HERO #10【久利生の活躍をおさらいして映画を見に行こう!】 2015.07.21


電圧が高いところと低いところになると体の中を通過していきますので
(久利生)古田晋一さん。
あなたは「平成13年2月13日午後11時50分ごろ以前ニュース番組で粗大ゴミの不法投棄を非難されたキャスター榎本由起さんに恨みを持ち帰宅途中の榎本さんに襲いかかり全治1週間のケガを負わせたものである」これ間違いありませんか?どうなの?
(舞子)どうなんですか?じゃあ何か弁解することはありますか?ないんですね?じゃあ後は裁判になると思うけどいいよね?お願いします。
(係官)はい。
(古田)そんなことしてない。
あっ?いや。
ちょっと待ってもらえます?すいません。
今何つった?
(古田)だから…。
俺暴行なんかしてないって!
被疑者が取り調べの途中で証言を変えることはそう珍しくはない。
そのときはまだこの事件がいつもと変わりないものだと誰もが思っていた
(久利生)13日の夜にこの辺りで女の人の悲鳴とか聞きませんでしたか?
(男)はあ?だからキャスターの榎本由起さんが襲われちゃった事件ってあれご存じです?
(男)ああ。
ニュースに出てる!そうそうそうそう!ああ。
あの人はべっぴんさんじゃねえ。
いえいえ。
アッハッハ…。
そうじゃなくて!もういいんじゃないですか?20日間やって何の進展もないんですよ。
はっ?どうもすいませんでした。
あっ?ああいえ。
まだこう留期限11時間残ってんだろ?お前。
これ写ってんの?
(舞子)あの榎本さんは警察で容疑者の古田を見たときにすぐに「この男です」って証言されてますよね?どうしてそう言い切れたんですか?
(由起)ですからわたしは彼を一度取材してますから。
でも襲われたとき犯人は目出し帽をかぶっていて顔はハッキリ分からなかったんですよね?
(由起)言っときますけどわたしも報道に携わる人間です。
よほどの確信がないかぎりそんな証言はしません。
顔がよく見えなかったのによくそんな確信が持てますね?服装もねえ。
黒いジャンパーにジーパンでしょ?そういう人って結構いません?俺も結構こんな感じで…。
いいですか?はい?彼にはわたしを襲う動機があったんです。
もう一度取材テープご覧になったほうがいいんじゃないですか?いやでも動機だけで確信持っちゃうってのはどうですかね。

(スタッフ)おはようございます!
(由起)あっ。
おはようございます。
(星野)おはようございまーす!
(末次)そりゃまずいですよね。
(芝山)だろ?カッコつかないよな。
(遠藤)これ。
(美鈴)何やってんの?
(江上)芝さん。
検察官のバッジ無くしちゃったんだって。
そりゃまずいでしょ。
どっかで外して置き忘れたんじゃないですか?案外人に言えない場所だったりして。
ゆうべはまっすぐ家に帰ったんだよ。
(遠藤)ホントはバッジで女の乳首をツンツン…。
(美鈴)キャー!気持ち悪い部長。
(牛丸)ったくもう!あのバッジはな厳正な検察官の職務と理想像をだなあ。
部長。
(牛丸)えっ?始まってますよ。
(牛丸)ん?んっとにもう大事なものを。
相変わらずいいな。
榎本由起ってのは。
末次さんの別れた奥さんに似てるんでしょ?アハハ…。
こんな美人だったのかい?まああの若かったころの話ですけどね。
言ったもん勝ちだ。
エヘヘ…。
(星野)「死に体内閣と言われてもしかたないですね」
(由起)「死に体と言うよりももうすでに死んでいると言ったほうがいいんじゃないでしょうか」
(星野)「ああ。
厳しいな…」
(由起)「では次のニュースです」
(江上)もういちいちコメントがしんらつなんだよこいつ。
その点誰かと似てるな。
(テレビを消す音)
(遠藤)ちょっと。
ほらほら。
さぼってないで早く捜すんだよ!
(末次)えっまだ?
(芝山)頼むよ。
(遠藤)はいはい。
ねえそういえばさ。
久利生君の事件ってまだ起訴してなかったんだっけ?これで不起訴になったら大変だよ。
そうだよ。
今日でこう留期限終わりだろ?久利生は?つけてよ。
ただいまー。
おうおうおう。
久利生。
どうした。
結論出たか?いやまだ6時間残ってますから。
(江上)ちょっとつけてよ。
俺見てんだから。
(美鈴)嫌です。
また12時かよ!おい。
(久利生)お願いします。
ええっ!?証拠不十分で不起訴。

(オープニングテーマ)
(由起)「すいません。
ニュース・ファイブです。
このテレビどうされるつもりですか?ここに捨てようと思ったんですか?不法投棄というのをご存じですよね?あっちょっと待ってください。
不法投棄というのをご存じですよね?あっちょっと待ってください。
あっここに捨てようと思ったこと認めるんですね!?これで5人目です。
おそらく今の若者もわたしがここで見ていなければあのままテレビをここに捨てて帰ったのではないでしょうか?人が見ていなければ何をやってもいい。
そんな社会の風潮がこんなところにも反映されているのです。
不法投棄をなくして…」
(鉄格子を開ける音)
(石本)おい。
出ろよ。
(石本)早く出ろって!
(矢口)不起訴だそうだ。
じゃもう帰っていいんですね?
(矢口)これで終わったと思うなよ。

(美鈴)おはよう。
おはようございます。
ゆうべの結論どうなった?あのまま不起訴の決裁出しました。
風当たりは確実に強くなるな。
ビューッ!警察も相当力入ってたからな。
何せ異例のスピード逮捕でしたからね。
(美鈴)あれだけマスコミが騒げば警察も燃えるでしょ。
(芝山)それで不起訴にされちゃ警察もたまんないよな。
(遠藤)出ましたね。
流れってのを考えない男久利生公平!ちょっと待ってくださいよ。
証拠がそろわないんだから当然のことでしょ?また…久利生検事の味方ですか。
敵とか味方とかいう問題じゃないでしょ?おい!久利生いるか?久利生呼べ!検事室ですけど。
おい久利生。
例のキャスター暴行事件な。
古田を不起訴処分にしたのが不服だって榎本由起本人が検察審査会に審査を申し立てたんだよ。
あっ…。
「検察審査会」?検察の判断が正しいかどうか第三者の機関が審査するんだよ。
前にもあったろ?やっちゃったって感じですね。
全治1週間の傷害で審査会…。
お堅いキャスターのやりそうなことだわ。
検事も呼ばれちゃったりするんでしょ?久利生検事初の不名誉記録だな。
ま…だからお前があれだけ時間かけて出した結論だからね。
そんなに気にしないで。
だからフッておい。
あの…。
おおっ!何だよおい。
えっ。
何ですか?お前それ…。
これね集中するときいいっすよ。
してみてください。
くれんの?見本ですから。
そのメガネ変ですよ。
(矢口)検察審査会に提訴していただけるとは思いもよりませんでした。
これで上の者も少しはメンツが立ちます。
(由起)別に警察のために提訴したわけじゃありません。
わたしは今回の検察の判断がどうしても納得いかなかったんです。
我々も同じ思いです。
とにかくこの事件は今後ともわたしのほうで追い続けます。
では打ち合わせがありますから。
あっあの…それはウチのほうで。
税金はもっと有意義に使ったほうがいいと思いますよ。

(坂本)久利生検事はまだでしょうか?あの…こちらが久利生検事です。
どうも。
(坂本)失礼しました。
しかしこういう場にふさわしい服装というものがあるんじゃないでしょうか。
いや…。
フフン。
いつもあのこんな感じなんで変えるのもどうかなと思いまして。
(坂本)まあいいでしょう。
では今回の件に関して不起訴にした理由を皆さんに分かりやすく説明してください。
はい。
えー本件はですね警察の取り調べでは罪を認めていた被疑者が検察では証言を一転させ無罪を主張したことに始まります。
えー事件は今年の2月の13日…。
もう絶対服装のこと言われるって言ったでしょ!いつもと違うことやるほうがおかしいじゃねえかよ。
いつもと違う場所なんだからしかたないじゃないですか。
(由起)お疲れさまです。
ニュース・ファイブです。
審査会の様子いかがでしたか?なっあ…?証拠不十分という検察の判断を審査員の方たちはどのように受け止めていらっしゃいましたか?突撃リポートみたいですね。
わたし今あのまじめにうかがってるんですが。
いやだからそういうことはちゃんと結論が出てからにしましょうよ。
今日は事件の説明しただけですから。
すいません。
何やってんだよ。
すいません。
(由起)よいしょ。
(由起)これは明らかに番組への挑戦です。
言論弾圧です!
(記者)不起訴になった男性が犯人だと思われるんですね?
(記者)検察の不起訴という判断が間違っていたことになりますよね。
わたしは今回の検察の判断がどうしても納得できませんでした。
担当する検事と接するようになってその思いはますます強くなっていったんです。
(記者)「じゃあその検事に対して何かおっしゃりたいことは?」
(由起)「遊びにいくような格好で友達に話すような言葉遣いでまるで自分は若者の味方とでも言いたげにヒーローを気取っている。
わたしは検事というものに失望いたし…」アハハッ。
言いたいこと言ってる。

(由起)そんなに憎いの?・
(警官)何やってんだ!?こらっ!
(警官)だだ…大丈夫ですか?
(由起)追いかけて!
(警官)あっはい。
(由起)犯人捕まえて!あっ。
あれ?久利生来てるか?おい久利生!はい?
(牛丸)おい。
大変なことになったぞ。
キャスターの榎本由起がまた襲われたよ。
はあ?
(牛丸)警察はすぐ古田のところに踏み込んだらしいが古田は姿くらまして行方が分からんそうだ。
不起訴にした被疑者がさらに犯罪重ねちゃったら…。
最悪なパターンね。
検察審査会に訴えたの恨んじゃったんじゃないのか?いや。
ちょ…ちょっと待ってよ。
まだ古田がやったって決まったわけじゃないじゃないですか。
(末次)じゃ何で行方くらましたんだろ?
(石本)矢口さん。
指紋鑑定の結果が。
(矢口)それで?
(石本)便せんには榎本さん以外の指紋がもう1つあったんですが。
それが…古田の指紋じゃないんです。
本庁のリストを照合しても見当たりません。
まさかあの犯人は古田じゃないんじゃ。
石本。
(石本)すいません。
(由起)お聞きしたいことがあります。
古田の左手に大きな傷あとってありました?いえ。
そんなものは…。
ありませんよ。
わたしを襲ってきた男にはあったんです。
犯人は古田晋一じゃないかもしれない。
暗かったんで何かと見間違えたんじゃないですか?わたしこのことを公表します。
待ちなさいよ。
勝手なことされたら困るんだよ。
あんたは電波を通して何千万の人に「犯人は古田だ」「検察のミスだ」って騒ぎ立てたんだよ。
でも…。
あんたは何にも見なかった。
後は我々に任して。
いいですね?・
(舞子)おはようございます。
(井戸)あっ。
おはようございます。
おはようございます。
また大きな事件でもあったんですか?
(美鈴)知らないんだ。
はい?いいかげんなこと書きますよね?事実なんだよ。
えっ?高校のときにね傷害でパクられてるんだって。
本人も認めてる。
(末次)誰がこんな情報流したんですかね?警察のリークに決まってんでしょ。
不起訴にした報復だな。
でも逮捕されたら検事になんか…。
なれるんだよ。
久利生は不起訴になってんだから。
今部長に呼ばれてる。
どうしてダメなんですか?そういうことなんだ。
しかたないだろ。
いやでも…。
部長!逮捕歴が何だっていうんですか?久利生さんは誰よりもちゃんと仕事してるじゃないですか!?お前何言ってんの?へっ?だって新聞に…。
違うよ。
審査会から議決書ってのが来てあの事件を不起訴にしたのが不当なんだって。
もう1回捜査やり直せって。
あーあ。
やっぱ俺がやっちゃダメなんですかね。
再捜査は通常担当検事を代えてやるもんだからな。
途中で投げ出してるみたいなんだもんだって。
しばらくはおとなしくしてろ。
後は江上に任せるから。
あ痛っ。
大丈夫ですか?もうお前さあ。
少しは自分のこと心配しろよ。
はい。
古田君はどこに行っちゃってんのよ。
チッ。
・はい。
もしもし?古田さん!?もしもし?お前今どこにいんの?
(古田)検事さん。
俺ホントに何もやってないんだよ。
・ああ。
だからお前は今どこにいんのって?俺どうしたらいいか分かんないよ。
と…とりあえずさ。
お前出てこいよ。
なっ?で…お前が「ホントに何もやってない」って言うんだったら俺が証明してやっから。

(古田)2回目の事件の日だって俺おふくろの墓参り行ってたんだから。
それってどこにあんの?・
(古田)なのに東京帰ったらウチに刑事が来てるし新聞やテレビじゃ俺のことばっか言ってるし。
いやいや。
だからお前のおふくろさんの墓ってどこにあんだよ?函館。
・ホントだな?
(古田)飛行機のチケットの半券だって持ってる。
検事さんなら信じてくれるよね?・
(パトカーのサイレン)・もしもし?もしもし?
(電話の切れる音)もしもし?古田!チッ。
久利生さん!ちょっと今表はすごいことになってるわよ!
(記者)ああ来た。
検事?検事でしょ?
(記者)久利生検事ですね?
(久利生)ごめんなさい。
過去に逮捕歴があるというのは事実ですか?
(記者)被疑者を不起訴にしたことが間違いだったとは思ってないんですか?
(記者)逮捕歴があると犯人に甘くなるんじゃないですか?えっ?
(記者)いっいや。
犯人に甘くなるんじゃ…。
何ですか?
(記者)いや。
あの甘くなるんじゃ…。
ハァ〜。
(記者たち)おい。
ちょっと。
待て!久利生さん!
(大岡)「最初の暴行犯と同一人物と考えるのが妥当でしょうねえ」
(五十嵐)「担当検事の判断には疑問を感じますね。
わたしは起訴にして裁判所に判断をゆだねるべきだと思います」久利生公平大バッシングなんだと。
あいつも今度ばかりはヤバイな。
バッジ無くしたほうがましよね。
外さなきゃいけなくなるより。
いかにも。
うまい。
ねっ。
なっ。
江上さん。
あれ?何だよ。
えっ?俺たちじゃ信用できないのか?いや。
そういうつもりじゃないですよ。
(末次)久利生さん。
ちょっとおとなしくしといたほうがいいですよ。
何で?今ほらどういう状況かって…。
いいよ末次さん。
こいつは自分の目で確かめないと気がすまないんだよ。
行こう。
江上さん。
このことは…。
心配すんなよ。
遠藤みたいにベラベラしゃべんないから。
ご苦労さまです。
何か目ぼしい物は見つかりましたか?ああ。
あなたですね?話題の久利生さんってのは。
古田君どこ行ったんですかね?知ってりゃとっくに留置場にぶち込んでるよ。
それって二度目の事件も古田君がやったってことですか?
(石本)ほかに誰がいるんだ?それを捜すのが誰かさんの仕事じゃないですかね?
(石本)あんたね検事だからってね。
(矢口)石本!気をつけなきゃダメだよ。
そこの検事さん昔は相当な武闘派だったらしいからな。
それはどういう意味ですか?雨宮。
いいから。
はい。
矢口。
何!?現場どこだ?うん。
分かった。
古田が自殺したよ。
えっ?ビルから飛び降りて即死だそうだ。

(救急車のサイレン)
(矢口)たかが傷害事件で死ぬことはねえのに。
そういう言い方はひどいんじゃないですか?すいません。
古田の所持品見してもらってもいいっすか?いいっすよ。
石本!はい。
これだけですか?そうですが。
どうかしました?すいませんでした。
(リポーター)これで検察の責任を追及する声がさらに高まるのではないでしょうか。
(リポーター)「以上現場よりさとみがお伝えしました」
(星野)「はい。
事件は意外な結末を迎えてしまいましたねえ。
榎本さん?」
(由起)「ええ…」
(由起)「心よりごめい福をお祈りしたいと思います」ではよろしくお願いいたします。
あっ。
上はかなり熱くなってきてますよ。
ああ申し訳ありません。
次席にまで大変なご迷惑を。
いや。
でもね久利生君が悪いことしたわけじゃありませんからね。
あのう。
次席はその…。
ご存じだったんですか?
(鍋島)はい?え…ですから久利生が以前傷害事件を。
わたしの同期に沼田という検事がいましてね。
あるとき17歳の少年を取り調べたことがありました。
目撃者の証言から明らかにその少年は友人をかばって相手を傷つけた。
しかも正当防衛の可能性もあった。
なのに彼は頑としてそのことを話さなかったそうです。
彼はこう留期限の20日間ずっと黙秘して起訴されることも覚悟してたんでしょう。
しかし沼田は彼を不起訴にした。
もちろんきちんと証拠をそろえてね。
その少年が?沼田という男は厳しい中にもどこか温かさのある男でした。

(舞子)あのもしね。
もし久利生さんが自分のせいだとか思ってんならそれ違いますよ。
取り調べのときさ。
あいつすんげえ震えてたよな。
えっ?よっぽどしつこく取り調べ受けたんだろうな。
ふーん。
あの暗い部屋に泊められるだけで結構きちゃうんだよね。
んで取り調べでしょ?やってもないことやったっつって楽になっちゃいたい気分になっちゃうのよ。
久利生さん。
フッ。
まあ「経験者は語る」ってやつですけどね。
でも俺の場合は担当の検事がさちょっと変わったオヤジでさ。
すっげえおっかない顔してんだけどどこで買ったか分かんないようなヨレヨレのジャケット着てんだよね。
で…甘い物すんげえ好きで。
俺ずっと黙秘してたんだけどさ。
何かそのオヤジバカみたいに時間かけてで…異常にしつこいぐらい証拠集めてさ。
ホント変な…。
フッ。
うん。
変なオヤジだったわ。
久利生さんの理想の検事…。
榎本さん。
着きましたよ。
あの…。
何です?やっぱりわたし黙ってるなんてできません!
(矢口)じゃあどうするんです?番組でしゃべりますか?そんなことしたらどうして今まで黙ってたんだって世間から非難されますよ。
しばらく番組降板なさったらどうです?そうすればもう襲われることもない。
でもそんなことしたらわたし…。
(矢口)このままいればあなたは被害者でいられる。
番組を降りたのもそれだけショックが大きかったんだ。
みんな同情してくれますよ。
いちばんいい方法だと思いますがね。
すいません。
美鈴さんのほうちょっと…。
久利生さんまだですよね?見てないけど。
(矢口)決心なさったようですね。
お宅までお送りします。
全く心配ばっかりかけるヤツだなあ。
家で寝てんじゃないのか?かけたけど留守です。
携帯も。
(江上)どっかで気晴らしでもしてんじゃないか?意外と参ってたのかもね。
古田君の自殺で。
雨宮君どうだった?確かに少し責任感じてたみたいでした。
まさか!後追ったってことはないよね?捜してきます!
(遠藤)いや。
あっごめん。
違うの。

(美鈴)雨宮!久利生さん!?
(久利生)雨宮悪いんだけど…。
早まっちゃダメ!早まっちゃ…。
何言ってんの?へっ?今からちょっと来てくんねえかな。
はっ?
(久利生)あっごめんな。
遅くに。
ちょちょっ…。
もう!「ごめんな」じゃないでしょ!一体どこに行ってたんですか!?みんな心配してたのに何の連絡もしないで勝手なことばかりして!いなくなられたほうの気持ちとか考えたことあります!?ハァハァ…。
あのさ。
何ですか?知ってるよね?榎本由起あの番組降板したの。
えっ?
(玄関のチャイム)こんばんは。
何か?どうしても確かめたいことができちゃったんで。
あのホントに申し訳ないんですけど最初に襲われた場所ありますよね。
あそこまで一緒に来てもらっていいっすか?あの事件もう終わったじゃないですか。
いやでも真実知りたいんですよ。
番組降板されても「報道に携わる者」ですよね?
(久利生)あの辺でいいんですよね。
(由起)ええ。
そんで犯人が襲ってきたときはどっちから来たんですか?さあ?後ろから突然だったから。
「後ろから」?後ろから…。
あっ。
じゃちょっと行ってくるんで待っててもらえます?後ろからですよね?こんな感じですか?嫌っやめて!何すんですか!?痛っ!本気で抵抗してどうすんだよ?そうしないと意味ないでしょう?いいからちょっと。
それで後ろからこう来て…。
いいから暴れんなよ。
ほら。
それでどうなったんですか?よいしょ。
それでどうなったんですか?
(由起)何なのよ!?いいかげんにしてよ。
何よ。
もういいでしょ!こりゃーっ!シィーッ!
(男)グウッ。
お疲れさまです。
あ痛てて…。
江上さん?
(江上)痛てて…。
痛いよう!だから分かった。
ごめんなさいごめんなさい。
痛かったよすっごい!ごめんなさい。
大丈夫ですか?
(江上)痛えなあ。
今何て言いました?「もういいでしょ」って何ですか?犯人古田君なんですよね?だったらもう襲われる心配なんてしなくていいでしょ。
古田君もう死んじゃったんですから。
あなた何を知ってるんですか?隠してること話してください。
真実を。

(井戸)こちらです。
(矢口)あっどうも。
あの…城南署の矢口ですけど江上検事いらっしゃいますか?あっどうも。
ウチの江上が何か?江上さんから「ここに来るように」って言われたんですけどね。
(牛丸)あいつどこ行ったんだ?いや分かんないです。
さあ。
申し訳ありません。
少々お待ちいただけますか。
いやしかし被疑者が自殺するなんて残念な結果に終わりましたね。

(ドアの開く音)あっ矢口さん。
どうも。
あっそうだ。
警察の人たちってやっぱりあの空手とか柔道とか剣道とかやってるんですか?
(矢口)はっ?いやいや。
ウチらやっぱ検察官ってダメなんですよね。
やってないからいざっていうときに。
こないだなんかもウチの江上っていう検察官がいるんですけど。
フフフッ。
ほら。
榎本さんのあの例の暴行犯に間違えられてこいつに思いっきり投げ飛ばされちゃったんですよ。
あんた何言ってんですか?えっ?いや榎本さんがねまだ犯人が生きてるって思ってたみたいで。
そんなはずないでしょう。
暴行犯の古田は自殺したんだよ。
ええ。
なんですけど。
実はね彼自殺する前に自分のとこに連絡くれたんですよ。
そんで二度目の事件があったときにはちょうど函館にあるお母さんのお墓参りに行ってたみたいなんですよね。
デタラメに決まってんでしょ。
それがホントなんですよ。
(舞子)久利生さんが函館まで行って証人も見つけてきたんです。
お前そんなとこまで行ったのか!?えっ?証人なんてどうにでもなりますよ。
何か物的証拠でもあったんですか?ありません。
ないんですよね。
古田がね電話で持ってるって言ってたエアチケットの半券がないんですよ。
矢口さん見ませんでしたか?見ませんよ!じゃ誰かが捨てちゃったのかな?久利生検事。
はい?あんたどうしても「古田が犯人じゃない」って言いたいんですか?矢口さんもそう思ってるんでしょ?いつですか?確信したの。
彼が犯人じゃないって。
自殺する前じゃないですか?バカな!何を根拠にそんなデタラメ言ってんだよ!?
(江上)どうぞ。
榎本さんが全部しゃべってくれました。
榎本さんはね二度目に襲われたときに男の腕に傷があったのを見て「犯人は古田じゃない」って確信したそうです。
古田にはそんな傷ありませんでしたよね?あなたはそれを知ったうえで彼を追い詰めちゃったんですね。
言いがかりも甚だしいよ!矢口さん。
もうやめましょうよ。
どうかしてるよ!こんな…こんな検事の言うことを信用するんですか!?何だよ?もうこんな事件終わったんだよ!被疑者が死んだような事件今更蒸し返してどうするんだよ!?あんたが殺したようなもんだろうがよ!?
(遠藤)久利生さん!久利生!俺たちみたいな仕事ってな人の命奪おうと思ったら簡単に奪えんだよ!あんたら警察も俺ら検察もそしてマスコミも!これっぽっちの保身の気持ちでなちょっと気緩めただけで人を簡単に殺せんだよ!俺らはそういうこと忘れちゃいけないんじゃないんすか?誰でも最初はそう思ってたんだよ。
でもな現実はそうはいかないんだよ。
そんなのただの理想だよ!理想を持って仕事しちゃいけないんですか!?矢口さん。
我々検事が付けているこのバッジの意味をご存じですか?「秋霜烈日」ってご存じですよね。
秋に降りる冷たい霜と夏の強い日ざしを表してる。
それは権力を持たされた我々に人を罰する仕事の厳しさを教えてる。
いわば検事の理想の在り方みたいなもんなんです。
我々はその理想を胸に検事をやってるんですよ。
我々は警察に真犯人の再捜査を強く要請します。
一緒にここで待っていただけますね?警察の方の到着を。
矢口さん。
改めて被疑者古田晋一を不起訴処分にします。
いいっすね?
(久利生)ああ。
もうやっとメシ食える。
ああ久々にさどっか落ち着いてメシ食わない?30分以内に戻ります。
短かすぎんじゃんよ。
お前それ何も食えねえよ。
仕事が山のようにたまってるんですよ!分かった。
じゃんけんはい。
じゃんけんせーの。
最初は…。
何だよ?次席検事。
んっ?鍋島です。
あっ。
どうも初めまして。
不起訴しっかりと受け取りましたよ。
久利生検事。
はい。
よろしくお願いします。
じゃ。
あの…。
何です?俺って結構迷惑かけてます?いいえ。
全く。
俺迷惑かけてないってさ。
気遣ってくれてるんですよ。
そういうこと分からないかな。
っていうかさお前俺のこと結構心配しちゃったろ?全然。
嘘だよお前。
俺がいなくなったらどうしようとか思ったろ?何言ってんですか?じゃあ何?あれ。
「早まっちゃダメ!早まったらダメ!」ってあれ何?
そのときはまだわたしたちは気づいていなかった。
この事件が本当の意味で終わってはいなかったことを
・『CanYouKeepASecret?』2015/07/21(火) 14:55〜15:50
関西テレビ1
HERO #10[再][字]【久利生の活躍をおさらいして映画を見に行こう!】

「別れの予感」

詳細情報
番組内容
 久利生公平(木村拓哉)は、人気女性テレビキャスターを襲ったとして、傷害罪で送検されてきた青年を、証拠不十分を理由に不起訴にした。この処分を不服として被害者の女性キャスター榎本由起(羽田美智子)は検察審査会に審査を申し立てた。
 正しい判断と、舞子(松たか子)は、久利生をかばうが、審査会の空気は冷たい。人気キャスター絡みの事件とあってマスコミは大騒ぎ。
番組内容2
そんな中、今度は脅迫状が女性キャスターのもとに届く。久利生が不起訴にしたことに、由起は抗議の記者会見。その夜再び、由起は、帰宅途中襲われ、担当の刑事矢口(梅沢富美男)は古田(高橋一生)の犯行だと久利生への反発を強める。しかし…。
 気が気でない舞子に牛丸(角野卓造)たち。さらに久利生に逮捕歴があることが暴かれ、久利生は窮地に…。
出演者
木村拓哉 
松たか子 
大塚寧々 
阿部寛 
勝村政信 
小日向文世 
八嶋智人 
正名僕蔵 
田中要次 
羽田美智子 
梅沢富美男 
阿南健治 
高橋一生 
角野卓造 
児玉清
原作・脚本
【脚本】
田辺満
監督・演出
【演出】
澤田鎌作
【プロデュース】
石原隆 
和田行 
【協力プロデュース】
東海林秀文
音楽
服部隆之 
【主題歌】
「Can You Keep A Secret?」宇多田ヒカル(東芝EMI)

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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