【ニューヨーク=山下晃】東芝の不適切会計問題で、22日までに米国の個人投資家が東芝の株価下落で損失を被ったとして提訴したことが分かった。このほかにも米法律事務所が東芝株を保有する投資家に対して訴訟に参加するよう呼びかけており、東芝に損害賠償を求める動きが広がる可能性が出てきた。
6月4日付で米カリフォルニア州の連邦地裁に提訴した。インフラ事業の費用に関連して投資家に誤った情報を伝えたことを問題視している。今年5月に東芝が第三者委員会を設けて調査を始めて以来の株価下落で損失を被ったとして、東芝に加え田中久雄前社長と佐々木則夫前副会長にも損害賠償を求めている。
同訴訟の代理人の米ローゼン法律事務所は、6月初旬から損害賠償訴訟に加わる投資家を募っている。東芝が調査を始め、2015年3月期の業績予想を取り下げる前の5月7日以前に株式を購入した米国内外の投資家を対象としている。
東芝は米国で上場していないが、現物株を裏付けとした米預託証券(ADR)が米国投資家の間で売買されている。ローゼン法律事務所の集団訴訟の呼びかけでも「米国で取引されているADRを購入した投資家が対象」となっている。
米国には「クラスアクション」と呼ばれる集団訴訟制度があり、一個人が勝訴すれば訴訟に参加していない同様の被害者にも救済範囲が及ぶ。訴訟の規模が大きくなりがちで、最終的には和解するケースも多い。同法律事務所の担当弁護士は「集団訴訟の認可に向けた手続きは進んでいる」と明らかにした。
こうした集団で訴訟できる仕組みのある米国を中心に、東芝を相手取った訴訟が相次ぐ可能性がある。
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