ミラノ 食の万博“おいしい地球”の英知 2015.07.20


いや別に…。
一人真っ青になっている徹。
何やら嫌な予感が致します。
今イタリアで開かれている…世界140を超える国や地域などが参加しています。
テーマは「食」。
長い万博の歴史で「食」がメインテーマになるのは初めて。
世界中の料理や食材が集まる食の祭典です。
訪れたのは食いしん坊のこの2人。
豚肉…豚カツ食べたくなってきた。
漫画家のヤマザキマリさんと俳優の細川茂樹さん。
世界中のごちそうを味わい尽くします。
いやこれはたまらんね!食べ物にはお国柄も表れます。
世界の凄腕料理人その舞台裏にも潜入。
イタリアンの奇才をとりこにした和食の神髄とは?一方日本を代表する料理人が伝えたかったのは出汁のおいしさ。
そのために使った意外な食材って一体何?会場では世界のグルメを満喫!でも今回の万博の目的はそれだけじゃないんです。
ミラノ万博が打ち出したテーマは…飽食の時代。
今地球では食糧の1/3が食べられずに廃棄されています。
その一方で8億人もの人々が栄養不足と飢餓に苦しんでいるのです。
人間の限りない欲望が生み出した食べ物の残骸。
無駄を出さないっていったって…出ますからね。
ミラノ万博では食糧危機を克服するアイデアも展示されています。
注目は…。
虫缶詰。
ちょっと…。
え〜っ!?これまで南米の先住民しか食べなかった雑穀にも未来食としての期待がかかっています。
世界の食を見て食べて考えるミラノ万博。
私そうね…まずはおいしいものを食べてから考えようかね。
さあ皆さんもご一緒に頂きま〜す!イタリア北部最大の都市ミラノ。
世界最先端を行くファッションの街です。
人生を楽しむ事に貪欲で食へのこだわりも並大抵ではありません。
世界的に有名なレストランが軒を連ねる美食の街が2015年の万博の舞台となりました。
会場は街の中心から地下鉄で30分。
100ヘクタールを超える広大な敷地です。
毎日世界中から客が押し寄せ開催から2か月で600万人の入場者を記録しています。
我らが食いしん坊コンビも興味津々。
みんなさ自分たちの国の特徴を出すのに思い思いの何かいろんな工夫をしてるんだろうけど…。
そうなんですよ。
すごいね。
これは白いやつは韓国。
韓国ね。
真っ白だね。
そうかと思うとあんな何か…ジャングルっぽい。
ベトナム?ベトナムか。
う〜ん!パビリオンの色やデザインを見ているだけでも楽しいですよね。
こちらはアメリカ館。
壁を覆っているのは本物の野菜。
「都会でも食べ物を作ろう」というメッセージが込められているんだとか。
何か世界が縮小している感じがして何かね面白いですね。
小さな地球みたいな感じで。
何かでも本当時間があったら全部の国のものをちょっとずつ食べてみたい。
1個ずつ入りたいでしょ。
1個ずつ入りたい。
イタリア暮らしの長いヤマザキマリさん。
古代ローマ人が日本の銭湯にタイムスリップする漫画を描き大ヒットしました。
幼い頃から美術が好きで17歳で単身イタリアに渡ります。
その後シリアやポルトガルアメリカでも暮らしさまざまな文化に触れいろいろなものを食べてきました。
ほらよくテレビとかさ情報では分かってるじゃん。
この国ではこんなもん食べてんだなって。
でも自分の想像力と実際に食べたものがどれだけ違いがあったりとか…。
やっぱり食べてみないと分かんないものってあるじゃないですか。
その国ではなぜその食材を使ってるのかとかどういうバックグラウンドがあるのとか私はそういうところがすごい知りたいなと思うけど。
細川さんは日本各地を飛び回りご当地グルメを開発する番組の司会を担当。
地域を元気にしようとする人々を応援してきました。
こりゃいいね。
もちろん食べ物に関しては興味はあるんですけどもやっぱり地産地消というねその場所で出来たものをその人たちが食べるみたいなのにかなり興味がありますね。
それはまさにうってつけのエキスポですよね。
そうでしょ。
さてお二人さんまずはどこに?おっ!ここですか。
行ってみますかここね。
マリさんもちょっとおなかすいたっていう感じなんで。
ここはオランダ館。
…といっても大きなパビリオンではなく屋台がずらりと並んでいます。
目を引いたのはこの看板。
「EATWEED」。
WEEDって海藻。
ですね。
「LIVELONG」。
長生きするぜ。
マリさんこれ行ってみますか。
これ行ってみようか。
だって私たち海藻の国だからさ。
そうですよね。
海藻を食べる習慣がほとんどなかったヨーロッパですがここ数年健康食として注目され海藻ブームが起きているんです。
お待ちかねの海藻バーガー。
大豆のパテに混じった黒いものが昆布。
海藻はたんぱく質が多く含まれ肉にも負けません。
それでいて低カロリー!だから人気があるんですね。
順番にいきましょうか。
どうぞ。
うん!うまい!う〜ん!うん!ハンバーガーを食べてる感覚はない。
でも体には優しそうだね。
この何か青のりテイストっぽい感じ?これはいいよ。
何か爽やかな雰囲気の…。
うん。
次に2人が訪れたのは地中海沿岸の国や地域が集まりブースを出しているエリア。
ギリシャアルジェリアセルビアなど11の国や地域。
イタリアの中でも独特の文化を持つシチリア島も参加しています。
中央の広場ではそのシチリアが地元の食材をPRするクッキングショーを開いていました。
突然一人の女性に「ついてきて」と声をかけられた2人。
皆さんご機嫌よう。
今日はこの地中海のブースに特別なゲストがいらっしゃっています。
なんと日本から私たちに会いに来てくれた方々です。
あれよあれよという間に出演する事に。
彼らはシチリアの美地中海の食のすばらしさを紹介するために来て下さったのです。
シチリア料理のシェフから紹介されたのはヒヨコ豆のポタージュです。
ヒヨコ豆はたんぱく質が豊富。
乾燥した気候にも強いため地中海沿岸の多くの国で栽培されてきました。
ちゃんとガンベロロッソを取ってエビをそのまま丸ごと口に入れろって。
12で食べてって。
はい!「おいしいかい?」って。
さあどうですか?細川さん。
褒めたたえるマリさんに更なる質問が。
では公式に「日本人はシチリア料理が好き」と言っていいですか?太鼓判を押してもらいご機嫌のシチリアの皆さん。
マリさん思わぬところで日本人の株を上げたんじゃないですか!その足でエジプトのブースを訪ねた2人。
ここでもお国自慢の洗礼を浴びる事に。
何かこれ博物館に入るみたいな感じ?博物館。
手作り感がしていい感じですね。
あっ我々だ!あっ本当だ。
出てきた!ハハハッ!あれ?あっ!何?これ。
え〜?何?これ。
これはね意外に面白い。
これどういう事?あっいいですね!あれ?あっあっあっ?ちょっと。
えっ?マリさんちょっと振り返って下さいよ。
うわ〜びっくりした!ハハハッ。
「こっちにありますよ」と。
うわ〜何か…。
「ラクダ買え」って。
ハハハッ。
私ね自分の漫画で描いてるから同じ事。
実話なんだ。
モロヘイヤじゃなくて?次から次へとお土産物を薦めるおじさん。
まあこれも自分たちの文化に自信があるからって言えなくもないかも…。
万博ですよね?何か店に入る…万博じゃないなもう。
ようやくエジプトの自慢料理を頂ける事に。
ファラフェルかな。
じゃあファラフェルにしましょう。
ファラフェルとは豆を潰して揚げたもの。
地中海地方の代表的な料理です。
いいえエジプトはそら豆です。
そら豆ですよ。
作ってあげますよ。
ソースを少しずつかけて。
ほらこんな感じで。
はい出来上がり!OK!サンキュー!うんうん!おいしい!うん違う!やっぱり…さすがマリさん。
レバノンの隣シリアに住んだ事があるだけによくご存じ。
レバノンでファラフェルに使うのはヒヨコ豆なんです。
エジプトのファラフェルは特別なスパイスを使っているからね。
それだけじゃない。
エジプト料理はいろんな豆を使うんだ。
そら豆小豆グリーンピースいろんな豆をね。
ふふ〜ん!やっぱりみんな自分たちの豆料理が一番だと思っているんですね。
ここからは二手に分かれて万博探検。
細川さんは地元イタリアの食文化を体感する事に。
イタリアといえばフランスと並ぶワイン大国。
えりすぐりのワインを堪能する事としましょうか。
このワイン館にはイタリア各地から1,300種類のワインが集められ生産地別に並んでいます。
1枚10ユーロのカードを購入すればグラスに3杯まで好みのワインを味わえます。
まずは1杯。
お〜!おいしい!さすがイタリア!もっといいワインがあるよと案内されたのはある小さな村のワイン。
イタリア中のワイン好きをうならせているんだとか。
おお〜!なるほど。
もう匂いがすごく…。
一番いいかもしれないですね今までで。
頂きます。
お〜そうね!うん。
結構わ〜っていってね確かにこう舌に残るね。
シュールワインの生みの親モヨーリさん。
食を通じて地域を元気にする専門家です。
シュールワインのボトルにはちょっと変わった絵が…。
今飲んでるものなんですけども不思議なこういう絵なんですけどこれどうしてこういう絵になってるんですか?この絵はシュールワインが造られている村の風景です。
シュールワインの心の写真なのです。
心の写真とはどういう事なのでしょうか?シュールワインのふるさとキューロ村はミラノから北に車で2時間余り。
村に近づくにつれブドウ畑が見えてきました。
スイスとの国境に程近いキューロ村。
人口2,500。
山あいの小さな村です。
シュールワインに使われるブドウは最高級の品種ネッビオーロ。
涼しい場所を好みますがそれでいて日当たりがよくないと駄目という難しい品種です。
急斜面にへばりつくように作られたブドウ畑。
目につくのは丁寧に積み上げられた石垣。
石垣は何のためにあるのでしょうか?
(モヨーリ)石垣は良質のブドウを栽培するのにとても大切です。
石と石の隙間は雨が降った時に水を逃し畑が崩れるのを防ぎます。
更に石垣は太陽が当たる事で暖房装置にもなります。
日中に太陽の熱をため夜もその熱を保ちます。
こうしてブドウが成熟するのです。
石垣は質のよいブドウを作るために代々受け継がれてきたこの村の知恵だったのです。
しかし村の近くに大きな工場が次々と出来人々は高い賃金に引かれ畑を捨てました。
荒れ果てたブドウ畑。
石垣作りの伝統も失われようとしていました。
一度消えてしまえばもう取り戻す事はできません。
モヨーリさんは放ってはおけませんでした。
私はイタリア中のブドウ畑を訪ねましたがこんなにすばらしい環境は僅かですよ。
この畑の石垣は守っていくべき伝統なのです。
モヨーリさんは8年前壊れたままだった石垣を直す事から始めました。
しかし村の人たちは工場に働きに行っており頼れません。
声をかけたのは若者たち。
地元の建築専門学校の生徒たちでした。
石垣作りを授業の一環として教えます。
卒業後も彼らが村に残り仕事として続けてくれる事をモヨーリさんはねらったのです。
教えているのは村に僅かに残っていた石垣作りの職人。
このシュールワインのプロジェクトのおかげで地元を見直す機運が高まっています。
これまで学生たちが地元で仕事を探すのは難しかったのですが石垣作りを将来の仕事として考えようとしています。
今までは高い賃金や都会に出て働く事を第一に考えていた若者たち。
その意識が変わり始めました。
ほかの仕事に就いていた大人たちもブドウ畑に戻ってきました。
今最高のブドウが育っています。
ボトルに描かれていたのは小さな村をよみがえらせた石垣。
だから心の写真だったのです。
飲んでおいしいのはもちろん考えてもおいしいワインを造らなければいけません。
つまり地元の特徴を生かしたワインです。
昔からの環境を守りながらおいしいワインを造る。
そういった成功例を積み重ね農業全体に広げたいのです。
あ〜じゃあやっぱり食べる飲む人たちはちょっともう一つ踏み込んだところでやっぱり食べたり飲んだりしなきゃいけないって事ですよね。
メインストリートの突き当たりになりますけどスローフード。
こちらにちょっと参りたいと思います。
シュールワインはイタリアから始まったスローフード運動の象徴です。
スローフードとは効率優先のファストフードに対抗しその土地ならではの食文化を守る考え方。
スローフード館に入ってまず目につくのは食べ物がどのように作られているかを示した写真。
例えばこれは豚を放し飼いにしている写真。
かつてはこれが当たり前でした。
一方こちらは生産性を重視した飼い方。
豚の環境としてはどうなんでしょうねというね…。
こうした比較をする事で食の現場に潜む問題を考えてもらおうというのです。
一気に網で取っちゃうよという事ですよね。
これ何だろう?人の形をした巨大な像。
「AWorldofCorn」。
「ワールドオブコーン」ですよ。
直訳すれば「トウモロコシの世界」ですが…?これは一体何ですか?これはトウモロコシ人間です。
あなたは一日どれぐらいのトウモロコシを食べていますか?まあでも…普通に考えれば食べる事もあれば食べない事もあるのでそんなに食べてないような気もしますよね。
そうですね。
トウモロコシそれ自体ではそんなに食べていないと思います。
でも私たちは毎日違う形でトウモロコシを食べているんです。
実はトウモロコシの99%は人間が直接食べるのではなく家畜や魚の養殖用の餌になっているんです。
99…ほとんどじゃあ家畜の餌なんだね。
またそれを我々が摂取するという事でこんな…ねえ?ファットな感じになるという事だね。
スローフードは生産者と消費者の在り方を見つめ直す運動でもあります。
スローフードの目的はおいしくてきれいで正しい食べ物を守る事です。
正しいとは正しい値段で売られているという事です。
正しい値段というのはどういう事を意味するんですか?生産者にとっての正しい値段です。
法外に安い食べ物の裏には何か無理があるのです。
正しく生産されたものを見極める目を持つ事です。
何十億もの人が食べ続けるためには無理な大量生産をやめ生物の多様性を尊重し地産地消のような形に戻るべきだと思います。
う〜ん…毎日ね何気なく食事してますけれどもなかなかその考えるというね。
「何食べよう?」というのは考えるかもしれないですけど食べるという事はどういう事なのかっていうのはなかなか考えないですからね。
いいきっかけですよね。
え〜っ…。
ちょっと待って。
うわ〜!
(拍手)早く!みんな早くして。
OK。
(シャッター音)さてマリさんが次に向かったのは…?色鮮やかなお酒のたるが!きれいですね〜。
何だろうって思うだろうねでもみんなこれ。
まさか中にお酒が入っているものだと思わないと思うけど…。
お待ちかね日本館です。
え〜っ…。
ただいまの待ち時間40分だってよ。
こんな並んでるんですけど。
これはでも…これ40分待っても見たいっていう人たちがこれだけいるんだから多分…すごいものがあるんでしょうね中には。
暗がりを進んでいくと…?きゃ〜!何か…何?この感覚。
現れたのは四季折々の農村風景。
踊りには自然を畏れながらも敬う日本人の心情が込められています。
「すごい魔法みたい」。
やっぱりさすごいね何か。
中途半端じゃないところがすごいね。
マリさんの目に飛び込んできたのはバーチャルの滝。
流れ落ちる和食の映像。
自分の携帯電話を穴に差し込み…。
興味のある映像を引き寄せます。
取り出すと入ってるって事?あっ今入ったやつ入ってるね。
映っている和食についてその作り方や由来などを確認する事ができます。
すご〜い!めちゃくちゃお得感ありますね。
日本館の一角にはイベントスペースがあり毎週日本の食文化にまつわる催し物が行われています。
この日登場したのは京都で300年続く老舗料亭の堀本さん。
ボーノ!
(笑い声)伝えたいのは出汁の魅力。
初めて見る昆布にけげんな表情。
(堀本)北海道の利尻の昆布でございますね。
ふだん海藻を食べる習慣のないイタリアの人たち。
恐る恐る味見をしてみたものの…。
お客さんの反応は?ちょっと残ってますね。
そうですね。
日本に行った事があるという2人の女性に聞くと…。
どうすればイタリア人に日本の出汁の魅力が伝わるのでしょうか。
京都の老舗の料理長堀本さん。
秘策がありました。
懐石料理の前菜オマールエビにあるもののジュレをかけました。
早速頂きます。
一体ジュレの正体は?実は出汁として昆布の代わりにトマトを使ったのです。
トマトには昆布と同じグルタミン酸が含まれています。
潰したトマトの上からおもしを載せ1日かけて出汁をとったのです。
という事はイタリア人はいつもトマトを食べてる訳だけども彼らはグルタミン酸の旨味は分かってるっていう事ですよね。
はい。
なるほどその作戦ですね。
そうです。
なじみのトマトでとった出汁にイタリア人もニッコリ。
最後の一滴まで。
最後の一滴まで食べましたよね。
イタリアだったらここでパンを持ってきてパンで全部つけて食べるのに。
…という事分かって頂けたらよかったかなと。
・「ラッセラーラッセラー」・「ラッセラッセラッセラー」日本文化は食の分野でも世界に影響を与えています。
この日細川さんが訪ねたのはイタリア人シェフが万博会場に出したブース。
出てきたのはリゾット。
米を使った日本風に言えばおかゆ。
でもさすがはイタリア。
見た目も美しいですね。
頂きます。
何かねスプーンを入れるのが悪い気になりますね。
じゃあ頂きます。
頂きま〜す。
うん!やっぱりお米がかなり立ってるというかね。
おいしいな。
このリゾットを考案したのは…今イタリアで最も注目されているシェフの一人です。
オルダーニさんの店は安くておいしいという事で6か月先まで予約がいっぱい。
そのオルダーニさんが最も得意とする料理がリゾット。
使うのは古米。
口に入れた時に芯が残りイタリア人の舌に合うのです。
もっともここまではほかのイタリア人シェフも同じ。
オルダーニさんの際立った特徴はリゾットに使う材料の少なさにあります。
普通はタマネギ白ワインブイヨンチーズオリーブオイルなどいろいろ加えて味付けします。
しかしオルダーニさんが使うのはこれだけ。
あとは水と酢で米の味を引き立てます。
私は自分の料理を引き算の料理と呼んでいます。
例えばリゾットを作る時にタマネギ白ワインブイヨンなどを加えてしまったら確かにおいしいかもしれませんが軽さは全くないでしょう。
軽さとは素材そのものの味や香りを感じ取れる事です。
日本人の料理がその事を私に教えてくれたのです。
そうなんです。
オルダーニさんの引き算の料理に影響を与えたのは和食であり日本の料理人だったのです。
日本を代表するイタリアンの巨匠笹島さん。
この日初めてオルダーニさんの作り方を目の当たりにしました。
オルダーニさんは笹島さんにリゾットの味見を頼みました。
おいしいです。
笹島さんはオルダーニさんの料理をどう見たのでしょうか。
例えばあそこにいろんな豪華なものを載っけたりトリュフ載っけたりエビ載っけたりすれば食べた人は「おいしい」って言うんですよ。
だけどやっぱり本当にお米とサフランとかだけであれだけバランスをとっていくというのは本当に料理の事をすごい突き詰めて考えてないとなかなかできないのでまあ何て言うんでしょうね…引き算の料理で旋風を巻き起こしているオルダーニさん。
そのルーツが日本だったなんてちょっとうれしいじゃありませんか。
さてこのあと第2部では人間と食べ物の過去現在そして未来を見つめます。
単純に食べて明日を生き延びるためだったはずの食べ物っていうのが全く別なものになってる訳だから。
無駄を出さないっていったって…。
出るからね。
出ますからね。
大量に廃棄される食べ物。
現実の前に立ちすくむマリさんと細川さん。
果たして解決策はあるのでしょうか?
9時になりました。
ニュースをお伝えします。
昨夜、兵庫県宍粟市の中国自動車道で、乗用車2台とバイク1台が関係する事故が起き、バイクに乗っていた少年2人が死亡しました。
警察は、バイクが高速道路を逆走し、乗用車と正面衝突したと見て、詳しい状況を調べています。
昨夜10時半ごろ、兵庫県宍粟市の中国自動車道の下り線で、乗用車2台とバイク1台が関係する事故が起きました。
この事故で、バイクに2人乗りをしていたと見られる16歳の会社員の少年と、17歳の土木作業員の少年の2人が、全身を強く打って死亡しました。
2台の車に乗っていた人たちにけがはありませんでした。
警察によりますと、2台の車のうち、前を走っていた車の運転手が、追い越し車線を走っていたところ、正面から走ってきたバイクに衝突したと話しているということです。
警察は、バイクが高速道路を逆走し、車と正面衝突したと見て、事故の詳しい状況を調べています。
岸田外務大臣は、来月マレーシアで開かれるASEAN・東南アジア諸国連合の外相会議への出席を検討しており、この機会を利用して、中国や韓国の外相と個別の会談を行い、両国との首脳会談の実現に向け、環境を整えたい考えです。
岸田外務大臣は、来月上旬にマレーシアで開かれるASEANの一連の外相会議のうち、5日から6日にかけて、各国の外相がそろう主要な会議への出席を検討しており、先週、衆議院を通過した安全保障関連法案の参議院での審議状況も踏まえて、判断することにしています。
そして出席が可能となった場合には、併せて中国や韓国の外相との個別の会談を調整することにしています。
このうち、中国の王毅外相との会談では、安倍総理大臣と習近平国家主席による3回目の日中首脳会談の時期などを巡って意見を交わすほか、中国が進めている東シナ海での新たなガス田開発など、両国の懸案について協議したい考えです。
また、韓国のユン・ビョンセ外相との会談では、明治日本の産業革命遺産の世界遺産への登録を巡り、一時、ぎくしゃくした日韓関係の改善に向けて意見を交わし、安倍総理大臣とパク・クネ大統領との初めての日韓首脳会談の実現に向け、環境を整えたい考えです。
ロシアの排他的経済水域でサケ・マス漁を行っていた、北海道の流し網漁船が拿捕されたことについて、ロシア極東のサハリン州の警備当局は、ロシアの通信社の取材に対し、この事実を認めました。
漁船はきょうにも北方領土の国後島に連行される見通しです。
北海道広尾町の広尾漁協に所属する流し網漁船、第10邦晃丸は今月17日、ロシアの排他的経済水域で、決められた漁獲枠を超えてサケ・マス漁を行ったとして、ロシア極東のサハリン州の国境警備局に拿捕されました。
ロシアのイタルタス通信などが19日、伝えたところによりますと、サハリン州の国境警備局の幹部は、第10邦晃丸について、ベニザケを決められた漁獲枠よりも470キロ余り超えて取っていたため拿捕したと述べ、拿捕の事実を認めました。
第10邦晃丸はきのう、拿捕された海域にとどまり、国境警備局の立ち会いの下、許可された漁獲枠分の魚を仲間の漁船に積み替えました。
国境警備局では、積み替え作業が終わりしだい、きょうにも、北方領土の国後島にある古釜布の港に連行して、詳しい事情を聴くことにしています。
では、全国のきょうの天気です。
沖縄や九州、四国は雨の所が多く、雷を伴いながら、激しく降る所もあるでしょう。
東北は午前中を中心に、雨が降る見込みです。
イタリア・ミラノで開かれている食の万博。
150近い国や地域などが参加し自慢の食文化を披露しています。
俳優の細川茂樹さんと漫画家のヤマザキマリさんが番組の案内役。
イタリアの小さな村では伝統の農業を復活させる事でおいしいワインが誕生。
細川さんも大満足!和食の神髄である出汁。
マリさんはそのおいしさを世界に伝えようという料理人に密着。
日本とイタリア。
互いに影響し合う新しい流れが生まれていました。
第2部では食と人間の関係に2人が真っ正面から向き合います。
訪ねたのは万博の事務局が是非見てほしいというパビリオンゼロ。
ボンジョルノ。
ボンジョルノ。
このパビリオンのコンセプトを作り上げたランヴェッロさんが迎えてくれました。
おお〜!しかしこれ入り口入ってこれすぐじゃないですか。
やっぱつかみますね。
つかみますね。
やっぱりすごいなこの辺のテクニックは。
人間の歴史というものは食べ物を巡る歴史と言ってもいいでしょう。
今日はその全てをお二人にお見せします。
この引き出しは過去から現在に至る人間の記憶を意味しています。
2人は人間と食べ物の歴史を古代から現在へたどる旅に出ます。
最初は種の部屋。
1万年前人間は種をまく事を覚え食べ物を自ら作る事が可能になりました。
色彩がきれいですよねここの部屋。
穀物って色きれいなんだな。
そうですね。
(ランヴェッロ)周りの壁には穀物の種が敷き詰められています。
昔人は荒れ野を切り開き農業に適した土地に種をまいたのです。
これトウガラシ。
これ何ですか?これ。
八角。
中華料理の角煮とか。
これはトウモロコシの…。
これはヒマワリの種ですよね。
そのまま食べてもよし。
あと油も採れる。
こんなに種類が…種がある。
でも全部これ人間が食べる物な訳じゃない?すごいよね。
よく発見したっていうかさ食べ物にしていったなと思うよね。
人間は自然界から食べられる植物を見いだしそれらを掛け合わせより多くのそしておいしい食べ物をつくり出したのです。
次は動物の部屋。
さまざまな動物のオブジェが。
動物は人間にとって不可欠なものになっていきました。
移動の手段として共に生きる仲間として。
そして食料としても。
そうか全部人間に使われてる動物なんだもんな。
さっき種をね人間が牛耳ってるじゃないけど動物だって結局そうだよね。
人間は動物を飼いならし家畜という食料源を得ました。
人間がおいしく食べたいからおいしい穀類食べさせたりいい環境で放牧させたりやっぱり人間が食物連鎖の頂点にいるような状況になってますよね。
そうですね。
例えば目の前にいる鶏なんて多分トウモロコシ食べなかったと思うんですよ。
でも多分餌でトウモロコシの餌をあげると多分大きくなったりちょっと太ったりいい卵を産んだりとかね。
卵の数が多かったりとかね。
食べる物さえも人間が与えてる訳ですよね自分たちのためにね。
結局自分たちがおいしく食べたいからそのためならもういかようにも知恵を駆使してって事じゃないですか。
ちょっと考えさせられますね。
本当はそういうための生き物だったのかなってちょっと思う時もあるじゃない?そうですね。
次は近代の部屋。
食べ物も工業化大量生産される時代に突入しました。
(ランヴェッロ)動物は狭い所に押し込められ太らせるためにひたすら餌を食べさせられました。
あ〜都市になってきた。
これシカゴの街。
シカゴ。
食べ物の工業化がばく大な人口を抱える都市の存在を可能にしたのです。
これから現代に向かいましょう。
今じゃあこれから現代に。
現代にじゃあ参ります。
今日がどういう状況なのか。
そこはまるで証券取引所。
(ランヴェッロ)ここには3つの情報があります。
食べ物がどれぐらい生産されているのか。
いくらで売られているのか。
そしてどのように宣伝されているのか。
もはや食べ物はマネーゲームの対象になってしまったのです。
でもおいしそうに食べる楽しそうに食べる…。
だって「食べたい」ってなるじゃん。
何だかよく分かんないけど。
何か分かんないけど。
おいしいんだろうな楽しいんだろうなって。
こうやって食欲が触発されて…。
お店に行って買う訳ですよね。
当然僕はいろんなテレビ局に行く訳でそのコマーシャルが入ってるところもある訳じゃないですか。
そうするとですねやっぱり自分が働いて対価をもらってるのはこういうスポンサーの方々がコマーシャリズムを打ってそれを分配しているっていうような考え方になってくるとやっぱり出てる人たちもいろいろ考えながら出てる人も多いと思いますけどもね。
だからあんまり考え過ぎると今度ね…仕事できなくなってっちゃうから。
それは漫画でも何でもそうですけど。
簡単には解決できない問題を前に考え込んでしまった2人。
食糧の大量生産が可能となり食べ物に対する欲望が無限に肥大化する現在。
行き着く果てがこの景色です。
現在食べ物のおよそ30%がこうして捨てられているのです。
(ランヴェッロ)捨てているのは食べ物だけではありません。
食べ物の後ろにある時間やさまざまな物語も捨てている事になるんです。
(イタリア語)だからこれを見る事によって何か本当に強い変化が必要なんじゃないかというふうに感じさせられれば…。
でもどうしたらいいんですか?例えば。
(イタリア語)まず最初に我々自身から変えていかないと駄目ですよね。
(イタリア語)そして変えた私たちがほかの人たちにそれを伝えていく。
それを変えてもらう一つのきっかけとなっていく。
私たち一人一人が食べ物との向き合い方を見つめ直す必要があるようです。
まあでも要するにこれを見て思った事は知っておくべき事だなと。
そうですね。
だからマリさんねやっぱり人間が一番上の生物だという事を考えれば強い生き物が弱い生き物たちの事を考えなきゃいけない場面にきたのかなと思いますね。
それはやっぱり気付いて何からできるかって多分おのおの違うんでね。
食べ物っていうのは単純に…私たちはほら精神性の動物じゃないですか。
おなかがいっぱいになればいいっていうだけのものじゃないんですよ食べ物って。
食べたおいしさっていうのがいかに知性に働きかけてくるかっていう事も関与してきちゃうのでそういう事もあるからやっぱり単純にじゃあシンプルなものを食べて終わらせようねって訳ではいかない訳じゃないですか。
精神的な豊かさっていう事も考えていくと食べ物のインダストリアリゼーションというか工業化とかそういったものも一概に否定もできなくなっちゃうしね。
食の過去と現在を見たら次は未来です。
未来のスーパーマーケットっていう事でね。
未来のスーパーマーケットって何が未来なんだろう?ここはイタリアの生協が主催する…未来っぽい入り口だな〜。
真っ黒。
これスーパーマーケットの入り口?これ本当スーパーマーケット?あ〜でも何か…。
これ普通に買えるみたいですよ。
今晩のおかず買っていこう的な所なんですか?一体何が未来なのでしょうか?あっ指さすだけで来るよこうやって。
へえ〜。
すごい。
商品を指さすと…例えばこのニンジンの場合値段のほかに産地はイタリア保存方法は冷蔵などさまざまな情報を得る事ができます。
一番の特徴は生産輸送の過程で発生する二酸化炭素の量が表示される事です。
消費者はその情報を基に食品を選び地球温暖化の防止に貢献できるのです。
でもさもすれば会計の時に「あなたが買ったものはCOがこれだけなのでそれの分の税金払って下さい」っていう事も?そういう事もありえますね。
可能ですよね。
これはもう未来の世界ではありえる事ですから。
ちなみにこの肉発生するCOは23.5。
ニンジンのおよそ40倍もあります。
やっぱり肉が一番だ。
肉はすごいね。
肉高い。
肉は餌の生産や輸送の段階でも多くの二酸化炭素を発生させます。
更に加工やパッケージにする段階でも二酸化炭素が出ます。
ですから高い数値になってしまうのです。
肉はおいしいけどCOの発生量が高い。
それを踏まえた上で私たち自身が買うかどうか決めるという事なんですかね。
やっぱり口元に入るまでの工程がいろいろ手が入る訳ですよね。
それが全部COとなって加算されると。
ちょっと考えちゃいますよね買う前にね。
そっか!だから未来のスーパーマーケットって「買えりゃいいよ」っていうふうにはならないって事だよね。
買う前にちょっとワンクッション置きましょうっていう。
そういうふうになってくると…。
でもそこに気付かないとやっぱり地球がどんどんダメージを持っていかれちゃうっていう事ですもんね。
でもこれ画期的な事かもしれませんね。
こういうのがどんどん普及していく事によってそれまでそういう事に興味がなかった人も意識するようになるじゃないですか。
するとやっぱり地球にもそれなりの好影響っていうか気を付けるようになってくるとちゃんとそういうふうになにがしかの影響が届くんじゃないのかな。
食べ物の後ろにある世界を知れば消費者は自らの判断で地球に優しい買い物を選ぶ事ができます。
それが未来のスーパーマーケットの姿かもしれません。
食の未来を考える上で忘れてはならないのが途上国の人口爆発と食糧危機。
待ったなしの課題です。
そうした中今注目されている植物があります。
こちらが未来の食糧キノアです。
キノアはアワやヒエなど雑穀の仲間。
アメリカ航空宇宙局が宇宙食の理想的な食材として評価しています。
これまでアンデス山脈先住民の間でしか食べられていなかったキノア。
たんぱく質が肉に匹敵するほど豊富。
コレステロールも抑えられるため脚光を浴びているのです。
ボンジョルノ!
(2人)ボンジョルノ!ボンジョルノ!うわっキノアね硬いね。
何かパフェ野菜の。
うわっ何?これがキノア?何かすてきな食感。
何かキャビアとか魚卵のさちっちゃいの食べてる感じしません?強いて言えばシシャモの卵よりも大きくてイクラよりも小さいみたいな。
なおかつそれがヘルシーなんでしょ?そう!おしゃれでヘルシーな未来の食糧です。
更に驚くべき未来食もあります。
それは…。
これですよこれ。
あっ!虫缶詰。
ちょっと…。
え〜っ!?生きたまま入ってんじゃないの?これさすがにそれはないと思いますけどね。
ほらおつまみミックスみたいなのあるよ。
ミックス。
多分もうちょっとしたらコンビニにも入ってくるような。
えっでも何かえ〜!?すげえ!「100%CricketFlour」。
どこ?奥のコオロギさん。
粉です。
コオロギ粉。
コオロギ粉。
コオロギ粉のうどんとかそばとかできるかもしれませんよ。
ハンバーグとか。
チャオ!ボンジョルノ!2人はイタリアで昆虫食を研究しているNGOのメンバー。
私たちは食用のコオロギについて研究をしているんです。
毎日ではないですがこの仕事をしているのでしょっちゅう食べていますよ。
研究してれば食べなきゃいけないわよね。
結構リアルにくるじゃないですか。
あれはやっぱり抵抗ありますよ。
コオロギ食べるのかとか虫の缶詰かとか…。
見た目はともかく昆虫は肉よりもたんぱく質やビタミンが豊富なんですよ。
しかも肉に比べて飼育に必要な土地と資源もで済むんです。
健康と栄養の事を考えればあなたたちだって絶対に昆虫を食べたくなるはずよ。
だからやっぱり先入観から入ってくるもので食のそういういい部分がブロックされてしまうというのは残念な事だから頑張ってほしいなと思うし…。
昆虫を当たり前のように食べる。
そんな時代が来るのでしょうか?ミラノ万博では小中学生を対象に食育の授業が行われています。
何を食べるのか何を買うのか。
自分で考える大切さを子どもたちに分かってもらうのがねらいです。
未来は子どもたちに委ねられています。
スローフード館に立つ1本の木。
食べ物についての思いを記して枝に飾ります。
会場の人たちにも食べ物に対する思いを聞きました。
世界中の人たちが健康で豊かな食生活を送るために今何ができるのか。
今後の人間が生きていく上での食という事は変わっていきそうですかね?変わっていくんじゃないですか?そういう意識を持ってる人たちに随分会ったじゃないですか。
みんなやっぱりすごく未来の事を考えているしこのままじゃ駄目なんだってやっぱりその潜在意識下に思っている感じがしたのがすごいインパクトが強かった…。
わ〜っと見て回ってると食べる事は奥が深いっていうね。
食べ物とここまで面と向き合う事ってふだんの生活でないじゃないですか。
ここにいたらどの国のパビリオンに入っても食べ物の事と向き合えって言われる感じがするから何か大事なイベントだよね。
見て食べて考える。
食の祭典ミラノ万博。
地球の英知をあなたも体感してみてはいかがでしょう?2015/07/20(月) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
ミラノ 食の万博“おいしい地球”の英知[字]

世界中の美味が一堂にそろう史上初のミラノ万博。各国が披露する自慢の料理を「見て」「味わい」「実感」。おいしさの秘密を探る。さらに、未来の食はどうなるかを考える。

詳細情報
番組内容
世界各国が創意工夫を凝らした“食のるつぼ”ミラノ万博を、イタリア在住の漫画家・ヤマザキマリと俳優の細川茂樹が訪ねる。個性あふれる食材や料理が並ぶ各国のパビリオンでは、すご腕シェフのこだわりの料理から、きどらない庶民の味まで、食べ歩きを満喫できる。また、太古から続く「人と食の歴史」の疑似体験、「未来のスーパー」「驚きの未来食」などの展示を巡り、人類と食の未來を考える。
出演者
【リポーター】漫画家…ヤマザキマリ,俳優…細川茂樹

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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