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 思いを募らせた相手につきまとい、殺害にまで至るのはなぜか。大阪で38歳の女性を刺殺し、懲役30年の判決を受けた男に問うた。

 男の名は松本隆、59歳。

 福岡県出身、独身、3回の離婚歴あり。5月に大阪地裁で懲役30年の判決を受け、服役した。

 大阪市平野区の路上で、事件は起きた。昨年5月2日午前2時半、車で待ち伏せしていた男は、自転車で帰宅する女性を見つけると、追いかけて転倒させ、頭や腹、首を包丁で刺して殺害した。女性はスナック店員。男は客だった。

■面会8回、語った経緯

 今年1月9日、大阪拘置所の面会室で本人に会った。短く刈った頭に鋭い目つき。記者だと名乗ると、「取材なんか受ける気ないよ」。すぐにドアの向こうへ立ち去った。

 だが、判決後の6月8日に再び訪れると、穏やかな表情で言った。「心境が変わった。記事でストーカーの怖さを伝えてくれよ。俺の言うことが歯止めになるかもしれない」

 以後は1回10分、計8回の面会で本人が語った、事件までの経緯だ。