小林舞子
2015年7月21日11時00分
アトピー性皮膚炎のかゆみが慢性化、重症化するメカニズムを九州大などのチームがマウスの実験で解明した。原因となる神経系の細胞を突き止め、この細胞の働きを抑えるとかゆみがおさまることを確認。九大はかゆみを鎮める治療薬の開発をめざすという。21日付米科学誌(電子版)で発表する。
アトピー性皮膚炎では、かゆみを感じてひっかくことを繰り返し、皮膚炎が悪化する。ステロイド剤を塗ったり皮膚を保湿したりして炎症を抑えるのが現在の標準的な治療法。最近、かゆみを伝達する神経などが相次いで発見されているが、慢性化するメカニズムは分かっていない。
そこでチームは、神経系の細胞や物質に着目。アトピー性皮膚炎を起こしているマウスで実験したところ、神経系の「グリア細胞」の働きが活発化していた。また、過度にひっかいて皮膚炎が悪化し、さらに強いかゆみを生じるといった「悪循環」に陥ったマウスほど、グリア細胞が活性化していた。
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