鶏のむね肉がよく合います。
冠婚葬祭だけでなくビジネスの場でも意外と出番が多いのが手書きの文字。
読みやすく洗練された美しい文字を書ければ印象が良くなり気持ちもしっかりと伝える事ができますよね。
タレントの優木まおみさんがそんな美しい文字を書く秘けつを教わります。
自分のクセを知るっていうのがやっぱり美しい文字になる基本なので。
教えて下さるのは京都で活躍する…書の本場中国でも数々の賞を受賞し「今の暮らしに溶け込む書」をテーマに作品を制作しています。
番組ではボールペンから筆ペン筆と日々の生活で役立つ心が伝わる美しい文字を書くポイントをお伝えしています。
優木さん前回のおさらいです。
小筆を使って暑中見舞いを書く練習をしています。
よし。
いやいやいや…。
こんなん届いたら暑中見舞いっていうか…夏でも元気になっちゃうかも。
今年の夏はやっぱりこれで送りたいですね。
頑張って書いて送って下さい。
送ります手書きで。
あっそうだ。
今日は?今日はですねこちら。
この2枚を見て下さい。
「波」って書いてありますけどなんかイメージが全然違いますねそれぞれで。
薄いこれは。
こっちは「淡墨」といいまして「淡い墨」って書くんですけど水で薄めた墨。
こちらは通常。
いつもすってるとおりの墨で書いたものです。
この2つの「波」を見て何かこう感じるもの…。
やっぱりこっちの方が強い…ドシンとくる感じがするので激しい荒波な感じでこっちの方がさざ波といいますか緩やかな感じの…。
字から伝わってくる波のイメージとしてはそうですかね。
墨の濃淡によって書き分けるっていう事。
今日は特にこの淡い墨淡墨を使って書く技術テクニックとその魅力を一緒に勉強したいと思います。
はい。
同じ文字でも墨の濃さを変えるだけでイメージがガラッと異なります。
今回は文字の表現力を広げるさまざまなテクニックをお教えします。
これが淡墨で書いた「波」なんですけども特徴分かりますか?例えばこの点の部分なんかは周りがけばだって見えるようなにじみが独特ですよね。
このにじみがある事によってぼやけた淡いイメージの文字になるというのが淡墨の特徴になるんですけれど。
もう一つあるんですけど何か気付きますか?あの〜…。
重なりの部分が上下の…こういうのが見えますね。
でもこれっておかしくないですか?書き順…。
そうなんです。
優木さんよく分かりましたね。
先に書いた線の方が上に出てくる。
後に書いた線の方が下になるっていう立体的に見える…。
不思議。
これでしか出せない味が出てるんですね。
じゃあ淡墨を使って「波」を書く前に墨をすって淡墨を作るところから始めましょう。
はい。
最初は硯の岡の部分に五百円硬貨くらいの水を入れ墨をすります。
いつもより濃いめに粘りけが出るまですって下さい。
じゃあお水を入れていくんですけれども今回は分かりやすいように大さじを使って入れていきます。
まずすった墨に水を大さじ2杯足します。
そして筆で墨と優しく混ぜながら海に流します。
じゃあまずこれで試し書きをしてみますね。
十字。
まだでも先生にさっき見せてもらった「波」のものより濃いですね。
更に水を大さじ1杯足します。
墨があふれそうになったら別の容器に移して下さい。
このように水を足して試し書きする事を繰り返し好みの墨の濃さに調節します。
あっ2ってこれ…一緒ですか?今書いたものが乾くとこんなに薄くなるんですね。
あと季節とか紙墨の具合によって色は変化するので必ずこうなるっていうわけではないんですけどね。
という事でこのかなり薄い10杯のもの…。
この10杯目の墨を使って「波」を書くテクニックを学びましょう。
はい!じゃあ書く前にこちらもう一度見て下さい。
この三水の部分何か違いが…。
違い?まあこの最初の12の点まではボワンとにじんでいるんですけどここはそんなにじんでないんですよね。
そうですね。
このにじみが出る出ないの違いは筆を長時間置いておくと墨が落ちていくのでにじんでいく。
で三水の3画目払い上げのところはサッと速く書いているのでにじまない。
じゃあ一度私が三水を書いてみますね。
まず最初の点。
普通に書いて2つ目を少し時間を置いて。
このくらい。
3画目の払い上げはこんな感じ。
今見てもちょっと水たまりというか出来てて点は。
この払いに関しては…。
墨の量がもうここに全然のってないというか。
ではもう一回この「波」見て頂きたいんですけどこの立体的に見える線の重なりの所は少しにじむ時間を作ってあげるのがポイントで普通に書く速度よりも次の画の所でちょっと一呼吸置く。
じゃあ旁の方も今ちょっと書いてみますね。
ここで時間を置きます。
まだですまだです…。
で書きます。
ここでまた少し時間を置いて…線が重なる所なんでね。
こういう感じですね。
う〜ん!ジュワッと広がったのを見て書くみたいな感じですね。
今の要領で優木さんも「波」という字を書いてみましょう。
置く。
で少し…。
点点。
おお〜。
次は速く。
シャッシャッ!ハハッ!速すぎてちっちゃくなっちゃった。
でここを…。
気持ちゆっくりにじませるように書いて…。
弱気。
時間をちょっとあけて。
…からのいきたいけどまだいかずいきます。
フフフフ!うわ〜!でもでもちゃんと重なってる部分も見えてるし。
なかなか新しい感覚です。
ですよね。
にじみを感じながら書くというのもね。
またさっきみたいに乾いたら少し薄くなって今の感じと違ってもっと淡墨の良さも際立ってくると思うので乾くまでちょっと待ってみましょう。
濃い淡いでも表現の違いを楽しめる墨。
どうやって作られているんでしょうか。
墨作りが盛んな奈良にある工場を川尾さんと優木さんが訪ねました。
墨の材料は煤。
松の木や植物油などを燃やして集めます。
そして膠。
動物の皮や骨を煮て採り出します。
墨はこの2つを混ぜて作るのです。
まず膠を溶かしそこへ煤を入れて練り上げます。
煤の種類や量それにその日の天候によっても出来上がる墨の濃さやにじみ具合が左右されます。
ここから先の仕上げは墨職人の出番。
足と手で更に練り込みます。
今どういう段階なんですか?これは煤と膠を練り上げたものをここで型に入れて成型する段階ですね。
じゃあ一番最後の…。
その型に入れる。
ふ〜ん。
やっぱり熟練の技が必要なんですか?練り加減が感覚で分かってくるようになるんで。
練りがうまくいってないとやっぱり均一じゃないとか…。
均一じゃないですし色ムラも出ますし乾燥した時にプロペラ状にひねってしまったり…。
型に入れしばらく圧力を加えて空気を抜き取り出します。
触ってみますか?あっあっ何だろうあのねようかんみたいな感じ…。
あっまだプルプルしてますね。
ほのかに固まってるんですけど。
この軟らかい墨をゆっくり乾燥させます。
小さなものでも3か月。
大きなものになると8か月。
ひび割れしないように時間をかけるのです。
乾きましたね。
どうですか?何て言えばいいか…味がある感じ。
でも最初に見たホワッとした感じのにじみもしっかり出せてますしこの交差してる所。
立体感も出てます。
よく出来たと思います。
もっといろいろ違った書き方してみたいなって気になるし。
10段階のいろんな濃さも試してみたりしてみましょう。
ではもう一つ別のテクニックがありますので見て下さい。
こちらです。
ああ〜これまた…。
違いますねこっちは。
こう何て言うんだろう。
わざとかすれさせて書いている「波」になりますね。
違いというかどんなイメージですか?こっちの「波」は。
う〜ん…何でしょう。
なんかこっちの方が波乱万丈感あるっていうか。
フフフッそっちのね。
人生の波の。
人生も含めてなんか山あり谷ありの感じ。
「いろいろある」みたいな。
深い感じというか。
私とかは別れた彼氏と行った…。
ええ〜急に。
沖縄の砂浜とかを…思い出さないです。
その彼は荒々しい彼だった…。
まあ例えばそういういろんなまたさっきとは違う「波」を今から勉強していきましょう。
かすれのテクニックは普通の濃さの墨を使います。
一度墨を筆に含ませそのあと…そしてすぐには書かないで本当ならば練習したあとの紙とかに書いた方がいいんですが8本線をまず引いてしまいます。
それで墨をとります。
12345678。
新しく墨を足さずに…。
このままの筆で少しだけ毛先を整えて書き始めます。
点は普通に。
まだここは墨がありますね。
ここの辺ぐらいからちょっとかすれてきます。
だいぶコントロールがしにくくなってくるのできっちり筆先をコントロールするようにして書きましょう。
なるほどね〜。
こすったように書いたりとか雑に書いてかすれを出すというのではなくて毛先をきっちりコントロールをしながら書いていくっていうのがポイントになります。
優木さん早速かすれのテクニックで書いてみます。
でもかすれさせるためだから…。
67。
もうだいぶなくなってきた。
8。
ああ〜この状態で書き始めるなんて少ないよ〜。
一旦置いて…。
整えて。
じゃあ「波」を書いてみましょう。
はい。
もうかすかすですよ〜。
点。
左払いですね。
置いて毛先に集中して…。
送筆がちょっと難しいんでバネを保ちながらいきます。
そこ丁寧に収筆で毛先をそろえる…。
全然そろわない。
…からの入りまして。
バネを保ちながら…。
うわっかすかすですよ〜。
うわ〜!わざととはいえ難しい!予想以上にかすれましたね。
やっぱここなんかもっとシュッと丁寧にやりたいんですけど。
収筆で毛先をそろえるというのがやっぱりコントロールするのは練習が必要になるかもしれないですけど初めてとしたらうん。
いいと思います。
ではもう一つ墨を使ったテクニックがあるので今からやってみます。
少し下がってもらっていいですか。
離れて下さい。
大きいやつをやるんですか?何ですか?じゃあ今から書くので見といて下さいね。
激しい!ハハハッ。
おお〜!次はしぶき。
確かにしぶいてる。
挑戦してもらいます。
ええ〜…。
これ私もやれるんですか?そうです。
360度しぶきを落とすために垂直に落とすというか…しぶきのテクニックを使う時は飛び散る墨に注意しましょう。
筆はたたきつけるので…これちょっと楽しいですね。
子供の頃に戻ったような…。
「こういうのやっちゃいけない」と思う事をあえてやるわけですもんね。
そうですね。
まずはしぶきを出す点だけを練習します。
今だ!いやまだだ。
行くぞ!怖い。
やあ!全然しぶかない!今ちょっと躊躇しましたね。
いやだってこういう事って初めてやるじゃないですか。
垂れた状態のまま紙に持っていくって。
思ったよりしぶかないもんですね。
コツは?ちょっと高い所からスピードを出してボンといく。
もう「バカヤロー!」って感じでもいいです。
そうですね。
え〜そんな恋愛してないです。
結構平和にやってきた方。
恋愛じゃないですって。
あっいった!いったけどいいのか悪いのか…。
めっちゃいいしぶき出ました。
気持ちいいですねしぶき出ると。
じゃあ優木さんしぶきを使って「波」を書いてみましょうか。
楽しいですねこれ。
ちょっと行書っぽく書いてみましょうか。
しぶきの勢いを使って。
はぁ〜…。
よし。
シャッシャッシャッ。
シャッ。
バシャッ。
よっしゃ〜出来た!かっこいい!「波」出来た!すごいすごい。
出来た。
行書にはなってないんですけどなんかこう激しい感じの…。
激しいの出ましたね。
たまたまですけどかすれも出ましたけどね。
躊躇せずにバンいきましたね。
しぶき。
でも結果これと同じものを次は…。
もうしぶきの感じが違うから書けないんだけどなんかこれはこれで愛着が湧きます。
なんか新しい自分を見つけられた気がします。
こう奥底に眠る荒々しさ。
(笑い声)後始末の方法をお教えしておきましょう。
筆は穂首の根元までほぐしながらしっかりと墨を洗い流しましょう。
墨が落ちたら指で軽く水けをとります。
毛先を整えたらつるすか寝かせて陰干しにしておきます。
硯はスポンジや古い歯ブラシを使って隅々までを洗ってから陰干しにします。
墨は水分を必ず拭き取っておきましょう。
水けが残っているとカビやひび割れの原因になります。
美しい文字を書くためにも一回一回感謝の気持ちを込めて片づけましょうね。
どうでしたか今回「波」を3種類書いて頂きましたけど。
楽しかったですね〜。
淡墨かすれしぶき。
同じ漢字「波」というものでも伝わってくるイメージが全く違いますね。
そうですね。
書体を変えるっていうんじゃなく墨によって…しぶきによっても…文字から受け取るイメージね。
いいしぶき出たなって。
(笑い声)自画自賛。
じゃあこのまま波に乗って。
おっ「波」だけに。
「波」だけに次も頑張りましょう。
そうですね。
勢いが出てきた気がします。
頑張るぞ!
(テーマ音楽)2015/07/21(火) 11:30〜11:55
NHKEテレ1大阪
趣味どきっ! 美しい文字で 心をつかめ! 第七回「“濃淡”で文字力アップ」[解][字]
「美しい文字」で心も届ける!タレントの優木まおみさんが京都の書家・川尾朋子さんに「文字を美しく書く秘けつ」を習う。今回は「墨の濃淡」で表現をつけるテクニック。
詳細情報
番組内容
冠婚葬祭だけでなくビジネスの場でも意外と出番が多い「手書きの文字」。読みやすく洗練された「美しい文字」を書ければ、印象がよくなり、気持ちもしっかり伝わるもの。タレントの優木まおみさんが、京都の書家・川尾朋子さんに「日々役立つ、文字を美しく書く秘けつ」を教えてもらう。今回は、「墨の濃淡」を使って文字に表現をつける、高等テクニックに挑戦。書の要「墨」がどのように作られるのかを、奈良の墨職人に教わる。
出演者
【講師】書家…川尾朋子,【生徒】優木まおみ,【出演】松田英治,【語り】田代杏子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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