NHK高校講座 生物基礎「タンパク質とその配分」 2015.07.21


いなくなってしまった。
(ヤマネ)ヒヒヒ…。
(チェシャ猫)うわ!ヤマネだ逃げろ〜!生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」へようこそ。
細胞の中でつくられるタンパク質。
このタンパク質はどのようにして自分がはたらく場所へ運ばれるのだろうか。
今日はタンパク質の運ばれ方に着目しますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルドの丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
最近床屋をやめて美容院デビューしたそうです。
おぉ。
よろしくね〜。
よろしくね〜。
はい今日のテーマは…タンパク質の分配?ん?どういう事?まっ分からんでもしかたないかのう。
細胞の中でつくられたタンパク質にはそれぞれ自分がはたらくべき場所がある。
そこにタンパク質を運ぶという事じゃ。
う〜ん…細胞の中のタンパク質のはたらくべき場所?ん?いやいや…その中にどこにタンパク質があるからってそんなに変わらないんじゃないですか?あ〜…相変わらず分かっとらんなぁ。
大きいとか小さいとかいうのは何かと比較していう事じゃ。
そうなんです。
例えば動物の細胞の大きさはその中にあるタンパク質の大きさに比べると数百倍〜千倍もあるんです。
えっ数百倍〜千倍!?はい。
タンパク質をサッカーボールに例えると細胞は大体サッカー場ほどの大きさになります。
(丸)なるほど。
そんなに大きさが違うんだったらどこにいても同じって訳にはなりませんよね?そうなんです。
例えばこんな場合です。
これは小腸の壁の細胞を簡単に描いたものだ。
図の上の方小腸の内部にはグルコースなどの栄養分が流れている。
下の方には血管がある。
この細胞の小腸の方の細胞膜にはAというタンパク質がありこれはグルコースを細胞の中に取り込むはたらきをしている。
また血管に接する細胞膜にはBというタンパク質がありこれはグルコースを細胞の外に出すはたらきをしている。
この2つのタンパク質のはたらきにより小腸の中のグルコースを血液に吸収し体全体に届ける事ができるのだ。
という事なんですがもしこのタンパク質AとBの位置が入れ替わったらどうなると思いますか?
(丸)あれっ何かこれまずいんじゃないですか?そうですよね。
こうなってしまうと血液の中にあるグルコースが腸に戻ってしまいます。
これは困りますよね。
(マルタ)困りますね。
そしたらやっぱり…そういう事じゃ。
では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン!
(丸)「タンパク質はどこでつくられどのように運ばれる?」。
はい…今日はそのタンパク質の分配について学んでいきます。
では復習から始めよう。
そもそも…そりゃあもう覚えてますよ。
だってミドリ君のおなかに貼ってあるんだもん。
(マルタ)DNAの塩基配列がmRNAに転写され…。
(丸)そのmRNAの塩基配列が翻訳されてタンパク質がつくられる。
でしたよね?でしたよね?うんよろしい。
では…あ〜それは…細胞の中のどこじゃ?えっ…。
う〜ん…DNAがあるのは細胞の核の中だから…。
(丸)じゃあ転写も翻訳も…ですよね?ですよね?
(不正解のブザー)それが違うんじゃ。
あら!?DNAからmRNAへの転写は確かに核の中で行われます。
でも転写されたmRNAはこうやって核の外に出ていくんです。
そしてタンパク質への翻訳は細胞質基質にあるリボソームで行われるんです。
よっ!待ってました…いや〜リボソームは大統領というよりは…あら…。
がってんだ!タンパク質一丁あがり!リボソームはこの図のように2つの部分からできている。
mRNAはこの2つの部分の間に挟まれるように移動して塩基配列が次々と読み取られる。
そしてその情報に従ってアミノ酸がつなぎ合わされタンパク質がつくられていく。
なるほど…職人さんなんだ。
誰かさんみたいに台本を読み間違ったりしないんだね。
おっ誰の事かな?もしかしてミドリ君の事かな?丸君だよ!はい。
でもこのように…えっ一部のタンパク質だけ?はいこちらを見て下さい。
この3種類の丸はタンパク質を表しています。
こちらは細胞質基質ではたらくタンパク質。
そしてこれは細胞の膜の上ではたらくタンパク質。
これは細胞の外ではたらくタンパク質です。
タンパク質は大きく分けてこの3つの場所ではたらくんです。
(マルタ)へぇ〜細胞の中膜の上細胞の外ですね。
はいそうです。
タンパク質のはたらく場所がいろいろあるという事は今日のテーマタンパク質の分配に大きく関係しているんです。
ん?どういう事?ん?この細胞質基質ではたらくタンパク質は細胞質基質のリボソームでつくられます。
ではこの膜の上や細胞の外ではたらくタンパク質は…
(マルタ)なるほど。
でどこでつくるんですか?はい。
それは…えっ!放水準備よし!ジョバ〜。
違う!はい。
ではまずここでタンパク質がどこでつくられどのように運ばれるのか全体を見ておきましょう。
これはタンパク質の分配に関係のある細胞小器官……を簡単に描いた図です。
(丸)なるほど。
まずさっきも言いましたが細胞質基質ではたらくタンパク質は細胞質基質でつくられます。
では細胞膜の上や細胞の外ではたらくタンパク質これらをつくる時にはリボソームはmRNAと結合したまま小胞体へ行きます。
そしてこの小胞体でタンパク質をつくるんです。
はいそうなんです。
そして小胞体でつくられたこれらのタンパク質は一旦こちらのゴルジ体という所に運ばれます。
そしてこのゴルジ体から細胞膜の上とか細胞の外とかそれぞれ自分がはたらく場所に運ばれるんです。
これがタンパク質の分配の大きな流れです。
あぁという事はさっきリボソームを職人さんに例えたじゃない。
だから小胞体は職人さんがタンパク質をつくる工場。
という事はゴルジ体はできたタンパク質を配送する配送センターみたいなものだよね。
おぉ〜。
まあそんなところですね。
細胞小器官の一つである小胞体。
小胞体の膜は細胞膜と同じような物質でできている。
この小胞体の表面にmRNAを持ったリボソームが結合してタンパク質をつくる。
こうしてできたタンパク質は小胞と呼ばれる小さな膜によってゴルジ体に運ばれる。
いよいよゴルジ体までやって来ました。
ゴルジ体はタンパク質の配送センターですよね。
はいそうです。
これはゴルジ体の電子顕微鏡写真です。
小胞体と同じく細胞膜のような物質でできています。
(マルタ)面白い形ですね。
そうですよね。
これを模式図にするとこのように薄い袋が何層かに重なった感じになります。
(丸)お〜これが配送センター。
はい。
そしてこのゴルジ体に…
(丸)へぇ〜やって来たタンパク質がゴルジ体に入っちゃうんだ。
そうなんです。
このようにしていくつかのタンパク質がゴルジ体に集められます。
(マルタ)そのタンパク質がゴルジ体で行き先別に分けられるんですね。
はいそうです。
このタンパク質は次々と袋を移動するにつれてこのように…
(丸マルタ)へぇ〜。
そしてゴルジ体から…
(マルタ)へぇ〜同じ行き先のものがまとめられるなんて本当に…なま物だから…うまい!丸と…。
マルタの…イェ〜イ!分配〜。
ビヨ〜ン!イェ〜イ!ではこちらにあるのが細胞の模式図です。
(丸)核リボソーム小胞体ゴルジ体がありますね。
はいそうですね。
ではこの細胞を街に例えるとそれぞれは何になるでしょうか?これはねさっきやったから分かりますよ。
お〜じゃあお願いしま〜す。
(マルタ)やってみましょう。
まずリボソームは職人さんですね。
(丸)で小胞体は工場ですね。
(マルタ)となるとゴルジ体は配送センターです。
(丸)核は大切な設計図が保管されてる所だから図書館ですね。
ここで…はいそうですね。
ではこのあとはどうなりますか?
(丸)はい。
まずmRNAが核である図書館から出てきてリボソームの職人さんが受け取ります。
(マルタ)細胞の中ではたらくタンパク質はリボソームがその場でタンパク質をつくります。
ではほかの所ではたらくタンパク質はどこでつくられましたか?
(丸)…をつくる時は。
職人さんが小胞体の工場に行ってそこでタンパク質をつくります。
これで3種類のタンパク質ができましたね。
(丸)はい。
次に小胞体でできたタンパク質はゴルジ体の配送センターに運ばれます。
(マルタ)そして配送センターで行き先ごとに仕分けされます。
そして細胞の外ではたらくタンパク質は細胞の外に運ばれ膜の上ではたらくタンパク質は細胞膜の上に運ばれます。
(丸)はい。
これで…それぞれのタンパク質が自分のはたらくべき場所に運ばれました。
はい。
タンパク質の分配よくできました。
でも亜矢子さん。
どうしてこんなにうまくいくんですか?そうそう…う〜ん。
ではそれは先生に聞いてみましょうか。
先生こんにちは。
(奥脇)はい八田さんこんにちは。
どうぞ。
どうもありがとうございます。
今日はタンパク質の分配というテーマでリボソーム小胞体ゴルジ体について学習してきましたが何か分からない事がありましたか?はい…それはまさに宅配便と同じなんです。
細胞内を運ばれている…えっあて先が書き込まれてるってどこにですか?それではこちらを見て下さい。
タンパク質というのはアミノ酸がこのようにつながってできた分子でしたね。
で20種類のアミノ酸がどのようにつながるかでタンパク質のはたらきが決まっていました。
実は…このようにアミノ酸が特定の並び方をしているとこちらがあて先として認識されてタンパク質が決められた場所へと運ばれていきます。
なるほど…そうなんです。
タンパク質では…という事は先生アミノ酸の並び方はmRNAが決めてますよね。
でそのmRNAはDNAの情報によってつくられた。
という事はつまり結局DNAが…。
そのとおりです八田さん。
タンパク質のアミノ酸の並び方はDNAの塩基配列で決まります。
という事は…うん遺伝子にはあて先まで書かれてるんですね。
そうなんです。
そしてもしこのあて先の部分の並び方が間違っていると正しいあて先に届かなくなってしまいます。
そうするとタンパク質が正しくはたらかずに病気になってしまう事も分かってきてるんです。
タンパク質をきちんと決まった場所に届ける事はそれだけ重要だっていう事なんですね。
そのとおりなんです。
いや〜タンパク質の分配ってうまくできてるもんだね。
うん。
でも結局はDNAが鍵を握っている。
お〜偉大なるDNA様!…様…様!ねえねえ。
DNAそんなに大きくないよ。
あっそうか。
では亜矢子さん。
今日の「実になる一言」お願いします。
はい分かりました。
今日の「実になる一言」はこちら…
(丸マルタ)「適切なタンパク質を適切な場所へ」。
生き物の体の中では多くの種類のタンパク質がつくられています。
それらのタンパク質が自分のはたらくべき場所へ正しく運ばれなくてはなりません。
自分のはたらくべき場所か〜。
俺職人さんのリボソームにほれた。
ん?弟子入りしてくる。
マジで?どうやったらなれるかな?え…まずは小さくなる事かな。
キュッ!いや全然なってないよ。
キュッ!キュッ!いやいやなってないなってない。
キュッキュッ!もっとさこうキュッ!キュッキュッ!キュッキュッ!キュッキュッ!2015/07/21(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「タンパク質とその配分」[字]

生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。

詳細情報
番組内容
細胞内でタンパク質をつくっているのがリボソームだ。リボソームでつくられたタンパク質は、細胞内の決められた場所や細胞膜の上、あるいは細胞の外へと運ばれることで正しく機能することができる。決められた場所へタンパク質を運ぶうえで、小胞体とゴルジ体という細胞小器官が重要な役割を果たしている。【出演】八田亜矢子、東京アヴァンギャルド【講師】奧脇 亮
出演者
【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【解説】開成学園中学高等学校教諭…奥脇亮,【語り】増谷康紀

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:16575(0x40BF)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: