皆様こんにちは。
寄席ミシュランガイド主筆のディラ子です。
ずいぶんと時間があいてしまい、お恥ずかしいかぎりです。
遅筆なうえに、取材もできないという状況でご迷惑おかけしております。
さて、先日第二回ボケキングが開催されました。
二回目ということもあり、非常に落ち着いた進行でした。
寄席のスタンダードイベントとして定着すれば、より多くの参加者があつまり
浅草が研鑽されていくのでは、という期待をもたされる内容だったように思います。
楽しい時間を提供してくださいました寄席の方々と、運営の皆様に感謝いたします。
さて、今回ご紹介させていただきますのはこちらの御仁
第二回「ボケキング」、寄席の清少納言ことマミ様です。
お名前は存じ上げておりましたが、長期におかくれになられておられました関係で
第一回ボケキングまでは噂だけの存在でございました。
そのボケはヒラりとかわしたかと思うと、突如ぶっ込んでくる。
時に情熱的、気がつくと一歩引いた感覚で何層にも続く波状攻撃。
まさに、ボケの十二単。
単発で終わらない、厚い知識量を感じさせられます。
笑いに対する努力は微塵もみせず、カラっとした立ち振る舞いは、
生まれもっての陽のセンスをお持ちのように思います。
そのあたりが小町でも、式部でもない所以です。
グラマーな「柔軟艶麗」でなく、斜にかまえた「もののあはれ」でもない
滑稽さを紡ぎ出すお姿は、飾り気のないボケの審美眼を感じさせられます。
マミ様のブログ「マミの大喜利ブログ」は、対外的な喧伝というより
日記に近い感覚で、押し付けがましさもなく淡々とした表現なので
さくさくと読めていきます。
まさに、「ボケの枕草子」といった感じではないでしょうか?
洋菓子のような見た目の派手さより、和菓子のような重厚さを持ち、
凛とした佇まいの中にしっかりとしたアンが詰まっている。
その案はただ甘くてうっとりするのではなく、大人向けにすこし塩味の効かされた
さっぱりとした仕上がり。
平成の時代に「をかし」を探求する知的な女性の繰り出すボケに触れたとき
これが大喜利だ!と寄席で平安を感じる事ができるのではないでしょうか?
ジャンル ボケ
外観 ★★★★☆ 飾り気のない佇まい。
お味 ★★★★★ 噛めば噛むほど味が続きます。
安定感 ★★★★★ 先発ローテーション入りを望みます。