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 自民党の井上貴博衆院議員(福岡1区、当選2回)が、初当選した2012年の衆院選で党支部から受け取った寄付金1300万円について、選挙運動費用収支報告書に記載していなかったことがわかった。井上氏側は3日付で福岡県選管に訂正を届け出た。

 公職選挙法は、選挙運動に関する寄付や収入の選管への報告を義務づけている。井上氏の事務所担当者は「外部から指摘を受け、記載を忘れていたことが判明した。(訂正で)法的には適正に処理したものと考えている」と話している。

 事務所によると、1300万円は衆院選の投開票日6日前の12年12月10日、井上氏が代表を務める自民党福岡県第1選挙区支部に党本部から交付され、即日、選挙関係費として井上氏側に全額がわたった。井上氏側は、当初は自己資金でまかなう予定だった約765万円を運動費に充て、残りの約535万円を保管。だが、選挙後に県選管に提出された選挙運動費用収支報告書に、1300万円に関する記載はなかった。535万円は支部に寄付する形で返したという。

 井上氏は安倍晋三首相に近い自民党国会議員の勉強会「文化芸術懇話会」で「スポンサーにならないことが一番こたえる」などとメディアに威圧的な発言をしたとして、党本部から厳重注意を受けている。