【動画】「親父ギャグ」連発で交通安全=鶴信吾撮影
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 「交通事故、起こしません剤(洗剤)!」に「飲酒運転大根(ダイコン)絶」。埼玉県警の交通安全キャンペーンで、こんなオヤジギャグ丸出しの啓発品が次々と作られている。昨年以降、すでに約30個が誕生。ちょっとダサいけど、妙に頭に残ってしまう。県警の狙いは、そこにある。

 昨年末、県警本部の一室で、40~50代の交通企画課員3人が会議を開いていた。議題は「春の全国交通安全運動(5月)で配る啓発品にどんなギャグをかませるか」。開始から数時間。真剣な表情のオヤジたちの額には、汗がにじむ。

 「『死亡ゼロ』と何かを掛けたい」。いったん「脂肪(しぼう)ゼロ」の乳製品が有力候補に挙がったが、大木修司係長(48)が待ったをかけた。5月の屋外では、乳製品は腐るかもしれない。

 行楽期で事故も多いのでは――。向井健祐主任(42)のひらめきで議論は一気に加速した。「行楽期に事故ゼロ→コーラくきにゼロ→コーラ・ゼロ!」

 決まった。キャンペーン当日、JR大宮駅前では「交通ルールを守って歩行者事故ゼロ!」と書かれたチラシと、ゼロカロリーのコーラ1千本が配られた。