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[東京 21日 ロイター] - 政府は21日の閣議で、2015年版の防衛白書を了承した。南シナ海の埋め立ての写真を載せるなど、もともと中国情勢に関する記述を前年より増やしていたが、自民党の要請を受けてさらに追記した。
今回の白書は、中国の軍事・外交に関する記述が前年よりも4ページ増えた。「南沙諸島にある7つの岩礁において、急速かつ大規模な埋め立て活動を強行している」と、南シナ海での動きに言及。工事の様子を写した衛星写真も掲載した。
さらに中国の潜水艦がインド洋で活動した例を挙げ、「より遠方の海域で作戦を遂行する能力を向上させている」とした。ミサイル防衛網を突破可能な高速ミサイル「極超音速滑空兵器」の開発に乗り出している可能性も指摘した。
防衛白書は防衛省が作成し、自民党の国防部会と公明党の外交・安全保障部会を経て閣議で了承される。しかし、今回は中国が東シナ海で進めるガス田開発に関する記述がないなどとして、自民党の部会がいったん了解を見送った。
防衛省は「新たな海洋プラットフォームの建設作業などを進めていることが確認されており、中国側が一方的な開発を進めていることに対して、わが国から繰り返し抗議をすると同時に、作業の中止などを求めている」といった記述を追加した。
白書はこのほか、北朝鮮が弾道ミサイルを発射できる潜水艦の開発を進めている可能性や、弾道ミサイル部隊の運用能力を向上させていることに言及した。
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(久保信博 編集:田巻一彦)
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