大丸心斎橋店:本館建て替えへ 外観生かす方向で検討

毎日新聞 2015年07月18日 19時47分(最終更新 07月18日 20時41分)

建て替える方針が決まった大丸心斎橋店本館
建て替える方針が決まった大丸心斎橋店本館

 大丸松坂屋百貨店を傘下に置くJ・フロントリテイリングが築80年を超える大丸心斎橋店(大阪市中央区)の本館を建て替える方針を固めたことが18日、分かった。1933年に完成した本館は米国出身の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの代表作で、近代建築として高い価値がある建物の外観を生かす方向で検討を進めている。来年から建て替え工事に入り、新装オープンは2019年の見通し。投資額は数百億円規模に上る模様だ。

 本館は大阪・ミナミの御堂筋の沿道に建ち、重厚なネオ・ゴシック様式を基調に、アールデコの曲線デザインやイスラム風の幾何学模様などを織り交ぜている。45年の空襲で5階以上を焼失したが、戦後に修復し増築された。老朽化で建て替えが検討されてきたが、地元や専門家から保存活用を求める声が上がっていた。本館は年内で閉店するが、北館と南館は営業を続ける。

 同店は今年3〜5月の売上高(224億円)に占める免税品の比率が21.6%と全店で最も高い。建て替え工事中の売り上げ減を補うため、訪日外国人客が同店や周辺商店街で買った商品の消費税の免税手続きをまとめてできる専用カウンターを南館に新設するなど、外国人客の取り込みに一層力を入れる。【岡奈津希】

大丸心斎橋店の位置
大丸心斎橋店の位置

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