iOS 8に搭載されている「アクセシビリティ」機能について、以前に設定編、応用編としてその概要と活用方法をご紹介しました。普段お使いのiPhone/iPadにこれだけの支援機能が搭載されていることに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こうしたiOSのアクセシビリティ機能を生かすために、さまざまな障がい者向けアプリが登場しています。健常者が使うことはあまりないと思いますが、特にアプリ開発者なら「こうした需要がある」ことをご理解頂けると幸いです。また、こうした支援技術の存在を知っておくことは、いつか誰かのためになるかも知れません。
まずは視覚障がい者向けアプリから。「Light Detector」(240円 税込み、以下同)は、iPhone/iPadのカメラを使い、外の明るさを音の高低で教えてくれます。目の不自由な方が外の明るさや照明のオン/オフを知るのに便利に使えます。
「TapTapSee」は、撮影した写真がなんであるか、音声で解説してくれます。非常に精度が高いのが売りですが、それもそのはず、実はほぼ人力なんですね。
撮影した画像(またはカメラロールから選択した画像)をアップロードすると、中の人が画像を確認して英語で表現します。そのコメントがユーザーの使用言語に機械翻訳されて返されるという仕組み。人件費がかかるのは避けられませんが、ユニークな試みだと思います。受け取ったコメントは写真と一緒にTwitterやFacebookに共有することもできます。人が見ていますので、個人情報や機密情報は撮影しないように気をつけましょう。料金は最初の100枚までは無料。その後100枚毎に960円、または1カ月間の撮り放題で1200円です。
「Be My Eyes」も画像認識系アプリですが、よりソーシャルな解決策を狙ったもの。利用者を視覚障がい者と晴眼者(目が見える人のこと)に分け、視覚障がい者が助けを求めると晴眼者に呼び出しがかかる仕組み。
晴眼者が応じると、障がい者側のカメラ映像が晴眼者に配信されるので、晴眼者側は映っているものが何であるか声で伝えます。タイミングが悪くて応答できない時は他の晴眼者に要請が行くようになっていますので、難しく考えることなく是非気軽に登録してみてください。
なおプロフィールに使用言語を登録するようになっていて、同じ言語のユーザー同士でつながるようになっています。晴眼者側の登録が多いようで要請はたまにしか来ませんが、筆者が使ってみたところ食品の賞味期限や缶詰のラベルといった、食品周りの質問が多かったです。
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