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【世界を読む】韓国のハイテク救急車「廃車騒動」…1台2200万円で自慢の遠隔診療システムも型落ちPCで通信不良、誤作動続出

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韓国のハイテク救急車「廃車騒動」…1台2200万円で自慢の遠隔診療システムも型落ちPCで通信不良、誤作動続出

韓国・ソウル市内の予備兵訓練所に入る救急車。韓国では主に重大な急患以外の救急車利用は有料制となっている=2015年5月(AP)

維持費は5年間で1100万円

 車内のパソコンシステムが古くなったのなら、全て新型に交換するという解決策もある。にもかかわらず廃車となった背景には、3台とも高級外車だったという事情があった。

 3台はいずれもドイツ製の高級車。5年間の維持管理費だけで約1億ウォン(約1100万円)もかかった。しかも、地元にメーカーのサービス拠点がない。故障しても早期修理が困難だったのだ。

 結局、蔚山市消防本部では3台のハイテク救急車をお払い箱とし、代わりに国産で、ハイテク装備もない「普通の救急車」を導入することを決めた。

 こうした事例は、蔚山市だけでなく韓国各地で問題となっていることを韓国テレビ局KBS(電子版)が報じている。

 韓国消防庁では09年度に87台を全国配備したが、遠隔画像診療システムの利用率はわずか3~4%にとどまった。蔚山市のケースと同様に、病院との映像システム接続に約5分かかったといい、KBSは「多くの都市では、5分あれば救急車は病院に到着している。高額な機器が遊んでいる」と指摘している。

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 これに対し、韓国のネットユーザーからは「無駄遣いも甚だしい」との批判が相次いだ。

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