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【福島原発事故】浜岡、安全対策難航 中部電なお再稼働方針全面停止した浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働に意欲を見せる中部電力。代替火力の増加で燃料費の上昇に頭を抱える中部電力にとって、浜岡停止がさらに長期化すれば、経営基盤が揺らぎかねない。しかし、南海トラフ地震の震源域に立地するなど実現に向けたハードルは高く、再稼働は依然として不透明だ。 「浜岡が戻らなければ、正常な経営に戻せない」。四月二十八日に行われた中部電力の二〇一五年三月期決算発表。水野明久社長は四年ぶりの黒字転換にも厳しい表情を崩さなかった。 浜岡停止後、中部電力は天然ガスなど火力発電用の燃料購入費が経営を圧迫。一二年三月期から三期連続の赤字に陥り、昨年五月、三十四年ぶりの電気料金値上げに踏み切った。中部電力によると、燃料購入費は浜岡停止前に比べ年間三千億円増加。浜岡の早期再稼働は最大の課題になっている。 中部電力は4号機の再稼働を先行させる形で、昨年二月に原子力規制委員会による新規制基準の適合審査に申請した。しかし、浜岡は南海トラフ地震の震源域に立地している上、沸騰水型軽水炉(BWR)と呼ばれる福島第一原発と同じタイプで、規制委の審査は長引くことが予想される。 県は浜岡の半径三十一キロ圏内を対象に事故時の避難計画の策定を進めているが太平洋ベルト地帯の人口密集地だけに避難場所や移動手段など詳細はいまだ決まらず、作業は難航している。 浜岡の再稼働では、反対する住民らが運転差し止めを求める訴訟が三件ある。福井地裁が四月、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働差し止めを認める仮処分を決定しただけに、注目が高まっている。 東京高裁で係争中の鈴木卓馬さん(75)=静岡県藤枝市=は「浜岡は他の原発よりも再稼働に向けた条件が悪く、そう簡単に動かせない。原発への依存度が低い中部電力の経営にとっても有利な状況ではないはず。賢明な判断をしてほしい」と話している。 PR情報
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