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来日の李登輝氏「ひとつの中国、決して同意できない」 衆院議員会館で初講演
来日中の台湾の李登輝元総統(92)は22日、東京都内の衆院第一議員会館で、国会議員有志らを前に台湾の民主化をテーマに講演した。総統退任後、李氏の訪日は7回目だが、国会施設での講演はこれが初めて。
「台湾パラダイムの変遷」と題した日本語による講演で、李氏は戦後台湾を統治した中国国民党政権を「外来政権」だと指摘。同党の長期支配を受けたことで、「独立した台湾人」という意識が台湾に確立されたと語った。
李氏は、戒厳令解除から2000年の政権交代までを台湾の「第1次民主改革」として成果を強調する一方、現職の馬英九総統が進めた対中政策が批判を浴びたとして、総統権限の制限を含む新たな民主改革が必要だと述べた。
中国に関しては、在任中に制定した「国家統一綱領」を例に「中国が自由化、民主化されるような日は、半永久的に来ないと思っていた」と発言。「ひとつの中国」との原則について、「われわれは決して同意できない」と拒絶した。
講演に先立ち、下村博文文部科学相が超党派議員の発起人を代表してあいさつ。講演会には議員ら約300人が出席した。