やじうまPC Watch
三菱、航空機から地上への大容量データ伝送に成功
〜災害時の迅速な救援活動に期待
(2015/7/23 06:00)
三菱電機株式会社と株式会社パスコは22日、航空機に搭載した40GHz帯のミリ波データリンク装置から、地上に大容量データを送信する実証実験が成功したと発表した。
実験は600mまたは3,000mの高度を時速約200kmで飛行するミリ波送信機搭載航空機と、地上のミリ波受信機器間で行なわれ、大容量の画像/映像データを伝送し、地上での受信/再生を試みた。
送受信装置には機械駆動部を排除した小型軽量の2次元フェーズド・アレイレーダー(APAA: Active Phased Array Antenna)が用いられた。APAAは位相変換素子が配置されたレーダーのことで、アンテナを回転させずに任意の方向にレーダー波を送信、任意の方向からレーダー波を受信できる。
今回の装置はAPAAが上空から送られたミリ波を高速でサーチし、航空機が通信エリアに入ると瞬時に捕捉して自動追尾する。なお、通信範囲は地上装置の位置から高度600mで半径600m、高度3,000mで半径3,000mになる。
実証実験では、高度600m飛行時(4.2度/sec)に安定して通信ができることを確認。地上装置周辺を航空機が旋回することで、大容量データを伝送する通信時間を確保した。地上装置を頂点として仰角±45度の範囲で通信可能とした場合に、高度600mで航空機が直進通過した時のデータ容量の理論値は240MBで、高度3,000m時(0.8度/sec)では1,200MBになると言う。
本実験の成果により、通常は空撮後に着陸してから行なわれるデータ伝送が、飛行状態のまま行なえるという可能性を実証。災害時における被災状況確認のための地上画像の伝送や、放送機関による4Kおよび8Kといった映像の伝送に役立ち、迅速な救援活動が期待できるとしている。
実験は2015年3月27日(天気は快晴)に、大阪府八尾市にある八尾空港の周辺上空と空港駐車場付近で行なわれた。
URL
- 三菱電機のホームページ
- http://www.mitsubishielectric.co.jp/
- パスコのホームページ
- http://www.pasco.co.jp/
- ニュースリリース(PDF)
- http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2015/0722.pdf
バックナンバー
- 三菱、航空機から地上への大容量データ伝送に成功〜災害時の迅速な救援活動に期待[2015/07/23]
- 米国の少年がドローンに拳銃を搭載して発砲。YouTubeにアップして物議に[2015/07/22]
- シャープ、無料で使えるソーラー充電スタンドを街中に設置[2015/07/21]
- 地球外文明を探す過去最大規模のプロジェクトが発足〜スティーブン・ホーキング博士らも参加[2015/07/21]
- 前人未踏の地震切迫度評価研究に挑む〜地球深部掘削船が掘削した孔内の観測データをオープン化へ[2015/07/17]
- 肉球を押してシャッターを切る、猫の手型自撮り棒[2015/07/17]
- 「ねこあつめ」のグッズにPepperやソフトバンクショップ庭が追加〜ただしソフトバンクユーザーだけ[2015/07/15]
- CERN、5つのクォークで構成される「ペンタクォーク」粒子を発見[2015/07/15]
- トリンプ、Oculusで“ふっくら谷間”を体感するイベントを開催[2015/07/14]
- シャープ、富岡太陽光発電所の商業運転を開始〜出力規模は約2.19MW[2015/07/13]
- 「定食屋かよっ!」思わず突っ込みたくなるWindows 10の珍訳?[2015/07/10]
- ドスパラ、“自作er”は女性に好印象とのアンケート結果[2015/07/10]
- エレコム、5分で目の疲れを癒やすマッサージ器〜「天柱」、「風池」、「太陽」の3つのツボを刺激[2015/07/07]
- サンコー、ペルチェ素子を利用したUSBネッククーラー〜固定用クリップ、ネック/ヘッドバンドも付属。ただしバッテリはなし[2015/07/06]
- 東芝、阪大の次世代気象レーダーを活用した豪雨検知システム〜ゲリラ豪雨発生の予兆を高速、高精度で検知[2015/07/06]