懸賞イベント代行業者P社は、2012年10月から13年12月にかけ、全国約100カ所のEマートで行われた懸賞イベントを引き受けた。P社が主催した懸賞イベントには、時価1200万-3600万ウォン(約129万-387万円)相当の自動車が出品され、約467万人の顧客が応募した。
ところが、出品された自動車40台のうち26台の持ち主となる人は別にいた。P社は懸賞イベントを開催した後、実際の当せん者を、あらかじめ決めておいた偽の当せん者にすり替えたのだった。P社はこのような手口で、計7億9000万ウォン(約8480万円)相当の景品のうち、4億4000万ウォン(約4720万円)相当の自動車や商品券、海外旅行券などを偽の当せん者に渡していた。
偽の当せん者は、P社の社長(41)など幹部3-4人の友人や事業を通じた知人、親族などだった。自動車の当せん者の中には、幹部らが常連となっている飲み屋の女性従業員や、取引業者も含まれていた。Eマート営業課の課長だったL容疑者(41)は一人で自動車3台(7050万ウォン=約757万円相当)を手にしていた。
P社の社長は景品として出品した高級外車2台を、当せん者が出ないよう結果を改ざんした上、その代金を会社の運営資金として横領していたことも分かった。
個人情報犯罪に関する政府合同捜査団(イ・ジョンス団長)は20日、懸賞イベントの当せん者をすり替え、個人情報を無断で収集した疑いで、P社の社長やL容疑者など5人を逮捕・起訴するなど、計27人を起訴したと発表した。捜査の過程で、L容疑者はEマートの元ブランド戦略課長K容疑者(43)と共謀し、広告代理店から9億9000万-19億4000万ウォン(約1億620万-2億820万円)をだまし取った疑いも新たに浮上した、
Eマート側は「当社が懸賞イベントに直接関与したことはないが、当社の売り場で発生した事件に対し責任を痛感している。今後このような事件が起こらないよう、対策を講じていく」と語った。