固定表示スペース

お知らせなどをブログのトップページに表示できます。
以下、サンプルの文章です。当テンプレート使用時に削除可能です

きれいなコーディング、シンプルな見た目

  • 内部SEO対策済
  • 画像未使用、外部JSファイル未使用で表示が速い
  • W3Cで Valid 
  • HTML-lintで100点

ちょこっと試してみよう!

当テンプレートでは、HTMLをほんの少し編集するだけで、下のボタンで切り替えられるようなことはすぐにできます。その説明や方法をテンプレート内や作者サイトに記載しています。

 角丸   記事左   ブログタイトルよ、画像にな~れっ! 

 赤   ピンク   橙   カーキ   黄   緑   青   紫   デフォルト色 

 その他の特長も表示可能です。 

かんたんカスタム機能

  • 上のボタンで試せるようにブログタイトルに画像使用OK!
  • 角丸、配色、記事配置をかんたん切り替え
  • コメントの装飾を、シンプルもしくは吹き出し風からかんたん選択
  • HTMLとCSS内にカスタム用説明記述済
  • 編集方法を記載したページのURLも記述済

読者を迷わさない充実ナビゲーション

固定表示スペースを目的別に複数設置可能

  1. HOMEページに固定表示スペース
  2. カテゴリーページごとの固定表示スペース
  3. 各記事最後に固定表示スペース
  4. 各ページ下部に固定表示スペース
  5. サイドバーの背後(下部)の空きスペースを有効活用可能
  6. 上記固定表示スペースが不要な場合、CSS編集の冒頭部分で簡単に非表示可能

試しに上記3~5を非表示にできます。 非表示  

上のボタンは表示切替をした場合の一時的なイメージです。CSS編集で実際に表示・非表示を切り替えられます。作者サイトからのコピペでOKです。

記事本文がメイン、テンプレートはサブ

  • テンプレートがシンプル設計なので記事本文に注意を引かせやすい
  • IE6~8でも崩れず表示可能 (プログレッシブ・エンハンスメント)

わりと自由な使用条件

  • カスタムOK (むしろ推奨)
  • アフィリエイトサイトOK
  • 商用利用OK
  • 作者へ質問OK
  • 再配布OK (ただし作者の許可必要)
  • 作者サイトへのリンクの削除・改変NG
  • アダルト・違法サイトNG

このテンプレートは、HTMLとCSSをこれから覚えていきたい方にも使っていただけると思います。


『ほんとにあった怖い話〈8〉読者の恐怖体験談集』

ほんとにあった怖い話〈8〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1990 ハロウィン少女コミック館

 前巻の感想で「通常のストーリーを運ぶには困難なレベルの作画」だの「呪いの石」だのと書いたけど、この第8巻の作画はびっくりするほど整っていて読みやすい。どこに出しても恥ずかしくないばかりか、これ普通より上手いんじゃね? なんてエピソードもある。なので作画に関しては何の不満もないはずなのだが、7巻かけてヘビーな作画に馴らされてきた身には少々物足りなく感じてしまう。なんか寂しい。それらしく書くなら、おどろおどろしさが足りないとかなんとか、そんな感じなんだけど、単に贅沢なだけなのだ。

 下のリストの通り、収録されたエピソードはここまでで最多の全25話。本の厚みはいつも通りなので、必然的に短い話が多くなっている。ストーリーもあまりなくて、ほんと「ただ見ただけ」ってエピソードが多い。そういえばコックリさんをしてたとか、後から聞いたところによると……とか、それらしい因果関係が全く語られないから、まさにヤマもオチも意味もないのだが、この手の話には実際に見たらこんな感じかもなー、っていうリアリティはある。なかでも10話〜13話「キャンプ場で見た」「学校で見た」「自室で見た」「火葬場で見た」の四連続見ただけ話は印象的だった。最短は「第13話 火葬場で見た黒い煙」の2ページ。モノローグだけのシンプル設計で、なに一つ足すことも引くこともなく(引けないけど)、火葬場の煙突から昇天する棺桶型の黒い煙という珍しい怪異を描き切っている。

 そのほかにも見ただけの話には「第19話 私の家も霊感家族!?」(←良作です)「第22話 男の子の影」などがあって、さらに寝てるあいだに幽体離脱をして夜空をビュンビュン飛び回る「第15話 幽体飛行」など、面白い話も収録されているのだが、なんとなく物足りない。やっぱり絵が整いすぎてるからかなあ。



『見知らぬ光景 他』画・瀧清流 ’89『ハロウィン』秋の増刊『ほんとにあった怖い話』, ’89『ハロウィン』3月, 6月号 掲載
 「第1話 過去視ができる!?」投稿者・東京都 匿名希望さん ※霊感少女
 「第2話 見知らぬ光景」投稿者・神奈川県 匿名希望さん ※異世界
 「第3話 注文の多い幽霊」投稿者・熊本県 村上新一さん ※異世界
 「第4話 闇の黒影」投稿者・(記名なし・28歳主婦)
 「第5話 恐怖!! 金縛りと肩にかみつく化物」投稿者・愛知県 北原恵子さん

『ゴースト・ホテルの怪 他』画・三浦尚子 ’89『ハロウィン』秋の増刊『ほんとにあった怖い話』, ’89『ハロウィン』2月, 4月号 掲載
 「第6話 ゴースト・ホテルの怪」投稿者・兵庫県 篠原那奈さん(仮名) ※学校の怪談・旅先の怪談・霊感少女
 「第7話 人形は夜歩く」投稿者・愛媛県 匿名希望さん ※人形の怪談
 「第8話 死者まいり」投稿者・神奈川県 三浦真琴さん(仮名)
 「死んだ子が夢の中に 他」
  「第9話 死んだ子が夢の中に」投稿者・大阪府 大西千恵さん
  「第10話 ゆかたを着た女たち」投稿者・東京都 匿名希望さん ※キャンプ場の怪談
  「第11話 白い影」投稿者・同上 ※学校の怪談
  「第12話 窓の外の大きな手」投稿者・同上
  「第13話 火葬場で見た黒い煙」投稿者・同上
  「第14話 白蛇の霊」投稿者・北海道 藤山真美子(仮名)

『幽体飛行 他』画・南地ゆうこ ’89『ハロウィン』秋の増刊『ほんとにあった怖い話』, ’89『ハロウィン』8月号 掲載
 「第15話 幽体飛行」投稿者・広島県 見世明美さん ※霊感少女
 「第16話 "死んだ友達の夢をよく見るの…"」投稿者・東京都 Sleepyさん
 「第17話 "霊感があると金縛りにあってタイヘン…"」投稿者・熊本県 中園由紀子さん ※霊感少女

『第18話 体育倉庫の怪』投稿者・大阪府 壺山裕子さん 画・有久祐子 ’88『ハロウィン』9月号 掲載 ※学校の怪談

『私の家も霊感家族!? 他』画・佐和田知生 ’88『ハロウィン』9月号, ’89『ハロウィン』11月号 掲載
 「第19話 私の家も霊感家族!?」投稿者・北海道 飯田浩世さん ※霊感少女
 「第20話 放課後の恐怖!!」投稿者・茨城県 アキラの悪夢さん ※学校の怪談
 「第21話 後ろの正面…」投稿者・栃木県 1-6のくりさん ※路上の怪

『男の子の影 他』画・田中夕子 ’89『ハロウィン』5月, 9月号 掲載
 「第22話 男の子の影」投稿者・京都市 平岡真琴さん ※学校の怪談
 「第23話 黒い人」投稿者・同上 ※コックリさん
 「第24話 山中湖の夜」投稿者・東京都 花汐樹さん ※学校の怪談・旅先の怪談
 「第25話「おばけ屋敷」に出る幽霊!?」投稿者・千葉県 市原剛さん



「※印」は各話の簡単な分類。サブタイからは内容がよく分からない話などに適当につけた。投稿者名の敬称については作中の表記通り。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

怪奇っぽい展覧会について 2015 夏

 というわけで、気になる展覧会に続いて全国の怪奇っぽい展覧会です。こっちも「アートスケープ/artscape」の展覧会スケジュールなどで調べてみました。すべて夏休み中に開催される展覧会です。嬉しいことに今年は豊作。下記の通り結構な数になりましたが、私設の博物館などまだ未確認なところも多いです。近所の人や旅行で近くに行く人の参考に。今年は早めにチェックできてよかった。

 ※展覧会のサイトへのリンクは、リンクフリーって表記のあったところだけ直リンクにしてます。

 ■怪奇っぽい展覧会

『学校の怪談とSF・ミステリのある風景 楢喜八原画展』2015年6月6日~2015年8月2日
「市立小樽文学館」北海道小樽市 http://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/bungakukan/
「現在までの作品約1,100点と掲載図書などの関連資料を一堂に展示し、長い経歴と常に新鮮な感覚で幅広い世代に好まれるイラストレーターの、初の本格的全作品展となるものです。」(webサイトより)
 ※画家・イラストレーター楢喜八の原画展。『学校の怪談』のイラストの人というと一番通りがいいかもしれない。

『化け物展』2015年8月1日~2015年9月13日
「青森県立美術館」青森県青森市 http://www.aomori-museum.jp/ja/
「本展は、人間によって創造され、信仰され、そしておそれられてきた“化け物”を多彩な造形表現をとおして紹介します。今も昔も変わることなく人間を魅了し続ける存在“化け物”との交感を心ゆくまでお楽しみください。」(webサイトより)

『スサノヲの到来 いのち、いかり、いのり』2015年6月4日~2015年7月21
「山寺芭蕉記念館」山形県山形市 http://yamadera-basho.jp/
「本展はスサノヲ的な表象をたどることによって日本人の深層を文化や芸術の視点から迫るものです。スサノヲの絵画・神像による表現の歴史などから習合・変容の過程を確認します。また、最初の和歌を詠んだスサノヲを「短詩型文学と漂泊」の原型と捉え、その体現者である文人・遊行者の表現を探ります。」(webサイトより)

『異界へのいざない 妖怪大集合』2015年7月18日~2015年8月30日
「茨城県天心記念五浦美術館」茨城県北茨城市 http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/
「百鬼夜行絵巻や浮世絵、茨城県ゆかりの河鍋暁斎、小川芋銭らの日本画、水木しげるの妖怪画など、近世から現代に至る「妖怪」を描いた絵画を中心に紹介し、日本人にとって妖怪が今日まで身近な存在としてあり続ける意味をさぐります。」(webサイトより)
 ※上記のほか映画『妖怪大戦争』(2005)の着ぐるみの展示や上映会が予定されています。8月にはナイトミュージアムなどイベント盛り沢山。

『「うらめしや~、冥途のみやげ」展 ―全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に― 』2015年7月22日~2015年9月13日
「東京藝術大学大学美術館」東京都台東区 http://www.geidai.ac.jp/museum/
 公式サイト→ http://www.tokyo-np.co.jp/event/urameshiya/
「圓朝コレクションを中心として、日本美術史における「うらみ」の表現をたどります。〔中略〕円山応挙、長沢蘆雪、曾我蕭白、浮世絵の歌川国芳、葛飾北斎、近代の河鍋暁斎、月岡芳年、上村松園など、美術史に名をはせた画家たちによる「うらみ」の競演、まさにそれは「冥途の土産」となるでしょう。」(webサイトより)
 ※夏の風物詩、幽霊画展。8月のイベントにはナイトミュージアムも予定されてます。

『画鬼・暁斎 ― KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル』2015年6月27日~2015年9月6日
「三菱一号館美術館」東京都千代田区 http://mimt.jp/
 特設サイト→ http://mimt.jp/kyosai/
「暁斎の厳粛さからユーモアまでただよわせる型破りな画業を、様々なジャンルにわたる国内外の名品約130点(展示替え有)によりご覧いただきます。/英国人建築家ジョサイア・コンドルと、幕末明治の人気絵師・河鍋暁斎の師弟愛をしのびます。」(webサイトより)
 ※「前期:8月2日(日)まで/後期:8月4日(火)から」のスケジュールで展示替えが予定されてます。

『スサノヲの到来 いのち、いかり、いのり』2015年8月8日~2015年9月21
「渋谷区立松濤美術館」東京都渋谷区 http://www.shoto-museum.jp/
「日本神話に登場するスサノヲは、大地を揺るがし草木を枯らす荒ぶる魂と、和歌の始祖としての繊細な美意識を備えた存在です。この両面を持つスサノヲの姿を、古美術品・歴史資料でたどり、さらには、「破壊と再生」というスサノヲの象徴性に触発されて制作された現代の作品も展示し、時代を超えたスサノヲの影響を見ていきます。」(webサイトより)

『幽霊塔へようこそ展 ―通俗文化の王道―』2015年5月30日~2016年5月末(予定)
「三鷹の森ジブリ美術館」東京都三鷹市 http://www.ghibli-museum.jp/
「今回の展示では、江戸川乱歩の長編小説『幽霊塔』をとりあげます。〔中略〕今展示の企画・構成は宮崎駿監督。あらためて『幽霊塔』を60年ぶりに読み直して、この小説は通俗文化の王道をゆくものであると思い至りました。展示では、その理由を自身の描き下ろし漫画にて解説します。さらに、館内中央ホールには、宮崎監督デザインによる大きな「時計塔」が出現します。」(webサイトより)

『妖怪と出会う夏 in Chiba 2015』2015年7月11日~2015年9月23日
「千葉県立中央博物館」千葉県千葉市 http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=57
「この夏、千葉県内の妖怪が中央博に大集合します。いたずら好きな河童や天狗、こわ~い鬼などの妖怪をはじめ、県内外の妖怪に関係する実物や絵画、古文書などを大紹介。もちろん、昨年、皆さんから多数寄せられた“もののけ情報”も展示します。」(webサイトより)
 ※妖怪ミイラ系から、浮世絵、呪具、郷土玩具、アニキャラまで展示。イベントも色々あって大人も子供も楽しめそう。

『アートで見る南総里見八犬伝』2015年6月11日~2015年9月13日
「金谷美術館」千葉県富津市 http://kanayaart.com/
「今展覧会では八犬伝の人物・名場面を題材にした迫力ある浮世絵を中心に、若手アーティスト・宮崎勇次郎氏の「現代から捉えた里見八犬伝」の作品を展示。江戸時代から現代まで、八犬伝がモチーフとなった玩具・芸能・漫画等、「アート」をキーワードに八犬伝の世界を多角的に紹介いたします。」(webサイトより)

『古代エジプト美術の世界展魔法と神秘』2015年7月3日~2015年8月30日
「福井県立美術館」福井県福井市 http://info.pref.fukui.jp/bunka/bijutukan/bunka1.html
 特設サイト→ http://www.fukuishimbun.co.jp/jigyou/egypt/index.html
「石碑やレリーフ、さまざまな副葬品に刻まれたヒエログリフや図像のデザインを読み解き、そこに使われた素材や色から、魔術的な効用や意味を探ることができるように構成しました。「ヒエログリフの魔術」「素材の魔術」「色の魔術」をキーワードに、古代エジプト美術の魅力的で象徴的な特徴に焦点をあて、その魔術と神秘の扉を開きます。 約150点に及ぶ出品作品はすべて日本初公開です。」(webサイトより)

『漆とおばけの世界~まっくらやみから、うるわしや~』2015年7月4日~2015年9月6日
「石川県輪島漆芸美術館」石川県輪島市 http://www.city.wajima.ishikawa.jp/art/
「漆とおばけ(妖怪)、まったく接点が無いように見えるこの二つには、実は古い時代から共存してきた歴史がありました。この展覧会では、漆器が描かれた妖怪画や、妖怪をモチーフにした漆器の展示を通して、漆器の世界から見た妖怪文化をご紹介します。」(webサイトより)
 ※面白い着眼点の展覧会。『百鬼夜行絵巻』なども展示。

『魔女の秘密展』2015年7月18日~2015年9月27日
「名古屋市博物館」愛知県名古屋市 http://www.museum.city.nagoya.jp/
 公式サイト→ http://majo-himitsu.com/top.html
「魔よけのまじないの道具、「魔女裁判」に関する書物や拷問道具、“魔女”をテーマとした絵画など約100点の展示資料で、わざわいをもたらす者としてのヨーロッパの魔女像から現代日本のコミックに登場する“魔女”たちまでを紹介します。」(webサイトより)
 ※文献資料の他、魔女裁判の各種拷問ツールなども展示。非常に興味深いです。

『虫愛づる人々』2015年7月4日~2015年9月27日
「西尾市岩瀬文庫」愛知県西尾市 http://www.city.nishio.aichi.jp/nishio/kaforuda/40iwase/index.html
「岩瀬文庫が所蔵する古典籍類をとおして、我が国の精神文化や生活に深く根ざした“虫”の姿を紹介し、日本人が虫と培ってきた親密な関係をたどります。/あわせて、元西尾市文化財保護委員として活躍した故・山田満寛氏の作成になり、縁あって西尾市に寄贈された昆虫標本の一部を展示、氏の昆虫に関する業績を顕彰記念します。」(webサイトより)
 ※江戸時代の虫類図譜の他、『画図百鬼夜行』の「しょうけら」や「恙虫」など虫っぽい妖怪関連も展示。

『その手は桑名の萬古焼 桑名・妖怪ウオッチング!』2015年7月16日~2015年8月30日
「桑名市博物館」三重県桑名市 http://www.city.kuwana.lg.jp/index.cfm/24,0,235,414,html
「夏休みの子どもたちの学習支援展示として、地域ゆかりの工芸品である萬古焼の作品とその歴史や、地域に残る妖怪や不思議な話を紹介します。」(webサイトより)

『妖怪パラダイス! ―現れる異形のモノたち―』2015年8月6日~2015年9月5日
「京都工芸繊維大学 美術工芸資料館」京都府京都市 http://www.museum.kit.ac.jp/

『かたどられた霊獣 ―拓本、タンカ、古印―』2015年6月9日~2015年8月2日
「大谷大学博物館」京都府京都市 http://www.otani.ac.jp/kyo_kikan/museum/
 詳細→ http://www.otani.ac.jp/news/nab3mq000003zehp.html
「東アジアの造形作品には、しばしば動物の姿がかたどられています。そこには、私たちが知っている鳥獣のみならず、龍や鳳凰などの想像上の動物も大きな存在感を示しています。彼らはいったい何ものなのでしょうか。〔中略〕本展では、館蔵品の中から多様な霊獣の一端を紹介します。神秘的で不可思議な「霊獣の世界」を感じ取っていただければ幸いです。」(webサイトより)

『百鬼夜行の世界』2015年6月20日~2015年8月30日
「耕三寺博物館」広島県尾道市 http://www.kousanji.or.jp/
「百鬼夜行図に描かれたもののけたちはときに恐ろしく、ときにユーモラス。彼らが繰り広げる夜行をご堪能あれ。」(webサイトより)
※メインの雲山筆『百鬼夜行図』の他、複数の夜行図を展示。

『くらしの中の信仰 ―祈祷札・守り札・魔よけの民俗―』2015年7月14日~2015年9月13日
「瀬戸内海歴史民俗資料館」香川県高松市 http://www.pref.kagawa.jp/setorekishi/
「本展では、家内安全や五穀豊穣、大漁祈願、航海安全、魔除けといった、くらしと密接に関わった御札など当館の収蔵資料を中心に紹介し、そこに生きた人々の祈りや願いについて考えます。」(webサイトより)
※主な展示資料は「虫除けの御札」「海上安全を祈願した御札」「家の魔除け」など約80点。地味っぽいけどめっちゃ面白そう。

『館蔵名品展 ―ふしぎなおはなし―』2015年6月2日~2015年8月30日
「今治市河野美術館」愛媛県今治市 http://museum.city.imabari.ehime.jp/kono/
「館蔵品の中から作品を選抜し展示公開しています。夏といえばこわい話。そんなこの季節にふさわしい伝説や怪談にまつわる掛軸や典籍など約30点を展示しています。様々な形で語りつがれてきたふしぎなおはなしの世界に触れてみませんか?」(webサイトより)

『大正のロマンとデカダンス ~高畠華宵・江戸川乱歩・横溝正史~』2015年5月23日~2015年8月31日
「高畠華宵大正ロマン館」愛媛県東温市 http://www.kasho.org/
 詳細→ http://www.kasho.org/tenji.html
「本展では高畠華宵作品に加え、丸尾末広(まるおすえひろ)、多賀新(たがしん)、杉本一文(すぎもといちぶん)が描いた江戸川乱歩と横溝正史の「犯罪」に焦点を当てた作品世界をご紹介します。「幻想」「狂気」「退廃」「美醜」「悲哀」「因習」などがキーワードになるでしょう。さらに人形作家の森馨(もりかおる)、衣(はとり)hatori、清水真理(しみずまり)、池田祐美(いけだゆみ)らの人形もデカダンな気分を高揚させてくれることでしょう。」(webサイトより)

『じごくとごくらく ~回忌ってなあに~ 十王図と極楽往生』2015年7月4日~2015年9月2日
「北九州市立小倉城庭園」福岡県北九州市 http://www2.kid.ne.jp/teien/
 詳細→ http://www2.kid.ne.jp/teien/kikakutenn/kikaku78.html
「死後に行く地獄・極楽の世界を、私達はこれまでどのように考えていたのか、十王図や当麻曼荼羅からみていきます。」(webサイトより)
 ※「曼陀羅」「地獄図」を展示。

『今昔、日本の妖怪~百鬼夜行からゲゲゲまで~』2015年7月18日~2015年8月31日
「宮崎県総合博物館」宮崎県宮崎市 http://www.miyazaki-archive.jp/museum/
「多くの人から怖がられ、そして親しまれている日本の妖怪について、その歴史と生まれた背景について紹介します。妖怪の描かれた絵巻き、妖怪のミイラ、現代の妖怪や鬼太郎なども展示します。」(webサイトより)
 ※近年の都市伝説も含む展覧会。8月のイベントにナイトミュージアムが予定されています。

『江戸のふしぎな動物たち』2015年6月6日~2015年8月31日
「有馬記念館」福岡県久留米市 http://www.miyazaki-archive.jp/museum/
 詳細→ http://www.arimakinenkan.or.jp/information/detail/43
「江戸時代の人々が描いた江戸時代の版画を中心に紹介します。動物たちのふしぎな姿かたちを楽しんでいただける企画展です。」(webサイトより)
 ※見どころとして、「海外からやってきたゾウやラクダから、日本国内で発見された人面魚や白亀、人魚や擬人化された狐といった動物のような動物でないようなものまで、いろいろな「ふしぎな動物たち」に出会えます。」とある。


 ※気になる展覧会の開催期間や休館日などは、必ず展覧会の本サイトでチェックしてください。
 ※美術館情報「アートスケープ/artscape」のサイトです→http://artscape.jp/


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

気になる展覧会について 2015 夏

 今年も全国の怪奇っぽい展覧会と気になる展覧会を「アートスケープ/artscape」の展覧会スケジュールなどで調べてみました。多くなってしまったので、二つに分割します。まずは気になる展覧会から。すべて夏休み中に開催される展覧会です。近所の人や旅行で近くに行く人の参考に。

 ※展覧会のサイトへのリンクは、リンクフリーって表記のあったところだけ直リンクにしてます。

 ■気になる展覧会

『挿絵の美・大衆文化の黄金時代 ―大正イマジュリィの世界―』2015年7月11日~2015年9月6日
「北海道立文学館」北海道札幌市 http://www.h-bungaku.or.jp/
「大衆文化が栄え、書物や雑誌の出版が盛んに行われた大正時代。〔中略〕竹久夢二や簬谷虹児、高畠華宵らをはじめ、この時代を彩った挿絵文化の黄金時代を、前後期の2期に分けてご紹介します。」(webサイトより)

『招き猫亭コレクション 猫まみれ展 アートになった猫たち-浮世絵から現代美術まで』2015年7月15日~2015年9月6日
「北海道立釧路芸術館」北海道釧路市 http://www.kushiro-artmu.jp/
「古今東西にわたり豊かに彩られたイメージの数々を、猫と猫作品を愛してやまない収集家「招き猫亭」のコレクションにより、紹介します。」(webサイトより)

『イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる』2015年6月27日~2015年8月23日
「郡山市立美術館」福島県郡山市 http://www.city.koriyama.fukushima.jp/bijyutukan/
「世界各地の神像や仮面をはじめ、民族衣装、墓標、玩具など約360点が出品されます。本展では、それらを地域や時代などに分類するのではなく、人びとが作り出したイメージに備わる造形性や効果、機能に着目して提示します。」(webサイトより)

『「縄文の女神」と「遮光器土偶」 ―縄文の美と宝―』2015年5月30日~2015年9月6日
「山形県立博物館」山形県山形市 http://www.yamagata-museum.jp/
 ※メインの2体の他、複数の土偶を展示。「縄文の女神」は8月1日(土)~8月2日(日)の期間不在で、レプリカが展示される。

『美しい昆虫展 ~甲虫編~』2015年7月1日~2015年9月28日
「切手の博物館」東京都豊島区 http://yushu.or.jp/museum/
「本物の虫ではなく、あくまでも切手に描かれた虫たちを特集した展覧会です。〔中略〕さまざまな甲虫を約100ヵ国(地域を含む)、800点余りの切手で紹介します。」(webサイトより)
 ※切手の博物館らしい企画展。楽しそう。

『シネマブックの秘かな愉しみ』2015年4月14日~2015年8月2日
「東京国立近代美術館フィルムセンター」東京都中央区 http://www.momat.go.jp/fc/
「映画史を知るための基本文献、明治・大正期の貴重書や無声映画時代の“映画文庫”、豪華な大型本・愛らしい豆本、こども向けの本や優れたデザインの書籍、映画という職業をめぐる本まで、映画史と寄り添って脈々と生み出され、さまざまな魅力を放つ日本の映画書を一堂に集めて展示し、併せて、映画の本を収集している日本各地の映画図書館をご紹介します。」(webサイトより)

『マトリョーシカとロシアの玩具 前期』2015年4月11日~2015年9月27日
「東京おもちゃ美術館」東京都新宿区 http://goodtoy.org/ttm/
「ロシアを象徴する色とりどりの可愛らしいマトリョーシカを中心に、数多くのロシアの民芸玩具、構成玩具などを収蔵してきました。これらの玩具の成り立ちや背景から、ロシアの玩具の魅力が再発見できるコレクションを本展で一挙公開いたします。」(webサイトより)

『動物文様の工芸と絵画』2015年6月30日~2015年8月23日
「日本民藝館」東京都目黒区 http://www.mingeikan.or.jp/
「当館には、大津絵や絵馬を始め、陶磁・染織・漆工などに、動物をモチーフとした造形が豊富に所蔵されています。本展ではそれらに加え、室町時代の水墨画や、中国南宋の動物画の流れを汲む朝鮮半島や中国の精緻な動物画など、柳宗悦蒐集の絵画を展示します。」(webサイトより)

『隕石展 -宇宙からの贈り物-』2015年7月11日~2015年9月27日
「府中市郷土の森博物館」東京都府中市 http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/
「隕石のさまざまな謎に迫ります。/協力:国立極地研究所、JAXA 他」(webサイトより)

『生き物を描く~サイエンスのための細密描画~』2015年7月18日~2015年11月3日
「神奈川県立生命の星・地球博物館」神奈川県小田原市 http://nh.kanagawa-museum.jp/
 特設サイト→ http://nh.kanagawa-museum.jp/sp/2015special/
「博物館が収蔵する資料を中心に、サイエンスの世界での生物画の魅力や重要性を解説し、それを支える道具やテクニックを、学芸員や生物画のプロが作成した生物画を織り交ぜながら紹介します。」(webサイトより)
 ※すごく面白そう。近所の人が羨ましい。『【ミニ企画展示】図鑑と博物館』も開催中。8月9日まで。

『標本いろいろ ―しらべる・のこす・みせる―』2015年7月4日~2015年8月30日
「横須賀市自然・人文博物館」神奈川県横須賀市 http://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp/
「様々な標本の作り方や保管の方法、「蔵出し」の標本などを展示し、標本を調べて分かること、標本を見せること、そして標本を将来にわたって遺すこと、それぞれの実例と大切さを分かりやすく紹介します。」(webサイトより)

『縄文 5000年前の世界』2015年4月25日~2015年8月31日
「浅間縄文ミュージアム」長野県北佐久郡 http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/
「縄文時代中期、いまからおよそ5000年前。日本列島には、独自な縄文文化が花開きました。火焔型土器、焼町土器、勝坂式土器、ユニークな土器などとともに5000年前の縄文世界を覗いていただきます。」(webサイトより)

『マグリット展』2015年7月11日~2015年10月12日
「京都市美術館」京都府京都市 http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/
 公式サイト→ http://magritte2015.jp/
「ベルギー王立美術館とマグリット財団の協力を得て,代表作約130点を展示。初期から晩年まで、画家の思想や創造の過程をたどり、マグリット芸術の謎の魅力を堪能する。」(webサイトより)

『世界の動物造形』2015年6月13日~2015年11月17日
「日本玩具博物館」兵庫県姫路市 http://www.japan-toy-museum.org/
「8000点をこえる世界の動物玩具コレクションの中から、民族性豊かなものを選び、地域ごとに特色のある動物玩具の表情を紹介します。〔中略〕また、子どもたちに人気の高い馬、象、犬、亀など、動物の種類ごとに展示し、国境をこえて普遍的に愛される動物の造形を紹介します。」(webサイトより)
 ※展示品総数500点。『おもちゃの20世紀~日本近代玩具の歴史~』も開催中。10月27日(火)まで。

『学んで魅せる標本展』2015年7月18日~2015年11月15日
「兵庫県立人と自然の博物館」兵庫県三田市 http://www.hitohaku.jp/
「博物館に収蔵されている様々な方法でつくられている標本づくりの技法を紹介します。」(webサイトより)
 ※学術用、展示用に用いられる、25種類の標本製作方法によって作成された標本(約50点)を展示。ミニ企画展『標本でたどる アンモナイトの歴史展』も開催中。10月12日まで。

『キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展』2015年7月18日~2015年9月23日
「尾道市立美術館」広島県尾道市 http://www7.city.onomichi.hiroshima.jp/
「植物学的探究の芸術的成果である『バンクス花譜集』(全743点)の中から、オーストラリアや太平洋の島々で採集された植物を中心に120点の銅版画を厳選し、クックの関連資料や太平洋地域の民族資料などと併せて展示いたします。」(webサイトより)
 ※ジョセフ・バンクスはジェームス・クックの第一回太平洋航海に同行し、植物の採集を行った人。


 ※気になる展覧会の開催期間や休館日などは、必ず展覧会の本サイトでチェックしてください。
 ※美術館情報「アートスケープ/artscape」のサイトです→http://artscape.jp/


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

江戸川乱歩『D坂の殺人事件』



 江戸川乱歩『D坂の殺人事件』(『江戸川乱歩推理文庫〈1〉二銭銅貨』講談社 1987 所収)

 コバヤシ少年がやたら可愛いTVアニメ『乱歩奇譚』がはじまった。最初のエピソードは『人間椅子』。江戸川乱歩を蜈蚣Melibeがサンプリングしたみたいなエピソードで、原作はエッセンスだけって感じだった。
 この『乱歩奇譚』には「江戸川乱歩 没後50年作品」と銘打たれているが、実は今年は天知茂の没後30年にもあたっている。そんなわけでCSでは天知茂の明智探偵が活躍するTVドラマ「江戸川乱歩の美女シリーズ」がまたまたスタートした。『D坂の殺人事件』は「美女シリーズ」ではドラマ化されてないのだが、民谷伊右衛門のようなダメダメな暮しぶりの、若き日の明智探偵はちょっと見てみたかったと思う。ドラマと小説では明智探偵のライフスタイルや時代背景がおもっきり違うけど、ネタ(タネ)的にはドラマの世界観とすごく相性が良さそうだし。
 そんな『D坂の殺人事件』は1998年に映画化されている(2015年版は未見)。監督は実相寺昭雄、脚本はエヴァの薩川昭夫で、R-15指定。少し前にCSでやってたのを見たので原作も再読してみた。

 舞台は東京のD坂にある古本屋。主人公の「私」と知人の明智君は、そこで絞殺された古本屋の女房の死体を発見する。犯人の行方は不明。現場周辺に居合わせた近隣住人の証言によって、古本屋がほぼ密室の状態だったことが判明する。偶然犯人らしき男の姿を目撃したという二人の学生の証言は曖昧で、警察の捜査は難航する。もともと探偵趣味のあった「私」は独自に調査を進め、やがて一つの疑念を抱きはじめた。……あのとき一緒にいた明智君こそが犯人なのでは?

 明智小五郎がはじめて登場するこの作品は、雑誌『新青年』に掲載された著者の6作目の探偵小説である。最初当てずっぽうで「これ犯人「私」なんじゃね?」なんて思いながら読んだ覚えがあるが、「本格もの」だけに、しっかり読めば理詰めである程度犯人が特定できるように書かれている。そのうえごく短い作品にも関わらず、探偵小説らしいネタや著者の作風を特徴付ける要素が、ざっくりどっさり盛り込まれている。メインの密室、推理比べ、連想診断、指紋、錯覚、嗜虐趣味、古本屋などなど、ちょっと盛り過ぎて溢れそうになってるかのような印象だ。そのせいかどうかは分からないが、毎回読み返すたびに、この作品には文系の人から数学の解説を聞いてるようなもどかしさを感じる。

 この作品でとくに印象的なのは、結構じみーに登場する明智小五郎のキャラクターだ。本作の明智は後の「少年探偵団シリーズに出てくるようなスタイリッシュなイメージではなくて、どっちかというと金田一耕助っぽいのだけれど、うずたかく本を積み上げた四畳半の天才探偵というキャラは鮮烈で、今でも充分に通用するモダンさ。というか天才系キャラの類型のルーツの一つが、この明智小五郎なのかもしれない。1998年の映画では四畳半の明智の雰囲気が実によく再現されていた。天知茂をイメージしてると違和感ハンパないが、原作の描写を踏まえると嶋田久作の風貌はわりとハマっているように思う。ちなみに著者はこの「D坂」のモデルになった文京区の団子坂で、本当に古本屋を営んでいたらしい。「団子坂」を「D坂」にするあたりにセンスが感じられる。『団子坂の殺人事件』じゃかっこよくないもんなー。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

『妖怪奇聞 異譚』

 

『妖怪奇聞 異譚』少年画報社 2015 ドッキリコミック

 ちょっと前にコンビニで買ってきた怪奇マンガのアンソロジー。「ドッキリコミック」というレーベル名がいい味。52ページの作品『物見の文士 怪篇酒呑童子事件』のほか、8〜16ページの短編が22本収録されている。

 画風は色々だけど、絵のレベルは全体に高めの印象。内容も実話怪談風あり民話風ありって感じで、時代設定もそれに応じて様々だ。最初の方に実話怪談風で芸風の似通った作品 ── 登場するのが『怪談イズデッド』のヒキコさんみたいなハイテンション系の怪異で、画面いっぱいに「うがががががが」ってなったところでブチッとEND ── が並んでいるが、後半にいくほどバラエティに富んだ作品が多くなる。タイトルには「妖怪」とあるが、オリジナル妖怪や幽霊っぽいのが出てくる話も多く、あまりこだわりは感じられない。

 一通り読んでみて感じたのは、特に実話怪談風、都市伝説風の作品に関して、扉合わせて8ページ前後では読者の視点(人称)をコントロールするのが難しそうだなーってことだった。よく全員死亡オチの怪談話を本当にあった調で語られると「え? それじゃその話、一体誰から聞いたんだ?」ってなるけど、端緒とオチまでがめっちゃ近いので、あれに似た違和感がどうしても拭いきれない。変化をつけ難いから構成も似通ってしまうし、結局オチの怖い絵勝負みたいになっている。いっそ実話怪談ってことにしてしまえば、人称云々の難易度は下がりそうだけど……。

 収録作のなかで印象に残ったのは、にしだかなの『崖棲みの妖怪』。子供とごく小さな怪異の関係と、それを取り巻く環境が描かれた作品で、これは飛び抜けてよかった。怪異との距離感が素晴らしい。この人の作品、もっと読みたいと思って検索してみたら、ネコ漫画がずらっと出た。ネコ漫画、未知のジャンルだ。怪奇マンガは描いてないのかな。
 同様に子供と小さな怪異をモチーフにした池田さとみの『妖怪 一寸』(←怖い話じゃない)もよかったが、最終ページの柱コメントがハンパなくいらない。なんだこれ。8ページの作品のなかでは、高荷真弓の『妖怪 墨男』が古き良き怪奇マンガを彷彿とさせるタッチで印象に残った。

 という感じで思うところはあったけれど、やっぱこの手のアンソロジーは楽しい。コンビニでふらっと買ってしまっても、後悔のない一冊。以下収録作品↓



『妖怪 雨宿り』大矢夢
『妖怪 べとべとさん』佐原ナギ
『妖怪 墨男』高荷真弓
『妖怪 隙間女』ひるのつき子
『妖怪 茶釜女』紫卯野まゆ ※時代もの
『妖怪 雲外鏡』浅野りん
『妖怪 さみしんぼう』織田千代
『妖怪 竹とりの怪』tamacco(たまっこ)
『妖怪 人もどき』ヒワタリ
『妖怪 みがわり地蔵』柴秋尾 ※時代もの
『妖怪 変身鏡』灰花弘
『妖怪 座敷童』幡司みとう
『妖怪 濡れ女子』カナコロ
『物見の文士 怪篇酒呑童子事件』えす☆おう ※時代もの
『妖怪 恨み蛇』糺ノ森たゆた
『妖怪 もざいく』瞳ちご
『妖怪 メトロノーム 〜ふるえる音階〜』たらさわみち
『崖棲みの妖怪』にしだかな
『妖怪 がしゃどくろの骨』山崎零
『妖怪 一寸』池田さとみ
『− 九十九堂奇譚 − 妖怪 白無垢』慎結
『妖怪 伍伴』永尾まる ※時代もの
『妖怪 エンミスベリ』まわれぎみ




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

川島のりかず『血ぬられた処刑の島』

 川島のりかず『血ぬられた処刑の島』ひばり書房 1988 ヒット・コミックス 怪談シリーズ 229

 おでこにピンクの星形のアザが出た子供は死刑。それを匿ったりした者も同罪。物語の舞台はお手本のようなディストピアと化した日本だ。

 牢屋みたいなところに監禁されている主人公の花林。そのおでこにはピンクのアザがばっちり浮かんでいる。このアザは致死性の謎の伝染病の感染者に現れるという。彼女はアザの意味も知らないままに、家族によって監禁……匿われているらしい。
 しかしそんなシチュエーションは長く続かなかった。隣人の密告により花林の罹患が当局に発覚したのである。牡牛のマスクを被った係官(死刑執行人)に連れ去られる花林。泣き叫ぶ両親たち。ところが偶然にも事故を起こして大破した護送車から、花林は無傷で脱出に成功する。逃走劇のはじまりだ。

 ……しぶとい! 前に感想を書いた『みな殺しの家』(←前の記事へのリンクです)の紫音も相当にしぶとく図太かったが、本作の花林も実にしぶとい。見た目はかなりか弱い感じなんだけど、度々捕らえられても常に逃げ延びてるし、目の前で人が惨殺されてもケロッとしている(←逃亡仲間がどんどん死んでる)。押切蓮介のマンガにでも出てきそうな逞しさがある。
 終盤、拿捕された花林が連行される刑場は、子供の生首がうずたかく積み上げられた夢の島(ゴミ捨て場)のような景観で、畳み掛けるように死肉をついばむカラスの群れや、吊り下げられた首の無い子供の胴体が描写される。このあたりの一連のシーンは、昨今なかなかお目にかかれないビジュアルで非常に見応えがあった。

 この作品の世界観は過酷で残酷だ。人間不信と疑心暗鬼、悪意と殺意に満ちている。ただそんな環境だからこそ、ヒロインに付与された上記のような心身の強靭さには、そこはかとない著者の優しさが感じられる。この作品に限らず、相当無茶な設定の作品にもぼんやりとした光明が感じられるのは、悲観的楽観主義者っぽい著者のメンタルが大いに反映されているからに違いない。
 あと花林を匿った咎で逆さ吊りにされた花林ママが、律儀にスカートを太腿で挟んでるシーンも良かった。なんか慎ましくて。もちろん読後感はスッキリ。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)