かつて私は「どのワインを買えばいいか分からない」と言う人がいると、
「チリ産のワインを買えば間違いないよ」と答えていました。
今では私もいろんなワインを飲んでいるので少し変わりつつありますが、
でも今でもチリワインは「安い」「美味い」「ハズレがない」と思っています。
コノスルなどは大好きな銘柄の1つです。
チリワインが安い理由は、日本とのFTA(自由貿易協定)によりワインの輸入に関税がかからないからだそうです。加えて、チリの物価が安いこともあって最高のコスパで美味いチリワインが飲める訳です。
そんなチリワインについて勉強しました。
【チリワインの歴史】チリで最初のワインが確認されたのが1556年。
いわゆるニューワールド(ヨーロッパ以外)の中では、
チリは最も古くからワインが作られている国です。
1818年、スペインから独立したチリは本格的なワイン作りをスタート。
1851年には、「チリのぶどう栽培の父」と呼ばれる
シルヴェストーレ・オチャガビアが、フランスからカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどを導入され、各地で栽培されるようになりました。
19世紀後半にはヨーロッパのぶどうが寄生虫フィロキセラ被害で全滅しましたが、チリだけは難を逃れています。
したがって、チリのぶどうこそがオリジナルのヨーロッパのぶどう品種だとも言われています。
しかし、1900年代に入ると、酒税の増税や法改正でワイン作りが長い間低迷することとなります。
1974年に葡萄栽培を制限する法律が撤廃され、1980年代以降になると一気に品質が向上していきます。
【チリワインの特徴】「
チリカベ」と言われるくらい有名なのが、チリの全土で赤ワイン用品種の45%強を占めるカベルネ・ソービニョンです。
味わい深いタンニン、しっかりとした骨格、長期熟成型ワインです。
気候は「
地中海性気候」で、化学肥料を使うような必要性もないし、夏は乾燥しているため菌やカビ対策の防腐剤も必要ありません。
さらにフィロキセラがチリには存在しないことから、ほぼ無農薬の「
オーガニックワイン」が多いようです。
【チリワインのぶどう品種】赤 ①カベルネ・ソーヴィニヨン、②メルロ、③カルメネーレ
白 ①ソーヴィニヨン・ブラン、②シャルドネ、③セミヨン
ボルドーの品種と似ています。
【チリのワイン法(D.O法)】農業保護庁農牧局(
S.A.G)が管轄し、3つに分類されます。
①
D.Oワイン(原産地名、ヴィンテージ、品種は75%以上の物のみ表示可)
②原産地名のないワイン
③テーブルワイン(品種、品質、ヴィンテージの表示不可)
【チリワインの産地】○アコンカグア・ヴァレー(ACONCAGUA) ・アコンカグア・ヴァレー(ACONCAGUA)
・カサブランカ・ヴァレー(CASABLANCA)
・サン・アントニオ・ヴァレー(SAN ANTONIO)
○セントラル・ヴァレー ・マイポ・ヴァレー(MAIPO)
・ラペル・ヴァレー(RAPEL)
・クリコ・ヴァレー(CURICO)
・マウレ・ヴァレー(MAURE)
※チリ最大の産地○サウス ・イタタ・ヴァレー(ITATA)
・ビオビオ・ヴァレー(BIOBIO)
・マジェコ・ヴァレー(MALLECO)
チリ最大の有名ワイナリーは「
コンチャ・イ・トロ(Concha y Toro)社」で、
チリにおいては、マイポ(Maipo)、マウレ(Maule)など5ヶ所にぶどう園を所有しています。
最高級ワイン「
ドンメルチョ」は権威のあるワイン誌で世界のトップ12位に選出されており、また、世界中のセレブが乗船するクイーンエリザベス2世号のワインリストにも載っているそうです。
【その他】さて、よくチリやスペインのワインラベルで見かけるのが「
レセルヴァ(Reserva)」、そしてネットで探していてよく見かける用語が「
ヴァラエタル」。
この2つの用語について調べてみました。
「レゼルヴァ」はスペイン語で「貯蔵する」という意味で、
ワイン用語としては、オーク樽での熟成を行っているワインを指します。
ただし、国によっての定義が異なるので、
チリとスペインの定義を記します。
1.チリ
●レゼルバ
アルコール度数が法定アルコール度数より少なくとも0.5度以上高く、特有かつ独自の風味特性を持ち、樽熟成している場合もあるワイン。
●グランレゼルバ
アルコール度数が法定アルコール度数より少なくとも1度以上高く、特有かつ独自の風味特性を持ち、樽熟成しているワイン。
2.スペイン
●レゼルバ
3年以上の樽または瓶内熟成、うち1年以上の樽熟成させたもの。
(※白・ロゼは、2年以上の樽または瓶内熟成、うち6ヶ月以上の樽熟成させたもの。)
●グラン・レゼルバ
5年以上の樽または瓶内熟成、うち2年以上の樽熟成させたもの。
(白・ロゼは、4年以上の樽または瓶内熟成、うち6ヶ月以上の樽熟成させたもの。)
次に、「ヴァラエタル」。
「ヴァラエタル」とは単一品種で造られ、その品種名がラベルに明記してあるワインで、チリでは品種名(ヴァラエタル)を名乗る場合、その品種が
75%以上使用されていることが法律で規定されています。
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最後に、
チリは「
3Wの国」と呼ばれているそうです。
素晴らしい気候(Weather)
美しい女性(Woman)
安くて旨いワイン(Wine)
いいですね、チリ!
千円程度のフランスワインやイタリアワインはあまり飲みたくないですが、
チリワインは千円台でも実にうまいワインが多いです。
これからも飲み続けたいと思います。