(隆)何の力もない人間に誰かを守ることなんてできない。
でも路加のことは俺ができることは全部…。
(律)いまさら何言ってるんですか!?何で責任取れないようなことするんですか?
(律)どう聞いても身勝手にしか思えなくて。
路加のことを捨てたのは事実だから。
(志穂)あの子が隆の子なんですね?あなたが隆とやり直したいのなら…。
私は身を引きます。
子供の幸せが一番だから。
(律)どうして今ごろまた真也さんのところに来たんですか?
(隆)真也の母親のことが心配でな。
(律)えっ?
(真也)私に親はいないわ。
いたとしても死んだと思ってるの。
あなたは首突っ込まないで。
(花山)検査お疲れさん。
取りあえず結果が出るのは1週間後ぐらいだな。
(恭子)ありがとう。
これはいつものお礼ってわけじゃないけど。
(花山)えっ?
(花山)おっ!早川家のギョーザだな?
(恭子)冷めちゃってるから温め直して食べて。
(花山)いや。
今もらうよ。
いただきます。
(花山)うん!冷めててもうまい。
さすが恭子ちゃんのギョーザだ。
(恭子)大輔君。
いつも色々ありがとね。
(花山)おう。
実はね…。
律に話しちゃったの。
一柳さんのこと。
(花山)えっ?ホントは話すべきじゃなかったのかもしれない。
よかれと思って話したけどあの子には想像以上に重いものを持たせてしまったのかも。
(花山)でももう一緒に悩めるだろ?えっ?律だって隠さないでいられる。
俺は話さない方がいいと思ってたけど律と恭子ちゃんなら全部打ち明けといた方がいいのかもな。
2人を見てるとそう思うよ。
大輔君。
何があっても支えるんだろ?だったら母ちゃん頑張んないとな。
そうね。
ありがと。
うーん。
うまい。
(チャイム)
(チャイム)
(律)路加?
(律)路加?・
(苦しむ声)
(苦しむ声)
(律)路加!路加。
大丈夫?
(路加)お兄ちゃん…。
痛い。
痛いよ。
(律)おなか痛いの?すぐ救急車呼ぶから。
(律)すみません。
弟がおなか痛いって倒れていて。
はい。
6歳です。
蒲田の…。
サンモール蒲田の303号室です。
はい。
よろしくお願いします。
路加。
もう大丈夫だからね。
すぐ救急車来てくれるから。
(路加)痛いよ。
(真也)路加。
風邪からくる胃腸炎だそうです。
命に別条はないって。
(真也)そう。
・
(医師)あっ。
お母さんですか?
(真也)はい。
(医師)お兄さんからも話があったかもしれませんが息子さんは風邪をこじらせたことによる胃腸炎です。
大事には至りませんが小さいお子さんですので2〜3日は入院していただきます。
(真也)はい。
(医師)かなり痛かったはずですがご家庭で何か気付かれたことはありませんか?
(真也)あっ…。
実は昼間おなかが痛いって。
ただこの子おなかをよく壊す方なのでいつもの腹痛だと思って。
(医師)お母さんも大変だとは思いますがお子さんはなかなか痛みを自分の口では表現できません。
なるべく近くにいてあげて普段との違いを感じてあげてください。
はい。
(医師)では。
あのう。
路加のことありがとう。
でもあなたはもう帰っていいわよ。
心配しないで。
私ずっといるから。
分かりました。
・
(真也)ごめんね。
路加。
ごめんね。
(奏)えっ?入院?うん。
路加。
昼からおなか痛いのずっと我慢してたみたいなんだ。
だから発見が遅れちゃって。
僕がもう少し早く路加のところに行ってあげてたら…。
律。
幸い大事には至らなかったんだからあまり深刻に考えないで。
そうだね。
(調)まあ入院っつっても要するにただの風邪だろ?
(調)心配すんなって。
あした俺と奏も見舞い行ってやっから。
それより律兄ぃは俺のカレー食って心のパワー充填しろ。
えっ?忘れてんのかよ?今日の晩飯俺が作ったってこと。
ああ…。
ひっでえな。
結構俺頑張ったんだぜ。
ごめん。
(調)じゃあよそってきてやっから大盛りがっつり食えよな。
うん。
(奏)しー兄ぃのカレーこれが意外といけるんだよ。
へえー。
楽しみだな。
(調)おい。
お前。
一晩寝かしてやるんだからもっとうまくなってくれよ。
何カレーに話し掛けてんの?いいだろ。
自分で作ったら愛情が湧くんだよ。
そんなことより洗い物手伝ってよ。
自称イクメンの駄目なとこの一つは料理だけ作って満足しちゃうって何かに書いてあったよ。
(調)いや。
俺別にイクメンじゃねえもん。
(奏)そんなんだからしー兄ぃはモテないんだよ。
(調)はあ?俺だって意外とモテんだぜ。
(奏)じゃあことしのバレンタインチョコ幾つだった?
(調)それは…。
お前と母ちゃんからの2つ。
(奏)えっ?ごめん。
傷口に塩塗っちゃった。
その気遣いが逆に痛えよ。
(奏)もう。
早く手伝ってよ。
フフッ。
台所2人に占領されちゃったわね。
僕が守らなきゃって思ってたけどいつの間にか僕の方が頼りにするようになっちゃったね。
さみしい?ちょっとね。
母親みたい。
少しはお母さんの気持ち分かってくれた?うん。
ねえ。
どうしたの?真也さん。
大丈夫かなって思って。
路加の病気に気付けなかったこと責任感じてた。
一人で子育てするって本当に大変なんだね。
あなたもね昔救急病院に運ばれたことがあったのよ。
えっ?あなたはまだ小さくて覚えてないと思うけど3歳ぐらいのときだったかな?夜中に急に泣きだして。
どこが痛いとか分からないからお父さんも私も慌てふためいちゃって。
病院に行ったらただの風邪ですって。
初めての子育てだったから右も左も分からなくてね。
誰だって親になるのは初めてなんだもの。
真也さんは何も悪くない。
実は路加のことの他にも気になることがあって。
えっ?・
(調)律兄ぃ。
また何か抱え込んでんのか?私たちにもちゃんと話してよね。
(調)もう隠し事はなしだぜ。
うん。
分かった。
真也さんのお母さん。
僕や路加にとっておばあさんになる人だけど。
病気らしいんだ。
でも真也さんは会いたくないって。
えっ?路加。
(路加)ママ。
ここどこ?
(真也)病院よ。
(路加)病院?
(真也)路加風邪ひいちゃったの。
ママずっとそばにいてあげるから安心して眠って。
(路加)ホント?ずっと一緒にいてくれるの?
(真也)うん。
(路加)やったー。
(路加)あっ。
ごめんね。
ママ。
痛いの我慢できなくて。
えっ?僕もっと強くなるからね。
(真也)うん。
ほら。
ゆっくり休みなさい。
(路加)うん。
何で?どうして自分の子供がいるのに別の人に財産継がせるの?たぶんそういう人なんだ。
(奏)ひどい。
それで真也さんの様子は?もう関係ないって言ってたけど…。
たぶん本心じゃないと思う。
初めて路加の母ちゃんに同情するわ。
最終的には真也さんが決めることだけど僕に何ができるか考えてみるよ。
そうね。
(環)路加君が?
(みつ子)そうなの。
風邪で入院ですって。
今日パパがねスイカもらったからお裾分けにでもと思って連絡したらカナちゃんが教えてくれたのよ。
(環)ふーん。
(みつ子)ああ。
それでねカナちゃんたちお見舞いに行くっていうから私も行ってくるわ。
環も行く?今日缶詰工場のバイト休みなんでしょ?
(環)バイトはないけど…。
私はいいわ。
大勢で行ったって迷惑だろうし。
(みつ子)そう?でもホント心配ね路加君。
ママも仕事があるだろうし。
この先も何があるか分からないし。
路加君のママに変なこと言わないでよ。
ママが口出しすることじゃないんだからね。
(みつ子)分かってるわよ。
ママだってそれぐらいのTPOはわきまえてるんですから。
それにあんなこと聞いたら変なことなんて言えないわ。
あんなこと?
(調)じゃあ俺たちは学校終わった後路加んとこ顔出してくるから。
分かった。
僕はバイトもあるから今日は行けないって伝えておいて。
分かった。
いってきます。
うん。
いってらっしゃい。
(奏・調)いってきます。
(奏)路加ママ大丈夫かな?
(調)ああ。
そのことは夜相談だな。
俺たちも意外と考えてるってとこ見してやらないと。
カナちゃん。
ラジャーです。
(調)おう。
律。
ホントに任せて大丈夫?うん。
授業2限からだし時間もあるから。
ありがとう。
お母さん。
何?路加の入院のことあの人に伝えるべきかな?あの人って一柳さんのこと?うん。
一応父親だし。
そこは真也さんに任せていいと思う。
あくまでも路加君を育ててるのは真也さんだから。
分かった。
じゃあいってくるわね。
いってらっしゃい。
環。
もしもし?
(環)素直に来たわね。
偉いじゃない。
あれ?叔母さんは?路加君のお見舞いに行くからって早速近所の洋菓子屋さんにお見舞いの品を買いに行ったわ。
叔母さんも行ってくれるんだ。
ママ路加君のこと大好きだからね。
でその間に私はまたあんたが余計なことしないように注意しとこうと思って。
ママからだいたい聞いたわ。
路加君のママ。
結構大変な人生送ってきたみたいね。
また何とかできるって思ってんじゃないでしょうね?会いに行ったら駄目かな?僕と路加のおばあさんに。
それで?あの人の傷をさらにえぐることになるかもしれないのよ?今回のことばっかりはあんたに出番はないの。
おとなしくしてなさい。
分かった。
分かったって言う割にそんな顔してないじゃない。
まだ何かあんの?私でよけりゃ聞くわよ。
新しいバイト先が実の父親のところだった?うん。
あんた何かに呪われてんじゃない?正直訳が分からなくて。
起きたことだけで考えれば最低なことしてるのにそれでも真也さんとまだ関わってる。
真也さんもそんな人のことをまだ…。
律。
あんた恋したことある?えっ?男と女ってねそんな簡単に割り切れないの。
憎みながら愛せるし同時に何人も愛することだって人によってはできる。
みんな被害者でみんな加害者。
あんた厄介なことに巻き込まれてるわね。
みんなが被害者でみんなが加害者
だとしたら誰のことも責められないということだろうか?
でも…
(路加)《痛いよ》
路加は明らかに被害者だ
(隆)どうかしたのか?何か聞きたいことでも?志穂は今日も出掛けてるから何でも…。
いや。
何でもないです。
(真也)先生がこれなら食べていいって。
すりりんご。
これ食べると元気になるわよ。
(路加)ホント?
(真也)うん。
はい。
おいしい?
(路加)うん。
・
(ノック)
(真也)はい。
(調)よっ!
(路加)あっ。
調お兄ちゃんにカナお姉ちゃん。
(調)元気そうだな路加。
(奏)心配したよ。
(路加)もう大丈夫だよ。
こっち来て。
(調)うん。
すいません。
これ。
路加の大好きな折り紙持ってきたぜ。
(路加)ホント?
(調)うん。
(路加)ありがと。
(調)全部使っていいからな。
(路加)うん。
(みつ子)ごめんなさいね。
連絡もしないで押し掛けちゃって。
あっ。
これプリンです。
(真也)あっ。
わざわざありがとうございます。
あのう。
路加の着替えを取ってきたいんです。
戻ってくるまでいてもらってもいいですか?えっ…。
ええ。
もちろん。
(真也)お願いします。
(みつ子)あーっ。
路加君!
(隆)ありがとう。
今日も助かったよ。
じゃあ僕はこれで。
あのう…。
路加のことなんですけど。
(隆)路加がどうしたんだ?あのう…。
・
(志穂)ただいま。
・
(ドアの開く音)
(志穂)あら。
早川君。
今帰り?はい。
(志穂)よかった。
間に合って。
これよかったら。
この前のレシピのお礼。
ご家族で食べて。
すみません。
ありがとうございます。
じゃあ僕はこれで。
(志穂)早川君と何かあった?
(隆)えっ?
(志穂)いつもより硬い表情だったから。
いや。
何にも。
きっと疲れてたんだろう。
そう。
ならいいけど。
ただいま。
・
(調)律兄ぃ。
遅えよ。
もうすぐ飯だぜ。
ああ。
ごめん。
(奏)何それ?バイト先でもらったんだ。
(奏)すごい!リバティーのマカロンだ。
結構高いんだよここのマカロン。
そうなの?
(奏)やっぱ建築家の人はお金持ってるんだね。
(調)カナ。
そんな話後でいいだろ?
(奏)あっ。
そうだった。
律兄ぃに相談があるの。
えっ?
(調)路加。
あしたの朝には退院らしいんだ。
それで律兄ぃもうすぐ誕生日だろ?だから路加と路加のママうちに呼んで誕生日パーティーしようぜ。
そんでもって今度は逆にさ夏休みの間の平日に路加のことうちで預かるのってどうかな?そうすれば路加のママ仕事頑張れるし路加のこと心配しなくて済むでしょ?えっ?2人で考えたんだって。
お母さんもいいアイデアだと思う。
2人ともありがとう。
あした聞いてみるよ。
おう。
(奏)うん。
よし。
じゃあすぐ夕飯にするわね。
(調)あっ。
俺手伝う。
(奏)えっ!?しー兄ぃが手伝うなんて。
(調)早く食いてえんだよ。
空腹がもう限界に近い。
(奏)私も手伝う。
調や奏の気持ちがうれしくて…
このとき僕は何とかなると思ったんだ
路加のことも真也さんのことも僕たちだけで何とかできるって
でも…
(路加)《ごめんねママ。
痛いの我慢できなくて》《えっ?》《僕もっと強くなるからね》・
(戸の開く音)
(真也)ただの風邪よ。
あしたには退院できるわ。
(隆)そうか。
ねえ。
お願いがあるんだけど。
路加のことあなたが引き取って。
2015/07/21(火) 13:25〜13:55
関西テレビ1
明日もきっと、おいしいご飯 〜銀のスプーン〜 #37[字][デ]
律(高杉真宙)は隆(和田聰宏)から、真也(河井青葉)との出会いと別れ、そして律と路加(山口祐輝)の誕生について全てを聞かされる。律に怒りと悲しみが押し寄せて…。
詳細情報
番組内容
律(高杉真宙)が真也(河井青葉)のマンションを訪ねると、路加(山口祐輝)が一人でお腹を抱え、うずくまっていた。すぐに病院に運ぶと、そのまま入院に。駆け付けた真也は路加の異変に気付かなかった自分を責める。それは律も同じで…。
その夜、律は恭子(富田靖子)と調(前田旺志郎)、そして奏(田附未衣愛)に、真也と母親の複雑な関係について話す。真也が虐待されていたこと、母親が病気であること…。
番組内容2
初めて真也に同情した調は、真也たちのために自分が出来ることを思いつく。
「みんな被害者で、みんな加害者よ」律は、自分や周りで起きていることについて、環(岩田さゆり)からそう指摘される。そうだとしたら誰のことも責められないと言うことなのか。でも、路加だけは明らかに被害者だ…、そう思う律だったが…。
出演者
早川 律:高杉真宙
早川恭子:富田靖子
花山大輔:山田純大
雨宮真也:河井青葉
鈴井 環:岩田さゆり
茂木和彦:木本武宏
・
早川 調:前田旺志郎
早川 奏:田附未衣愛
雨宮路加:山口祐輝
・
一柳 隆:和田聰宏
鈴井みつ子:芳本美代子
小川絹江:藤田弓子 ほか
スタッフ
【原作】
『銀のスプーン』小沢真理(講談社「Kiss」連載中)
【脚本】
藤本明里
【演出】
木村政和
【プロデュース】
松本圭右(東海テレビ)
西 麻美(松竹)
原 克子(松竹)
竹内絵唱(松竹)
【音楽】
市川 淳
【主題歌】
高橋 優「おかえり」(ワーナーミュージック・ジャパン)
【制作著作】
松竹株式会社
【制作】
東海テレビ
ご案内
【公式サイトURL】
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【公式ツイッターアカウント】
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ドラマ – 国内ドラマ
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