それが土台づくりです。
(兄)え〜!また今日もオムライス!?土用の丑の日だぜ?
(母)ごめんなさいね。
ウナギ高くて買えなかったのよ。
(父)日本人の心を失ってるな…。
(母)はあ?
(父)ギョめんなさい!
(テーマ音楽)いよいよ夏本番!レジャーの季節がやってきました〜!ということで…。
(又吉)これってこういう色の魚なんですよね?
(大竹)そうですよ。
塗ったんじゃないんですよ。
照明でもなく?はい。
青色に発光してるみたいなねぇ。
そうですよねぇ。
今回2人は都内にある水族館を訪れています。
経済学と水族館一体どんな関係があるのでしょうか?迫力ありますね。
うわっ!こんなんなんやなと思って。
大竹先生。
はい。
これ珍しい形した魚ですね。
そうですね。
これどういう魚なんですか?私に聞いてます?はい。
私経済学者なんですよ。
知らないですか?はい。
すごいなこれ。
でもね今日は安心してください。
はい。
魚の専門家よんでます。
本当ですか?はい。
誰ですか?魚の専門家と言えばこの人しかいないと思うんですよ。
えっ?・
(さかなクン)どうも。
ギョんにちは〜さかなクンです。
こんにちは。
又吉さまはじめまして。
大竹大先生はじめまして。
さかなクンでギョざいます。
ギョギョギョ〜!そう。
今夜のゲストはさかなクン!魚類に関する圧倒的な知識と愛くるしいキャラクターからテレビ講演本や雑誌に引っ張りだこのさかなクンがついに「オイコノミア」にやってきました!このお魚はですね一番近いとしますとタツノオトシギョ。
タツノオトシゴなどに近い仲間です。
でこの非常にヒラヒラとした複雑な形というのは皮膚の変化した皮弁というものでして皮膚がこうやってヒラヒラと海藻のような形になっておりまして。
これで自然界では海藻にかくれんぼするんですね。
へぇ〜!海藻の中に隠れますとほとんど区別できません!なるほど。
詳しいですねぇ!いいや。
どうも。
又吉さんと大竹先生。
さかなクンに水族館を案内してもらいます。
東京湾で大変貴重な魚ちゃんたち…ギョギョ〜!いっぱいいますよ〜!うわ〜かわいいですねぇ!これは何ですか?これは大竹先生ギョ存じですか?ハゼ?トビハゼ?大正解です!失礼しました。
トビハゼちゃんです。
トビハゼ。
はい。
威張ってますよね。
背びれ立ててますね。
体の横の大きさを目いっぱい相手に見せて側面誇示という行動をしてます。
側面の大きさを目いっぱい見せてます。
今体当たりして追い払いました。
あっ見てください。
隣の子にも今威嚇してます。
第1背びれをブワッと広げるのが威嚇のポーズです。
みんな追い払ってる。
あの真ん中の子強いですねぇ。
強いですねぇ。
はい。
東京湾にしかいないんですか?いや実は先生このトビハゼちゃんは暖かい海に広く分布してるんですが実は世界的な北限といたしましてはここ東京湾なんです。
ああ。
ただしこの世界的な北限の…ですので今保護も進められておりまして。
そしてなんと!ここ葛西臨海水族園様では世界で初めてトビハゼちゃんの繁殖に成功されました。
(2人)へぇ〜!あっこれですか。
はい。
おおちっちゃい!この子たちが…。
こういった貴重なお魚を繁殖させられるということがまた水族館の大きな役割なわけですね。
見せるだけじゃないんですね。
はい。
へぇ〜!トビハゼが開発による埋め立てや環境汚染によって絶滅の危機にさらされているように人の経済活動は多くの動物たちに影響を与えています。
では私たちはどのように動物たちとつきあっていくべきなのでしょうか?経済学で考えます!今日はまた変わった場所で収録しますね。
そうですね。
水族館のご好意でこの場所で収録させて頂く事になりました。
すギョいですね〜!ハハッ。
すごいですよね。
はい。
ギョージャスです。
ギョージャス?どうも失礼しました。
はい。
ハハハハッ。
では又吉さん。
まず私たち日本人と縁の深いある魚の話題から始めたいと思います。
はい。
何でしょう?ではさかなクンお願いします。
はい!そのお魚ちゃんとはこちらなんですね。
おっウナギですか?あっ!さすが又吉様。
すぐにわかりました。
いや!書いてた…。
アハハッギョめんなさい。
ウナギは僕も大好きですね。
ああ!あのおいしいですよね。
はい。
そうですね。
そのおいしいウナギなんですけれどもウナギって今絶滅のおそれがあるらしいんですよ。
そうなんですか?はい。
このままだと大好きなウナギが食べられなくなる!?こんなニュースが去年報道された事を覚えていますか?
(アナウンサー)「世界の野生生物の専門家などでつくるIUCN国際自然保護連合は12日ニホンウナギについて近い将来絶滅する危険性が高いとして絶滅危惧種に指定しレッドリストに掲載しました。
これにより今後ニホンウナギの保護を求める国際的な世論が高まることも予想されます」。
なるほど。
絶滅危惧種になってしまったんですねぇ!そうなんですね。
まあ今回のこのレッドリストに登録されたからといって法的な拘束力があるわけじゃないんですよね。
だからすぐに禁漁になるとかっていうわけじゃない。
食べられなくなるというわけでもないんですが。
現実的に考えたらでも…徐々に言われるということですよね。
ウナギはあんまり食べない方がいいんじゃないかと。
そうですね。
実際減ってきてるんですよ。
ちょっとこちらを見て下さいよ。
ギョギョギョ!ニホンウナギの漁獲量の推移です。
およそ50年前には3,000トン以上とれていましたが現在はその僅か30分の1しかとれなくなりました。
だいぶ減りましたね!ムチャクチャ減ってますよねぇ!減った理由何だと思います?減った理由ですか?えっ?どうなんすか?それこんだけとってきたからというのもあるんですか?それも大きいと思いますよ。
確かに開発でウナギの生息地だった河川が埋め立てられたとか。
あるいは海洋汚染とか。
あるいは海流の流れとか。
いろんな理由があると思うんですけど一番はとりすぎたということですね。
では又吉さんここでひとつお伺いしますけど。
はい。
こういうふうに魚の一種の乱獲ですね。
起きたときに乱獲した漁業者に責任があると思います?いや。
漁業者…これ難しい問題ですねぇ。
生活がありますからねぇ。
その特性何だと思います?資源の特性?はい。
漁業における「資源の特性」。
それは魚が海を自由に行き来する資源があるということ。
例えば野菜や果物など農作物の場合。
決まった土地で栽培されるので収穫する権利は誰にあるのか明らかです。
しかし魚の場合は海を自由に行き来するためとられるその時まで誰のものか定かではありません。
こうした海洋資源の場合放っておくと資源の枯渇を招いてしまうことがあるといいます。
なぜ枯渇してしまうのか?ある実験を通して見てみましょう。
先生これは何ですか?これね見てのとおりスーパーボールすくいなんですよ。
スーパーボールすくい。
懐かしいですね。
そう。
縁日とかでありますよね。
はい。
ここではプールを海。
ボールを魚に見立てて実験します。
それではルールの説明です。
多く取れば取るほど得をする仕組みです。
これは海でとった魚がお金と交換できるのと同じことですね。
これは繁殖に影響が出るほどとりすぎて回復力を失ったということです。
ということで大事なことはなんですか?大事なことは一番取るということですね自分が。
自分が取るんですけど。
取りすぎると。
取りすぎるとここに10個以上ないと駄目なんです。
ちゃんと数えとかないとですね先生。
そうですね。
10個以上であれば1分ごとに10個ずつ補充されるから私たちはそれを1個100円で交換できるということなんですね。
それではボールを魚に見立てて実験してみましょう〜!どうぞ取ってきてくださいね。
えいっ!ああ!これは難しい。
おっ又吉様いきますか。
ぬぬお〜っ!結構難しいですね。
あれ先生メチャメチャ取ってません!?うわ〜駄目だ。
穴開いた。
先生うまい!先生お上手ですね!ちょっと先生取りすぎじゃないですか?乱獲ですよ乱獲。
10個残さないといけないですもん。
今どれくらいでしょう?今いくつ?今11ぐらいでしょうか。
78910。
結構危険水域です。
これ今10じゃないでしょうか。
大丈夫ですね。
危なっ!取りすぎるところでした。
1分経過したのでボールを補充します。
やった〜!駄目だ。
下手だなあ俺。
アラアララアララララララ。
はい。
アララララ。
はい。
いかん。
数数えてなかったです。
あれ?まだありますね。
まだいけます?12345678910。
12ぐらいありますね今。
12ありますね。
はい。
ああない。
面白い!今いくつですか?もうこれ10じゃないですか。
ギョギョ又吉様やめたほうがいい。
ハハハッ。
あれ?これ9じゃないですか!ちょっといつの間に?あっちゃ〜!3人とも夢中になりすぎ!あっという間に10個を下回ってしまいました。
アウトです!アウトですか。
じゃもう取りましょうね。
えっ?ということは全部取っちゃっていいんですか?先生やけになってないですか?先生。
先生枯渇ですよ。
先生。
もうでもないでしょ?ないから取るしかないですよね。
枯渇だからもう開き直っちゃっていいんですね?アハハッ。
そういうことなんですね。
先生。
先生が一番乱獲されてますよ。
ウフッ。
先生ムチャクチャですよやり方が。
先生…こっち流れてきません先生。
あれ?なくなりました?なくなりましたよもう。
おかしいっすね。
これちょっと。
ここで…それでは結果を見てみましょう。
獲得したボールは…合計で30個でした。
あっという間に過ぎましたね。
先生。
そうですね。
最初一生懸命ね資源管理してたのにちょっと私が取りすぎたんでしょうか?その取りすぎたあとに補充がストップしたあとの取り方も怖かったですよ。
ホントに。
怖かったですよね?いやもうあとは取ったもん勝ちだったじゃないですか。
はい。
やっぱりついつい競争心が。
なるほど。
出てしまいますよねぇ。
そういう事ですね。
僕も一応はい。
取ろうと思って取ったんですけど7個が限界でしたね。
じゃあここでお約束どおりこのスーパーボールをお金に換えましょう。
お金に。
結局乱獲を進め資源の枯渇を招いた大竹先生が一番得をするという皮肉な結果になってしまいました。
まあ今回の実験でわかるとおりねまあ複数の人間がこうやって共同の場所で取るというときに資源が枯渇しそうになるときに一生懸命コントロールしてもうまくいかなかったらついたくさん取りすぎてしまう。
はい。
又吉さんもさかなクンも資源が回復するまで結構ねあと何個ですよって気をつけてらっしゃったのにちょっとね私が乱暴に。
取りすぎた人がいるともう資源が枯渇してしまうとわかったらあとは取ってしまいますよね。
でまあこういう現象を経済学で言葉がありましたよね?ハッ経済学で。
又吉様。
さかなクン何でしょう?え〜っ!?私今日初めて参加させて…。
ハハハッ。
ごめんなさいね。
これは今共有資源でしたよね?はい。
ああ!…何でしたっけ?「共有地の悲劇」。
共有…?地の。
共有地ですね。
はい。
悲劇。
悲劇!?「共有地の悲劇」やりましたっけ?又吉様。
私はほかの方が遠慮されているからこそたくさん取れたというところもありますよね。
なるほど。
最初からでもお上手でしたけど。
うまかったですよね。
いえいえ。
実はね今のには秘密があって私のポイだけ丈夫だったんです。
なぬ!本当ですか?先生。
すいません。
そんな細工が!え〜っ!?どういうことですか!?だからまあこういうふうにまあ漁業でもねいい設備を持っている人とそうでない人がいるじゃないですか。
又吉様と私のは貧弱にできてた?そうなんです。
ギョギョギョギョ〜。
破れやすかったですもんね。
これはビックリした。
水につかっちゃった。
お金ついてますよ。
水に。
これは失礼しました。
だからそういうときにやっぱり私だけたくさん取ってしまうということが起こるとますます資源をちゃんと守ろうって難しいじゃないですか?そうなんですね。
決まってる?はい。
それをみんなで守らなきゃいけないんですよ。
守らないで簡単にとる人がいるとやっぱり一生懸命資源を守ろうとしている人たちの努力が水の泡になってしまうということなんですね。
まさに海は人類の共有地。
魚という海洋資源はもともと競争を生みやすく放っておくと過剰にとられてしまうという性質があるんですね。
はあ〜。
こういう乱獲を起こさない方法というのもあるんですよね。
へぇ〜!その「個別割り当て方式」と。
個別割り当て方式。
あなたのとこはこんだけとっていいですよって決めちゃうということですか?そうなんです。
更に「譲渡可能個別割り当て方式」では自分の漁獲枠を使わずほかの人に売ることも可能です。
でもこの方法だと何がいいんでしょうか?だからこれはやってみれば一番わかります。
次は個別割り当て方式で。
個別割り当て方式で。
スーパーボールすくいをやってみましょうか。
わかりました。
はい今度は私インチキしませんから。
インチキしない。
ハハハッ。
それでは再び実験!個別割り当て方式を取り入れ……に制限します。
スタート!はいスタート!はい。
3個ですからね。
ヨイシャアああ駄目だあ。
3個取った!ああ早い。
ギョギョ!あっ駄目だ。
取りました。
あれ?もう先生?取りましたよ。
ああ!
(笑い声)よいしょよいしょ。
3個取れました。
取れました。
はい。
3人とも規定の3個を取りました。
ここで1分経過を待ちます。
また3個。
3個。
3つ。
あっ2個取れましたよ!あっ駄目だこれ。
いや。
3個取れました。
あっ!早い。
取りました。
あれ?これではい。
私も終わりました。
はい。
じゃあ全員割り当ては達成ですね。
そうですね。
また1分待てばいいんですね。
また1分待てば。
(スタッフ)1分たちました。
(大竹さかなクン)はい。
これはかなり持続可能ではないでギョざいましょうか?そうですよね。
はい。
2個目。
あと1つ。
早い。
よし!3つめ。
終わり。
ああ1個も取れないよ。
駄目だ。
はい。
はい取れました。
ああ。
取れました。
はい。
え〜と1234…あっ10個以上ありますね。
あれ?なんか増えたような気が。
増えていきますよ。
どんどん増えていきますよ。
10個ずつ入っていってる。
はい。
9個ずつしか取っていきませんから増えていくんですね。
(2人)なるほど。
割り当てを決めることで資源の枯渇を防げるどころか増やすことが可能です。
しかも資源を継続的に利用できるようになるんです。
それを理解したところで今回の…1回目と2回目の結果を比較してみましょう。
大竹先生の獲得数は少し減っているものの又吉さんとさかなクンは増え全体的に得をしています。
更に残りの資源も増えていますよ〜。
3人全体だと圧倒的に漁獲高が増えてまだ資源は残ってますよ。
逆に増えてます。
はい。
これが個別割り当て方式。
これはすギョくすばらしいことなんですね先生。
そうですね。
ただ私ちょっと損してるんですけどねこのルールで。
でもこれをずっと続けていくとねあともうちょっと続けたら先生も得しますもんね。
だから全員は得するんですよね。
それがちょっとルールを変えただけでこういうふうになったと。
なるほど。
そういう事なんですね。
(大竹又吉)うん。
やっぱり個別割り当て方式というのは資源が枯渇しないようにするためにはまあ一番いいシステムなんですね。
でも問題は今3人に1人3個という割り当てをしたじゃないですか?
(2人)はい。
でも誰がそれを決めるんですか?ほう。
確かに。
それが難しい。
ただその問題さえクリアすれば漁業資源の確保にかなり有効な方式だということがわかっています。
そうなんですね。
実際に個別割り当て方式を取り入れたアメリカやカナダノルウェーなどでは漁業資源が回復し生産性が向上しているといいます。
(妹)おかずを取り合って私だけ食べられないのも共有地の悲劇ね。
(母)じゃあ今日の唐揚げあなたとお兄ちゃんは3個。
お父さんは1個。
(父)えぇ?動物園に来るのは5年ぶりぐらいですね。
かなり久しぶりですけど。
あれ?又吉さん。
今度は動物園ですか?おっゾウがいますねぇ。
かなりでかいっすねやっぱり。
こんにちは。
うわっ!なんか掛けてきましたね今。
あれはどういうことなんですか?
(高橋)あれは鼻水ですね。
鼻水!?はい。
あのうこうビュンっと鼻水を飛ばして周りの人がヒャーって驚く様子をちょっと面白がってるのかもしれないですね。
へぇ〜!別にむかついてるとかではない。
ではないです。
へぇ〜!そうなんや。
はい。
この動物園には経済学で動物とのつきあい方を考えるうえで欠かせないある動物がいるんです。
見えてきましたね。
あれなんですけれども。
おお!サイですか?はいそうです。
クロサイです。
ああクロサイ。
はい。
へぇ〜!実はクロサイは絶滅が危惧されている希少な動物なんです。
ここ入っちゃっていいんですか?
(正木)はいどうぞ。
クロサイの部屋に特別に入れていただきました。
でかいっすねぇ!これオスのクロサイのロンと言います。
メスよりもちょっと大きい感じですね。
ロン。
ロンです。
でかいわ。
ウフフフッ。
あのうアフリカに暮らす動物で低い木の葉っぱを主に食べます。
はいはい。
あげてみますか?どうやってあげるんですか?これこのまま欲しい状態になってるのでこのままあげてください。
怖いなあ。
ウフフフッ。
ここから差してあげてください。
ロン。
引っ張られたらそのまま放しちゃっても大丈夫です。
(食べる音)この三角のこの唇が木の葉っぱをこうたぐり寄せたりとかできる木の葉を食べるのに大切なアイテムの唇ですね。
へぇ〜!音がすごいですね!そうですね。
(食べる音)野生のクロサイは世界中でたった5000頭ほど。
現在…なんでそんな数が減っていってるんですか?食べるためじゃなくて装飾品とか薬ガンとかエイズとかに効く薬として効くって言われてしまっているのでそれのためにアジア圏で欲しいという人が多くてたくさん密猟されちゃったりします。
そこの角が目当てって事ですか?そうです。
へぇ〜!角だけ取るためにサイを殺して角だけ取ってそのまま行ってしまうという密猟がたくさん行われてしまってます。
実際どうなんですかね?効くんですかね?ああ…科学的には全然効かないって言われてます。
私たちの髪の毛とか爪と同じ組織なのでこれだけ特別というわけじゃないというふうに言われてます。
これが前の折れちゃった分なんですけど。
はいはい。
ここら辺とか見てもらうと毛の塊なのが。
ああ!本当ですね。
細かいのがいっぱいありますね。
そうなんです。
へぇ〜!クロサイを絶滅から守るため国際的な角の取り引きは30年以上前に禁止されています。
しかし取り引きの禁止は密猟を止めるどころか更なる悲劇をもたらしました。
これにより国際的な…その結果危険を冒してまでも密猟する者があとを絶たずクロサイの数は激減してしまったのです。
これは深刻な問題ですよね。
だからこの場合はクロサイの国際取引を禁止したってことはどうも逆効果だったと。
逆効果で悪循環に。
そうなんですね。
合法市場を止めるだけじゃなくってブラックマーケットも完全にやっぱり対処して無くしてしまわないと駄目だったわけですけれども。
ねえブラックマーケットってそもそも規制できないからブラックマーケットですよね。
そうですね。
難しい問題ですねまた。
だから法律でこういうやり方ではどうも限界があったということですね。
そこでまた経済学ですよ。
はい。
このクロサイの保護については経済学的な方法を用いた成功例があるんです。
ハッ。
えっ!南アフリカ政府が行なったクロサイの密猟対策なんですけどね。
かなり画期的な方法でやったんですよ。
どんな方法だと思います?どんな方法…。
経済学的ですからねぇ…。
はい。
え〜クロサイを守ったわけですよね。
経済学的に…。
はい。
経済学的。
う〜ん。
経済学といえば?何ですか?「イ」で始まりますよ。
イ。
インセンティブ。
インセンティブ。
インセンティブ!さすが!経済学はインセンティブを考える学問だとも言われています。
又吉さんのギャラが上がれば又吉さんは一生懸命働くようになるというのも簡単なインセンティブですよね。
それから褒められるというのもそうですよね。
さかなクンが魚の解説行動で漁業資源を守るということで褒められるとやっぱりやる気になりますよね。
はい。
ますますギョギョ!はい。
はい。
だからそれと同じように今回の場合というのは……をすればいいんですよ。
(2人)なるほど!それはいいですね。
ポジティブに。
そう。
どうすればいいでしょう?クロサイを守りたくなる?はい。
例えばクロサイを…クロサイを好きにさせる。
ああ!なるほど。
これはいい!
(2人)ねえ。
クロサイかわいいって。
かわいい!みんなが思っちゃう。
思っちゃうと。
こんなの取れないよって。
なるほどね。
人の気持ちをそうやって変えればいいわけですから。
それもね又吉さんなら出来るかもしれないですね。
どうですかね。
お願いします。
やっぱりお笑いの芸を使って。
あるいはまあ小説家ですからね。
人の心をもうクロサイを守りたいと思わせるような小説を書いてもらうんですよ。
なかなか難しいと思いますけど。
お願いいたします。
又吉先生。
いえいえ。
あのね実際に南アフリカ政府が取った保護策というのは実はこんな方法なんですよ。
どんな方法でしょうか?はあ狩猟権の販売…?どどどどういう事ですか?これ先生!?えっ取っていいよって。
捕っていい!?撃っていいよって。
逆に?はい。
クロサイを撃っていいよという権利を…そういう販売をすることを許可した。
(2人)え〜っ!どういうことやろ?要はねクロサイの商業的なハンティングっていうのを許可したんですよ。
ほう!恐ろしいですね。
もっと減っちゃいそうですよね。
そうでしょ。
でもね数の制限あるんですよ。
だから自由にどれだけでも撃っていいよってわけじゃないんですね。
この頭数だけはあなたの土地にいるクロサイを撃つ権利をハンターに売っていいですよっていう許可をしたんですね。
そうするとどうして合法的なハンティングの権利を売ることがクロサイ保護のインセンティブになるのかということ。
これはですね模型を使って。
おっクロサイちゃんだ。
クロサイがいるんですよ。
模型を使って説明したいと思います。
お願いいたします。
ある土地にクロサイがいました。
ここに密猟者がやってきます。
(銃声)密猟者の目的は高値で売れるクロサイの角。
このまま放っておくと密猟は続き全てのクロサイがいなくなってしまうおそれがありました。
そこで政府は考えたというわけです。
で政府が考えて何をしたかというとこの土地の地主に対してクロサイの狩猟権を与えたと。
クロサイの狩猟権を販売する事を認めたわけですね。
地主は政府からクロサイの狩猟権の販売を認められます。
すると地主は趣味として狩りをするハンターたちにその狩猟権を売れるようになります。
15万ドルで売るということもあると。
まあこの値段は場所とかによって違うわけですけどね。
まあ15万ドル。
1,500万円です。
へぇ〜!どうですか?高いですよね。
高いですか?たたたたた高い。
まあなかなか買わないですよね。
はい。
でもまあハンターはクロサイを撃つこと自体がうれしいんですよ。
(2人)うん。
こうしてハンティングが趣味のお金持ちがめったに撃てない絶滅危惧種のクロサイを撃つために大金を払うようになります。
(銃声)その場合地主はクロサイを密猟者から守り繁殖させたほうが経済的に得をするという金銭的なインセンティブを持つことになります。
自らの利益を考える地主はクロサイの保護や繁殖に設備投資を行なうようになり密猟者からクロサイを守るようになるんです。
この方法実は成功してクロサイの狩猟が禁止されている周辺国だとクロサイが減り続けたんです。
だけど南アフリカのクロサイの数は回復し始めたんですね。
これはだからそういう権利を与えた南アフリカはクロサイの数が増えた。
だから…う〜ん。
そういう事なんですね。
すギョい。
賢いですね。
本当にビックリです。
ただねこれもクロサイの保護の名目とは言えね絶滅危惧種を撃つことを商売にするのはいかがなものかというのもありますよね。
道徳的にはね。
そもそもクロサイを撃っちゃいけないんだから撃っちゃいけないのに撃たせてもうける人がいるっていうのはどうもそれはけしからんっていう人もいるでしょう。
すごく大きな矛盾というかね…。
はい。
疑問はありますけどね。
ハンターにすごい高額なクロサイ取っていいよっていう権利を売るわけですよね。
ってことはハンターだいぶ金持ちですよね?はい。
完全な趣味ですよね。
はい。
密猟者ってどういう生活してんのかなって想像したときに結構せっぱ詰まってやってる可能性もあるとか考えるといろいろ考えちゃうんですけど。
まあ1つは密猟してる理由ですよね。
はい。
その角を欲しがってるわけですよね。
じゃあその角が一体何なのか?その角と全く同じ物がこういう役割こういう成分で作れるみたいなことがあればね何か取る人おらんようになるかもしれないですしね。
そうですね。
だから1つはそうやって科学が発達して角と同じ成分のことあるいは角の成分というのは実はあんまり医薬品として効果がない事が証明されるというのも1つかもしれないですよね。
あるいは又吉さん先ほどおっしゃった密猟者というのも実は生活に困ってる人が多いかもしれない。
そしたら密猟しなくてもいいような生活水準まで経済発展したらわざわざ密猟してそんな危険ですよね。
捕まるかもしれない。
…いうふうなことをしてまで…。
そういうことをする人は減るかもしれないですよね。
だからいろんな解決策はあると思いますね。
おっしゃるとおり。
そうっすねぇ。
なかなか難しいですけどね。
(2人)難しいですねぇ。
一時的には減ったクロサイの密猟。
しかし近年密猟が使う武器の性能が向上したことや角を購買するアジア系富裕層が増加したことにより密猟は再び増えているといいます。
(父)絶滅危惧種かあ…。
でも夏にはやっぱりスタミナのつくウナギを食べたいよなあ。
(猫)食べた〜い!昔から言われてることですけど人間がどれぐらい取るかによって絶滅するとかそういうの聞くとちょっとねみんなでちゃんと考えなあかんなって思いますし。
ウナギとかになると僕ウナギすごい好きじゃないですか。
それって味が好きっていうのもあるんですけどお店に食べに行った人のお店の人とか雰囲気も好きっていうのあるんですよね。
だからもう全部駄目とか極端になったときにそれで生活してる人がおるっていうのが見えちゃってんのがすごく一緒に考えなあかん事やなと思うんですよね。
なんか「生き物」。
で「人間のエゴや」みたいなことはもちろんあるんですけど人間のエゴやと言って撤退したときにこの人間の中でもう本当生きていかれへんようになる人がもしかしたらおるかもしれへんっていう事も考えなきゃ駄目ですよね。
なるほど。
はい。
なんかちょっとひとつひらめいたんですが。
今又吉様がウナギ屋さんに行く喜びがあるっておっしゃったじゃないですか。
例えばウナギ屋さんに行ってウナギは1日限定ギョ人しか食べられないとかですね。
当たりくじみたいにこうガランガランと引いてアナギョ!アナゴが出ました。
アナゴのかば焼きです。
おおイワシ!イワシのかば焼きです。
カンカンカンカン!ウナギです!そういうのどうでしょう?それいいです。
いいですよね。
そうするとこの日はなになに地域の鈴木さんがウナギ当たりましたって。
ウナギ食べたい人は前売り券で買うんですよそれを。
だからウナギの代わりにラーメン出したらラーメンやったら食べへんって言うかもしれへんけどウナギ食べれる可能性を残してるってことですよね。
そうですね。
それいいんじゃないですか。
それ権利の売買ですよね。
うん。
そうしたら食べれる喜びも倍増ですね。
はい。
食べてみたら案外ほかのものもおいしかった。
イワシでもナマズでもかば焼きにしたら意外やおいしかったと。
はい。
いいですねそれ。
いいですね!はい。
やりましょう!ハッ!あっそうですか。
ぜひとも。
誰かぜひやっていただきたい。
いやいや又吉さんですよやるの。
あっそうですか?はい。
よろしくお願いします。
お願いいたします。
いえいえ。
又吉さん今回は何を感じたのでしょうか?教えて。
「イラっ」とした気分を妖精さんが解決。
2015/07/20(月) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「絶滅させない!経済学」[字]
夏の風物詩、ウナギが食べられなくなる?絶滅の危機にひんする“生物資源”。守りつつ人の営みと共存させるにはどうしたら?ゲストのさかなクンとともに経済学で考えます!
詳細情報
番組内容
土用の丑(うし)の日といえばウナギ。日本の夏の風物詩とも言えるこのウナギが、数年後、食べられなくなってしまうとしたら?世界には、ウナギをはじめ、絶滅を心配される生き物が多数存在します。こうした“生物資源”を守るには、とりすぎないことが大切ですが、禁止するだけでは逆効果。密漁などを招いてしまいます。そこで役立つのが経済学!生き物を絶滅から守りつつ、人が資源として利用し共存するための知恵をご紹介します
出演者
【ゲスト】さかなクン,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:16135(0x3F07)