【社説】情報機関の携帯電話盗聴疑惑、政争より真相解明を

 与野党は17日、国家情報院がイタリアのセキュリティ会社からスマートフォンの内部を密かに見ることのできるソフトを購入した問題について、朝から夜まで攻防を続けた。野党・新政治民主連合は明確な証拠がないにも関わらず、この事件をかつての民間人査察事件と同じく政治問題化することを狙っており、与党セヌリ党は「野党は安保をネタにしている」としてこれらの疑惑提起が国の安全保障を害すると主張している。

 これまで確認された事実関係を整理すると、国家情報院が2011年末、問題のセキュリティ会社からハッキング用として20回線を購入したことしか明らかになっていない。国家情報院は14日に開催された国会情報委員会でこの事実を認め、その中の18回線を海外で北朝鮮関係者の監視に使用し、2回線は研究用に使ったと説明している。ところがその後、問題の会社から流出した膨大な資料について分析したところ、国家情報院による説明と相反する情報の存在が確認されており、さらに今後もこれとは別の新たな疑惑が出てくる可能性も考えられる。

 問題の核心は国家情報院がこのソフトを使い、民間人のスマートフォンを監視していたかどうかという点だ。国の情報機関が国民の私生活まで監視していることが事実であるなら、当然のことながら厳しく責任を追及しなければならない。しかし今の段階ではこれを裏付ける客観的証拠は何も確認されていない。このような状況では、情報機関の活動に影響する分別のない暴露や性急な疑惑提起は慎まなければならない。

 国家情報院は盗聴に必要な設備を何も持ち合わせていないが、これは国家情報院に対する国民の不信が大きく膨らんでいることに起因している。また今回の問題でも、もし海外の企業がその気になれば、いくらでも国家情報院の動きを把握できるようなずさんな行動を国家情報院自らが取った。大韓民国最高の情報機関という言葉が逆に恥ずかしくなるほどだ。

 与野党は20日、国家情報院に対する調査計画をとりまとめることで合意したが、国家情報院も自分たちに対する不信や疑惑がこれ以上大きくならないよう、国会が行う調査にはできる限り協力しなければならない。与野党も国民の不安を和らげるために、まずは政争を慎んで事実関係の解明に取り組むべきだろう。もちろんその過程においてわれわれも自ら国の安全保障を脅かすような行動をしてはならない。

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