親は子どもから離れないのが基本ですが子どもが万が一一人きりになってしまった時にはどうすればよいか親子でしっかり話して決めておきましょう。
こんばんは。
「ハートネットTV」です。
今日は昨日に引き続き今回で20回目を迎えたNHKハート展の入選作品をご紹介します。
NHKハート展は障害のある人が書いた詩に各界で活躍する著名人がアート作品を寄せるという心と心のコラボレーションです。
では早速今日のゲストをご紹介します。
イラストレーターの安齋肇さんです。
よろしくお願いします。
安齋さん今回ハート展に作品寄せて頂きましたが2回目の参加ですよね。
2005年なんでちょうど10年前ですから20回っていう事は半分ですね。
10年に1度呼んで頂くという事で。
(笑い声)そのハート展の印象というのは安齋さんいかがですか?すごく元気な詩にエネルギッシュな詩に対してさまざまなハートでいろんな人たちが表現していくのでとっても楽しい場で何よりもうちのおふくろが大好きなんです。
お母様が!?ハート展が…はい。
そうですか。
90になりますけど。
さあそれでは早速安齋さんと一緒に作品を味わってまいります。
どうぞそちらへ。
ではこちらの作品からです。
神戸市の村上有香さん15歳。
この詩にはタレントの藤岡みなみさんが作品を寄せて下さいました。
こちらの絵ですけどもお風呂の周りにたくさんの花がありますがそのバスタブが大腸…。
(笑い声)これ大腸で合ってるんですよね?大腸です。
太陽ではないです。
太陽じゃないんですよね。
直腸でもない…。
そうですね。
どうですか?大腸に花が咲いたという独特の表現ですよね。
大腸に花が咲いた覚えはないんですけれどもすごいイメージできますよね。
お風呂の中で本当にリラックスしていくとその何か…もう心臓がゆっくりになって何か寝ちゃってるんじゃないかとか。
何か本当に自分の目がハートになってんじゃないかって。
おじさんの目がハートになってると気持ち悪いですけど。
でもその中で大腸ってもう本当に五臓六腑にしみわたるってやつですかね。
花が咲くっていうのがまたかわいいですね。
本当ユニークな表現です。
それでは続いての作品まいりましょう。
こちらです。
大阪府堺市の山口陶志さん13歳です。
この詩には音楽クリエーターのヒャダインさんが曲をつけて下さいました。
その曲がこちらです。
・「せいかつの中にはカツがある」・「オレンジの中にはオレがいる」・「おにぎりの」どうですか?すごいですね。
いいですね!へえ〜。
僕最初詩を読んだ時に「何なんだろう?これは」と思ってもう最後の最後になって「あ〜!」って気が付いて確かに「あいがある」と思って。
いやもうこれは本当に何かリズムというかメロディーというか歌にはぴったりですもんねこの詩は。
13歳の男の子。
まさに元気が出るような。
行進したくなるような。
本当ですね。
曲になっていました。
来年の甲子園はこれで登場するんじゃないんですかね。
さあ続いてまいります。
続いては安齋さんがアート作品寄せて下さいました。
こちらの詩です。
三重県四日市に住んでいる…まず詩をご紹介します。
タイトルは「知らんやろ」。
どうですか?この詩は。
すんごいですよ。
17歳。
もう僕この詩のビートで何かパンクロックを感じました。
パンクロック?パンクというもう何かこの中にあるものをとにかく表現してみたいっていう爆発するようなエネルギーですかね。
知ってほしいっていうねそういう思いがあふれている詩です。
ではこの詩の作者田邉千晴さんを取材しました。
ご覧下さい。
「知らんやろ」の作者田邉千晴さんはこの町に暮らしています。
千晴さんは交通事故の影響で首から下が動きません。
でも普通の高校生と変わらないといいます。
5時ぐらい。
5時ぐらい?1時間後ぐらいですかね。
ベッドの上の楽しみは友達とのメール。
そしてK−POP。
一日8時間もDVDを見て過ごす事もあります。
お気に入りの曲はいつも一緒に踊ります。
(テレビ)夕方になると千晴さんは隣の部屋へ移動します。
家族全員そろって夕食を食べるのが田邉家の昔からの決まりなのです。
祖父母と両親兄と姉の7人。
家族で上下水道の取り付けなど住宅設備の会社を経営しています。
去年から家の仕事を手伝い始めた兄明大さんが自分の給料で妹にプレゼントを用意していました。
(笑い声)外出するのが大好きな千晴さん。
帽子をかぶって外に出る楽しみが一つ増えました。
千晴さんは1997年3人兄弟の末っ子として生まれました。
体を動かす事が得意で小学1年生から学校のチアダンスチームに所属。
負けず嫌いで家に帰ってからも練習し4年生でリーダーとして活躍するようになります。
しかし5年生の秋。
下校中に乗用車とトラックが衝突した事故に巻き込まれてしまいます。
母祐美子さんが病院に駆けつけるとそこには想像もしなかった千晴さんの姿がありました。
手術は13時間にも及びました。
一命は取り留めたものの首から下は動かなくなっていました。
母祐美子さんは入院中千晴さんが言った言葉にハッとさせられました。
手の代わりに口を使う訓練などつらいリハビリが続きました。
その間千晴さんを支えたのは友達とのメール。
絶対みんなのところに戻るという思いで耐え抜きました。
入院生活は1年半にわたりました。
その後千晴さんは地元の中学に入学します。
夢にまで見た友達との学校生活の始まりでした。
ところが千晴さんの目には久しぶりに会った友達がどのように接したらいいのか戸惑っているように映りました。
距離を縮める糸口はなかなか見つからず千晴さんもどうしたらいいのか悩みました。
時々めげそうになりながらも千晴さんは決して諦めませんでした。
当時体調が不安定で再入院の可能性もありました。
しかしできる限り学校に通いました。
体育祭や文化祭学校行事にも積極的に参加。
すると友達にも変化が出てきました。
みんなと一緒にさまざまな体験を重ねるうちまた昔のような仲間になっていったのです。
高校生になった千晴さん。
現在は特別支援学校に通っています。
社会に出る準備のためには自分のペースで勉強できるこの学校がいいと思い自ら選びました。
(ノック)登校すると必ず体調の確認を行います。
おはようございます。
学校に通うだけでも体力を大きく消耗する千晴さん。
体温や血圧など異常がないかチェックしていきます。
測りま〜す。
この日は異常なし。
教室に向かいます。
最初の授業ではパソコンの実践的な技術を学びます。
眼鏡の真ん中に貼った銀色のシールがマウスの代わりです。
画面の上についている赤外線シールドが眼鏡に貼られたシールの動きをキャッチし画面に反映させます。
顔の僅かな動きでシールを動かしパソコンを巧みに操作します。
今勉強しているのは表計算のプログラミングです。
千晴さんはこの学校に通い始めてから心がけるようになった事があります。
はい。
自分からできない事を周囲に伝え助けを頼むようになりました。
ロッカー?自ら声を出し誰かの支えを受けて生きていく。
社会に出るための準備です。
体育の授業です。
千晴さんは学校に通う中で体が少しずつ鍛えられ去年から電動車椅子に乗れるようになりました。
どれだけスムーズに速くゴールできるか。
前回よりいいタイムが目標です。
(取材者)いくつでした?電動車椅子によって千晴さんの世界は大きく広がりました。
母祐美子さんとのショッピングも楽しみな時間の一つです。
時には人目が気になる事もあります。
でも行きたい所やりたい事がたくさんあります。
この日千晴さんは友達や高校の先生と待ち合わせをしていました。
大好きなカラオケ。
歌うのはもちろんK−POPです。
(歌声)カラオケを楽しみアイドルに夢中になりやりたい事を存分にやる17歳です。
(歌声)入選作「知らんやろ」は本当は毎日こんなふうに過ごしている事を分かってほしいという思いから生まれました。
家族にとっても意外だった千晴さんの気持ちです。
かわいいね。
(笑い声)かわいいですね。
何かもうすごく僕…。
よかったVTR見てなくってあの詩だけで。
詩だけでも十分感じたから。
今初めて千晴さんの姿ご覧になったんですよね?本当何か元気な子なんだろうなと思ってたけど明るい顔して。
何かやっぱり中学…それこそ入学した時の硬い表情からだんだんいろんな事を活発にやるようになって顔がどんどん明るくなってきて本当にやっぱり17歳の子っていう感じになってくるんだね。
すごい…すごい何かうれしかったですよ。
詩の中にもねかわいそうじゃないんだよというあそこも響きます心にね。
本当ですよね。
僕らは実はいろいろできるけど一人でできるような事になってますけど本当は一人では何にもできてないですからね。
彼女がたくさんの人に支えられてるのと一緒で僕らも結局はすごいねいろんな人たちに支えられてるからね。
それはすごくありがたいなって思うし。
改めて思っちゃった。
僕らに全部返ってきますよね。
本当ですね。
この詩に安齋さんが作品を寄せて下さったんですがその作品がこちらです。
(笑い声)もうエネルギーほとばしる!いや〜…。
どうですか?この詩のどんなところにインスピレーションを感じて…。
まずは「知らんやろ」って言われたんでまあ「知らんわい」って思いましたけどね最初に。
そんな気持ちから入ってるんでちょっと僕は僕なりに彼女の持ってる何か思春期のエネルギーみたいなのをどうやったら描けるかなと思って。
10年前は1個割ときれいなハートを描いたつもりだったんですけど。
前回参加された時は。
4つハートがありますけども一つ一つね…。
一応…はい。
詩に合わせてそれぞれ僕の方の反応を絵にしてみたんですけど。
これはアクリルっていうのに描いたんですごく光ってるんですよ。
もう鏡みたいに。
何か描き終わったあとに裏に暗い青を塗ったらそしたらすごく自分の顔とかが映ったりとかして何かちょっと自分の事のようにドキッとします。
わ〜っと思ってああ…結局自分だと思って。
結局ね。
安齋さんに実は千晴さんから直筆の手紙が届いております。
口でペンをくわえて書いてくれたものなんです。
私がちょっと代読させて頂きますね。
ありがとうございます。
「安齋さんへ。
この度はありがとうございました。
すごくパワフルなイラストでとてもすてきでした。
障害者だって人一倍…いや2倍3倍いろいろな感情を持っていて分かってほしいのに伝わらない事がいっぱいあります。
全部わかってもらおうなんて思わないし無理なこともよ〜くわかっているんです。
でも心の中では溢れる思いが沢山あると言うことを私の詩と安齋さんのイラストで沢山の人に感じてもらえたら凄く嬉しいです」。
ヘヘヘエ〜。
参ったな…。
いやそうですよね。
いやでもまあ…僕の絵がどうだったか分かんないですけど詩だけの持ってる力でもそれだけでもエネルギーを感じるのにまあ僕それに乗っかって頑張って描いたから多分伝わると思うんだけどどうですか?山田さん。
いやものすごく何かそれぞれ単独ではなくって両方が合わさったからこそそれこそ2倍3倍と伝わる力が強くなるんだなって。
これがまさしくハート展…。
展覧会全体がそうですからね。
一点一点!これは一点一点本当にじっと見ていて皆さん本当にじっくり見てまたいっぱいいろいろ感じてもらえてるみたいだしすごくうれしいです。
どんな人が書いたのかなとかいろんな思いをはせながらご覧頂きたいなと思います。
この第20回NHKハート展今月23日から渋谷の東急本店でスタートします。
そのあと全国を回っていきます。
是非ご覧下さい。
安齋肇さんでした。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
元気でね。
2015/07/21(火) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV 第20回NHKハート展(2)「知らんやろ」[解][字]
障害のある人がつづった詩に、各界で活躍する著名人がその世界観を絵やアートなどで表現するNHKハート展。三重県に暮らす高校生、田邉千晴さんの詩に込めた思いを伝える
詳細情報
番組内容
障害のある人がつづった詩に、各界で活躍する著名人がその世界観を絵やアートなどで表現するNHKハート展。三重県四日市市に暮らす高校生、田邉千晴さんは交通事故の後遺症で首から下を動かすことが出来ない。好きなことは、イマドキの高校生らしく「KPOPの音楽で踊りまくる」ことや「カラオケで盛り上がること」。千晴さんの詩に作品を寄せたイラストレーターの安齋肇さんをスタジオに迎え、詩に込めた思いを見つめる。
出演者
【出演】田邉千晴,イラストレーター…安齋肇,【司会】山田賢治
ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:16606(0x40DE)