サキどり↑「人気上昇中!クラフトビール新時代」 2015.07.21


灼熱の太陽の下都心のイベントホールに出来た大行列。
配られたのはワイングラス?え〜!?この液体の正体は…?うん?ビールじゃないですか。
今日本の小さなメーカーがつくり出すクラフトビールが海を渡ったアメリカでも大人気!今回は皆さんを新たなビールクラフトビールの世界にご案内します。
おっ千恵ちゃ〜ん。
あ〜お待ちしてました。
仕込み中?大丈夫?全然。
もういつでも来て下さい。
今日はどうしましょうね?1週間ぶり。
うれしいねえ。
そうですね。
とりあえずビール。
カビラさん「とりあえず」って言われても困るのよ。
うちはね大手さんのビールやめたの。
全国各地からさまざまなビール取りそろえてるのよ。
すごい種類だ。
例えばフルーツ系だとピーチマンゴーブルーベリーなどなど。
それから山椒わさび赤味噌カキなんていうのもあるわよ。
オイスターの?すごいね。
でも今日のおすすめはこれかな。
選ばせてくれないの?はいじゃあどうぞどうぞ。
はいはいありがとう。
おしゃれだね〜。
おや?ちょっとこれ薄く緑がかってるね。
実はこれクチナシで色づけされているの。
いただきます。
岡山県限定出荷のビールなのよ。
20年前から言われてるよ。
地ビール。
地ビールでしょ?カビラさん地ビールってね昔の表現。
えっ?今は中小のメーカーがつくる個性的なビールの事を「クラフトビール」と呼んでいるのよ。
「クラフト」。
手が込んでる手作りというイメージでしょ。
そうなのよね。
実は今この日本のクラフトビール海外でもすごい事になっているんです。
今ではビール全体の売り上げの2割を占める勢いです。
ビール専門店をのぞいてみるとなんと6,000種類もの品ぞろえ。
個性豊かなビールがずらりと並んでいます。
こちらは生ビールの量り売り。
醸造所と同じ味が楽しめると人気です。
そんなアメリカで快進撃を続けている日本のビールがあります。
こちらはニューヨーク中のビールファンでにぎわうパブ。
各国のビールに交じって…ありました「JAPAN」!堂々の仲間入り。
この日本のビール洗練された香りと爽快感あふれる味わいが特徴で注文が絶えないんだとか。
このビールメーカーがあるのは茨城県那珂市。
もともとは200年続く日本酒の蔵元です。
日本酒が低迷する1996年にビール業界に参入。
輸出が伸びた事でなんと年商は20倍に。
毎年数億円の設備投資を行って増産に動いていますが全く追いつかないといいます。
世界から引っ張りだこなのがこのホワイトビール。
ベルギー発祥のタイプです。
そもそもビールは麦を発芽させた麦芽苦みと香りを加えるホップ発酵を促す酵母がベース。
これにスパイスやオレンジを加えより複雑で香り高い味に仕上げます。
醸造の腕が問われる最も難しいビールの一つ。
それにもかかわらず世界のメジャーなコンクール全てで金メダルという4冠を達成した数少ないビールなのです。
他にも茨城の赤米を使い日本酒の酵母で発酵させたビールや梅と藻塩を使って酸味をきかせたビールなど個性的な味を世界が絶賛。
今やこれらのビールは35の国と地域で飲まれているというから驚きです。
アメリカで人気のクラフトビール。
最近日本でも広く出回り始めているってお気付きですか?これまで大手メーカーの商品で占められていたコンビニの棚にも…。
ありました!クラフトビールがずら〜り。
今や棚のほぼ一列を占めるまでになった会社もあります。
日本のクラフトビール市場を切り開いた会社は長野にありました。
出迎えてくれたのは120人余りの社員を率いる井手直行さんです。
クラフトビールの文化を何としても根づかせたい。
25種類のビールをつくっている井手さんはそれぞれの個性を分かりやすく伝えるためにデザインとネーミングにこだわりました。
例えばこちら。
強い苦みが癖になるインディアン・ペールエールは強烈な味わいを「鬼」で表現。
また香り高くフルーティーな味わいのホワイトビールは仕事に疲れた女性がターゲット。
週の半ばに癒やされてほしいと猫のかわいらしいイラストを添えました。
こうした新しいビールの楽しみ方はネットで徐々に評判に。
更に今井手さんが働きかけを強めているのが若者たちです。
流行に敏感な若者たちにまずは味をアピール。
この日配ったのは長期間熟成させたタイプ。
更にクラフトビールにまつわるクイズでつくり方や原料を知ってもらいます。
盛り上がって楽しくなると…皆さんそれを友達と共有。
こうした若者たちの口コミの効果は絶大。
大手のように広告費をかける事なく売り上げを5年で3倍に伸ばしました。
5月。
井手さんはかねてからの夢を一つ実現しました。
クラフトビールと音楽を楽しめる野外フェスを開いたんです。
5,000円ほどで10種類以上のビールが飲み放題とあって東京などから500人が詰めかけました。
多種多様な味わいをすっかり満喫した若者たち。
新たなクラフトビールの世界に引き込まれていきます。
いやきてるじゃないですか。
ねえクラフトビール。
さあ室井さんよろしくお願いします。
ビールはお好き?ビール好きです。
毎日必ず1本は飲みますね。
お風呂上がりに飲まなきゃいけないんで。
クラフト系はどうですか?地ビールをクラフトっていうのは初めて聞きました。
また違うものかと思ってたので。
新たな動きとしてこのクラフトビールという事で今日は探りますので。
という事でスタジオにはワインだけではなくビールにもお詳しいソムリエの田崎真也さんです。
ソムリエの仕事自体はワインのイメージ強いんですけど実際には飲み物全般に…お客様にサービスするという仕事なのでビールもそうですね。
パリに住んでた頃は結構ベルギーまでビール飲みに行こうかみたいな感じで。
なるほど。
世界が違う。
以前は地ビールとか言ってましたが今やクラフトビール。
1994年に地ビールブームが起きて300以上のビールメーカーというか小さいビールメーカーが出てきたんですね。
でも味があんまりおいしくなかったのもあってだんだんだんだん淘汰されていってしまって2003年ごろぐ〜んと少なくなっていったんですね。
それがまた徐々にじわじわいろんな要因で広がってきて今200ちょっとですけど。
アメリカのクラフトビールばやりもあってクラフトビールという名前をちょっと分けて採用してるんですけど。
(室井)腑に落ちました。
前に地ビールが出てきた時にすごい凝ってるものなんですけどちょっと個性が強すぎちゃって値段もお高かったしいいやって思ってたんですよ。
だから全然今出てる話題のクラフトビールが地ビールと結び付かなかったんです。
やっぱりおいしくなってるんですね。
そのビールいろいろ実はあるので一端だけご紹介させて下さい。
私たちが一番親しんでいる…。
(室井)ピルスナー?はいピルスナータイプというのが。
ご存じじゃないですか。
見慣れてる…毎日見てるので。
大手メーカーが出しているビールといったらほぼ。
喉越しキレがあるのが特徴ですよね。
最近クラフトビール界の人気を牽引してると言われてるのがこのアイピーエーというタイプなんですね。
これホップをたくさん使っているのが特徴で苦みがあってアルコール度数も高い。
ピルスナーだけというのももったいないですもんね。
ほんとは100種類ぐらいビールってあるんですよ。
でもあんまりうんちく言われるとじゃあいいって言うわ私は。
でも「とりあえずビール」じゃなくて「とりあえず試してみよう」とは思わないんですか?あ思います。
好奇心旺盛なので。
たくさんの種類たくさんの味があるのでどうやって楽しめばいいのかなかなか分からない方もいらっしゃるかと思います。
という事で田崎さんお願いいたします。
田崎さんにクラフトビールの楽しみ方を教えてもらいます。
用意して頂いたのはこちらの3種類。
左からオレンジの香りが爽やかなホワイトビール。
ホップの香りと苦みが強いペールエール。
そしてコーヒーのような香りが特徴の黒ビール。
これらと一緒に頂くのは串カツ。
串カツも味付けによって合うビールが違うんだとか。
ねぎまでいけるかな?まずレモン汁をつけた串カツはホワイトビールで頂きます。
爽やかですね。
クラフトビールって特徴が豊かなものが多いので一瞬飲んだだけでサッと流せない味というかあれ?みたいな感じなので私は食べ物とはむしろ合わないような気がしちゃうんです。
じゃあ次のをいってみて下さい。
今度はお塩だけ振って頂いて。
今度はペールエール。
串カツは塩で頂きます。
こっちのビールよりはこっちの方が食べ物に串揚げに合います。
ただ私にはやっぱりちょっとビールの味が濃すぎます。
僕は合うと思いますけどね。
香ばしさがたまりませんね。
うん!
(田崎)この黒ビールですけど今度はソースをつけたものと一緒に。
最後は黒ビール。
とんかつソースで。
午前中なんですよね。
そうですよ。
朝ですよ。
朝からこんな3種類のビールと串カツ。
休日という事でひとつご勘弁頂ければ。
(室井)あっ合う!合う。
すごい合う。
ああやっぱりソース合いますね。
(室井)合うよね。
ソースの味に負けないね。
強い。
負けませんね。
これはたまたま串カツで一つのもので合わせたんですけど例えば3つを飲む場合にこれはかんきつ類の香りが爽やかなのでちょっとサラダ仕立てにしたみたいなお料理。
これはお魚料理なんですけどもしっかりしたソースを添えたものでこれはお肉のがっちりビーフシチューみたいなこってりした肉料理を食べるみたいなフルコースの料理にこのビールを合わせていくという合わせ方もできると思います。
それで盛り上がるというのはどうなんですか室井さん。
あくまでキレですか?ビールはそうですね。
ごめんなさい。
どうしてもそこは合わしたいけど譲れないですね。
やっぱりこういう感じの方がいい?がばがば飲めるやつが私はいいと思う。
3月。
東京・杉並区の商店街にオープンしたこちらのお店。
「サキどり」が訪ねたのはお昼から営業している週末。
どうですか?このにぎわい。
皆さんのお目当ては…生のクラフトビール。
う〜んおいしそう!常時6種類ほどが味わえちゃうんです。
なるほど。
味もさる事ながらお値段の安さも人気の理由なんですね。
その安さとおいしさの秘密がこちら。
店で出すビールをこの小さな一角で手づくりしているんです。
そのつくり方は超アナログ。
早速見せてもらう事に。
作業をするのは醸造の仕事に就いて2年の今井貴大さん。
まず取り出したのはなんと大工道具?これを手作りの粉砕機にセットして…。
微妙なさじ加減が求められる粉砕。
細かすぎても粗すぎても駄目。
70度ほどに熱したお湯の中で攪拌しデンプン質を糖分へと変えるのですがこれもずっと手作業。
額に汗してかき混ぜ続けます。
そして麦芽のカスを濾過して取り出したのが麦汁。
ここに苦みや香りのもととなるホップを投入。
この量と種類もビールの個性を大きく左右します。
そしていよいよこのあとがビールづくりのクライマックス。
さあ我々取材陣を部屋の外に追いやって隅々までアルコール消毒する今井さん。
この容器に麦汁が入っているのですが…。
他の菌が入らないように素早く投入。
あとは待つ事およそ10日間。
おいしいビールになるのを祈るのです。
この工房をつくった社長の能村夏丘さんです。
以前は小さな広告会社で営業の仕事をしていた能村さん。
自ら会社に願い出て大手ビール会社を担当させてもらったほどのビール好きでした。
しかしやがて広告の仕事に充実感を得られなくなり退社。
自分探しの旅に出ました。
旅先で偶然立ち寄った地ビール店。
この店が能村さんの運命を大きく変えました。
そこでは驚くほどの小規模な設備でしかもマスターがたった一人でビールをつくり客に提供していたのです。
能村さん天職に巡り合えた瞬間でした。
それからというものビアパブや醸造所を訪ね歩きビールについて学んだ能村さん。
一番の師匠に選んだのがこの方。
ビールを安く提供するノウハウと哲学を教えてくれました。
初日から満席。
醸造所の出来たてビールに消費者は飛びついたのです。
開店後能村さんには一つ意外な事がありました。
弟子入りを志願する若者が殺到したのです。
今では10人以上が能村さんのもとで切磋琢磨しています。
そんな若者たちを育てるため今では店を5店舗にまで増やした能村さん。
能村さんどの街にも一つ自分たちのビール屋があるそんな世界を目指しています。
室井さん頑張ってますね若い人たちが。
そうですね。
自分の近くにも来ないかななんて思って地図ガン見しちゃいました。
無かった。
今は妄想ですけどいずれ。
やっぱりこうやって出して生のサーバーですぐというのがおいしいですよね。
だってその場でつくってるんですよ。
その能村さんのお店から今朝運んできましたビールをご用意いたしました。
ウィート・アイピーエーという小麦を多く使っているビールなんだそうです。
いいですねホップが利いてる感じがしますね。
おいしいですね。
(田崎)ホップの香りがすごいですね。
強いです。
出来たてを頂く事ってなかなかないですよね。
それがこういうマイクロブルワリーというか自分の所でつくってそのままお客様に出してる所のメリットでもありますよね。
こういうお店がどんどん広がる可能性があるって事なんですね。
ものすごいあると思います。
ものすごい注目されてますので。
すごいはやってますので。
これ出来たてのビールなんですけども他にもいろんなビールがあるという事でおすすめが田崎さんからあるという事なんですよね。
真逆の発想かもしれないんですが。
これ寝かせたビールですか?これどういうビール?
(田崎)まず飲んでみて下さい。
あっはい。
香りだけだと一瞬ワインのような。
(室井)あれ?苦いけど甘みというかうまみみたいなドロッとした感じがします。
(田崎)まさにそんな感じ。
濃密な。
これは?この2種類は結構私の中で飲んだ事がないビールでした。
まさに出来たてと熟成。
この2つのビールだったら先ほど私が一番最初にしゃべった言葉は訂正させて頂きます。
「がばがば飲めればいいんじゃ!」という。
じっくり飲んでもおいしいぞと。
しかしほんとに可能性感じますね田崎さん。
ワインなんかもう畑から作んなきゃいけないですから大変ですけど簡単にあと自分のイメージでいろんなものをつくれるというのが。
小さな所で小さなタンクでつくると何十パターンも実際にはやろうと思えばできる。
お願いできたりもするわけですよね自分のバージョンの。
私「ゆづき」だからユズを入れたりとかできますよね。
(田崎)実際ありますしね。
バラの花の香りのエッセンスを入れたり。
自分好みのオリジナルなもの。
私はシンプルが好きなんですけどね。
そこは譲らない!片山さんごめんなさい。
朝からちょっといってしまいました。
いいんですよ。
おいしかったですか?おいしい。
びっくりした。
実は私ビールそんなに得意ではないんですけどでもクラフトビールってあれだけ種類があってアルコール度数が低いもの。
フルーティーな飲みやすいものだったり。
そんな私も挑戦してみたい飲みたいなって思うような世界でしたよ。
そしてその世界まさに日本から世界に広がってるって事もチェックできましたしね。
いや〜新鮮な世界がそこにあります。
という事でエンディングナンバーはKOOL&THEGANG「Fresh」。
2015/07/21(火) 01:30〜02:00
NHK総合1・神戸
サキどり↑「人気上昇中!クラフトビール新時代」[字][再]

若者を中心にクラフトビール人気が広がりつつある。各地の醸造所に加え大手企業も参入しクラフトビール元年と呼ばれる今年。新たなビール文化が定着していく可能性を探る。

詳細情報
番組内容
「ビール離れ」と言われて久しいが、最近若者たちが再びビールに注目し始めている。「手作りの」という意味の「クラフトビール」。各地の醸造所が原料や添加物などに工夫をこらし個性的な製品を次々発表。バリエーション豊かなビールの楽しみ方が広がりつつある。世界的なコンクールで高い評価を受けるビールも登場。大手も参入し今年はクラフトビール元年と呼ばれる。新たなビール文化が広がり定着していく可能性を探る。
出演者
【ゲスト】室井佑月,日本ソムリエ協会…田崎真也,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子

ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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