都内にある社員50人のITベンチャー企業です。
この会社は、ネットで買い物をした際につくポイントを交換できるサイトを運営。
ネット通販が普及する中で、年々IT技術者の仕事量も増えています。
社長の畑野仁一(はたの・じんいち)さんです。
去年(2014年)、国内の大学から4人の技術者を採用しようとしましたが、1人しかとれませんでした。
ネットマイル 畑野仁一社長
「我々のようなベンチャーは大企業の下にある。
大企業の志望者がいて、そのあとにベンチャーという構図もある。
技術者をとるというのはだんだん難しくなるというのが現状。」
そこで、この会社が注目したのがベトナムの人材。
ネットマイル 畑野仁一社長
「彼が昨年入社したサック君です。」
去年、2人を採用しました。
グェン・バオ・サックさんは、ベトナムの大学でITと日本語を学んだ24才。
入社して1年目ですが、ホームページに載せる広告のプログラミングを任されています。
会社は生活面も全面的にサポート。
家賃の半分を会社が補助し、給料も日本人と同じ水準です。
同じベトナム人社員と共同で生活してもらうことで、ホームシックにならないよう配慮しています。
グェン・バオ・サックさん
「すごく満足。
一生懸命、会社に貢献したいと思う。」
今、注目を集めるベトナム。
その理由は、国を挙げたIT技術者の育成にあります。
大学には、実践的なコンピューターのプログラミングを学ぶコースが設けられ、即戦力となる人材を数多く輩出しています。
国の支援を受け、IT企業も急成長しています。
木庭記者
「こちらはベトナムの大手ソフトウェア開発会社です。
ここでは日本の大手企業向けのシステム開発が行われています。」
この会社の社員数は7,500人。
優秀な技術者を数多く抱え、現在、日本企業の取引先は200社を超えています。
人材が不足する日本市場を見据え、社員の日本語教育にも力を入れています。
「ねぇ、パクさんどうしたの?
元気ないね。」
2018年までに日本語が話せる技術者を1万人養成し、日本にも派遣する計画です。
FPTコーポレーション チュオン・ザービン会長
「日本は我が社にとって最も重要な市場。
2年後には、日本での売上げを2億ドルにするのが目標。」
ベトナムから技術者を採用した畑野社長です。
今年(2015年)もベトナムの人材を獲得しようと、現地で大学生に向けた会社説明会を開きました。
集まったのは、ベトナムの大学でITと日本語を学ぶ学生たちです。
その日のうちに面接を行い、技術のレベルや人柄を見極めます。
学生
「現在ビッグデータについて研究しています。
できればビッグデータの仕事で働きたい。」
この日は、大学の成績がトップクラスで、確かな技術が期待できる学生に出会うことができました。
ネットマイル 畑野仁一社長
「日本に呼んじゃおうよ。
めっちゃできるぞ、仕事。
めっちゃめちゃいいじゃん、いないよなかなか。
秘密兵器隠していましたね。」
ネットマイル 畑野仁一社長
「日本で働いてもらうために、内定を出したいのがバオ君。」
その場で内定を決断。
ベトナムでも人材の獲得競争が始まっているため、迷っていると優秀な人材は他社にとられてしまうのです。
内定したバオさん
「とてもうれしかった。
信じられない。
日本語ができて、IT技術もできるエンジニアになりたい。」
ネットマイル 畑野仁一社長
「すばらしい出会いがあったので、また来年もここに来て採用したい。
東南アジアの他の国にも事務所を持ちたいと思っているので、そこをつなぐこともやってほしいし、こっち(ベトナム)に帰ってきてプロジェクトマネージャーをやってもらう、そういう人材になってほしい。」