個人情報犯罪政府合同捜査チームは20日、Eマートとロッテマートで開催されたある保険会社主催の懸賞イベントで、1等の賞品を当選者に渡さず横流しした容疑で、Eマートの元職員の男など5人を逮捕・起訴した。男らは「1等には自動車が当たる」などと宣伝し、応募した顧客の中から当選者が出ると、これを発表する前に当選者を取引業者の役員や親戚などにすり替えていたという。
捜査結果を見れば、財閥系のマートが行う懸賞イベントは、どれもあらかじめ当選者を決めてから始めるいわゆる「出来レース」であることが分かる。Eマートはイベントを代行する会社が賞品として提供した自動車40台のうち26台を横流ししていたが、ある社員に至っては1等当選者に贈呈する自動車を3台も自分のものにしていた。ロッテマートは当選した顧客に当選の事実を知らせず、顧客が問い合わせてきた場合にのみ賞品を提供した。その一方で顧客が懸賞に応募するため申込書に書き込んだ個人情報は全てそのまま保険会社に提供していた。どこまで顧客をばかにすれば、これほど恥ずかしい行動が取れるのだろうか。
検察は「社員が関係する不正はあくまで個人によるもの」と解釈し、Eマートとロッテマートについては「イベントの会場を提供しただけ」という理由で処罰は行っていない。しかし顧客の立場からすれば、財閥系のマートで懸賞イベントが開催されれば、これを顧客への謝恩イベントと解釈するのは当然であり、背後に詐欺的行為が行われているとは夢にも思わなかったはずだ。しかも両マートは場所代の名目で保険会社から数億ウォン(数千万円)の現金を受け取っている。そのため検察が両マートに対して処罰を行わないのはどう考えても納得がいかない。
またこれとは別に検察は今年2月、ダイヤモンドや自動車が当たると宣伝して懸賞イベントを開催し、2400万件の個人情報を違法に収集してこれを保険会社に売却した容疑で、やはり大手マートのホームプラスの役員ら6人を起訴している。要するにEマート、ホームプラス、ロッテマートなど大手マートはどこも当選者を勝手に決める懸賞詐欺を行っていたわけだ。顧客も大手マートが行う懸賞イベントはどれも詐欺という事実をもう理解するようになったはずだ。