベーションって起きるものなのか?
マトリックス・リローデッドのラストとかすげーイライラしたんですが?
やはり?マークが頭に飛び交う。
舞台挨拶のあと、始まった本編は、あるゆる意味で想像を超えていた。
すっかり忘れていたのだ。
「進撃の巨人」とは、「恐怖」の物語であることを。
人が人に喰われる。
万物の霊長である人間が、捕食される対象になるという恐怖。
その本質的、根源的恐怖をこれでもかこれでもかと描写しようとすれば、実写ならばその本質的な部分は到底、テレビやYoutubeで流すことはできないのだ。なぜなら多くの人々の死を描かなければならないからである。
知っている話のはずなのに、「怖い」という恐怖感でカラダがこわばる。
そして徐々に映像に引き込まれていき、あっという間に、裏切られる。
そうだった。
進撃の巨人は、こういう、救いのない物語だったんだよ、そもそも!
怖い話なんだよ、完全に!
そして立体機動。
やった。
これだ、これだよ見たかったのは。
映画でなければ出来ない、実写でなければできない、本当の恐怖と絶望を余すとこなく表現した、全く新しい「進撃の巨人」。原作者と綿密な打ち合わせを重ねて練りに練られた脚本が、完全新作としての進撃の巨人を完璧なものにしている。
これはハリウッドでウケるわけだ。
こんな映画見たことない。
進撃の巨人を知らなければ、知らないほど、この映画は凄いと思うだろう。
知っていれば知っているほど、楽しめるだろう。
すごい映画だ。
凄すぎると言って良い。
前後編なんだけど、前編だけでも一本の映画として完成していて、決して単に二分割しただけのような、間抜けな映像にはなっていない。
惜しいかな、この映画の凄さは、予告編では絶対に伝わらない。
マジで怖いからだ。
とりあえずIMAXくらいのサイズのスクリーンで見たい。
あと4DXでも見たい。
いや絶対、劇場で見たいよ。
やっぱ国際フォーラムだと、音響がちょっと違うし。スクリーンも小さい。
まあ4000人も入るホールだから仕方ないんだけど。
まあとにかく、21世紀に入って初めて「前売り券買おうかな」と思うレベルの傑作映画だった。
これは映画館でぜひ見たい。しかもなるたけでかいスクリーンで。4DXで。
いろんな試写会に呼ばれたけど、試写を見て劇場でもチケット買って見たい、と思ったのは初めてだった。ハリウッドでも異例の高評価らしい。すごいぜ。
ネットでの評判も上々のようで、今から公開が楽しみだ。
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