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海に流出時、対策不十分と指摘 放射性物質  

 二十二日の県原子力安全専門委員会では、前回に引き続き、過酷事故で海に流れ出た放射性物質の対策が不十分だとして、指摘の対象になった。

 関西電力は放射性物質が海に流れ出る前に側溝に設置した吸着剤「ゼオライト」で捕捉し、通過しても砂に吸着して粒子状になれば、海に張った「シルトフェンス」で捕捉。水に溶けた放射性物質はフェンスを通過するが、フェンスの整流効果で広がる範囲を小さくできると説明した。

 県立大教授の近藤竜二委員は「対策はセシウムを対象にしているようだが、ストロンチウムもたくさん出る」と指摘。ストロンチウムは海水の主要成分であるため、「放射性核種と安定核種を分けて取ることはできない。技術的な問題では?」と問いただした。

 関電は「もっともな指摘」と認めた上で、東京電力福島第一原発の汚染水対策で開発中の技術を活用する方針を示した。ただ、近藤委員が「可能なのか」と強く迫ると「詳しい中身は公表されていない。申し訳ない」と言葉を濁した。名古屋大大学院教授の山本章夫委員は「無理」と明言した。

 (西尾述志)

 

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