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視覚障害ランナー英国のマラソン大会3位を報告

 4月に英国で行われたロンドンマラソンの視覚障害者部門で3位に入賞したランナー、道下美里さん(38)(太宰府市)が17日、福岡市のホテルで入賞報告会を開いた。支援者ら約70人の前で、出場が有力になっている来年のリオデジャネイロ・パラリンピックなどへの思いを語った。

 道下さんは山口県下関市出身。病気のため中学2年で右目を失明し、25歳頃からは左目もほとんど見えなくなった。その後、体調維持のために陸上を始め、伴走者とともに各地の大会に出場。昨年12月の防府読売マラソン(山口県防府市)で、視覚障害者部門の世界記録を大幅に更新する2時間59分21秒でゴールした。

 これまで視覚障害者の女子マラソンはパラリンピックの正式種目ではなかったが、リオ大会では初めて正式種目になった。世界選手権も兼ねたロンドンマラソンで3位になったことで、道下さんは日本代表の推薦順位1位に内定した。

 この日の報告会で、道下さんは「ロンドンではペース配分を崩してしまい、目標の3時間を切ることができずに悔しかった」と振り返った。「パラリンピック出場はずっと夢だった。リオではさらに上を目指し、金メダルを取りたい」と抱負を述べた。

 また、自身の半生をつづった著書「いっしょに走ろう」(芸術新聞社)も紹介。「支えてくれた多くの人との出会いをみなさんに知ってもらいたかった。障害があってもスポーツを楽しめる人が増えてくれたらうれしい」と語った。

2015年07月19日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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