新国立競技場の建設費2520億円のハシタ金で大騒ぎする日本人が平和すぎて、頭痛が痛い。(中嶋よしふみ SCOL編集長・FP)
シェアーズカフェ・オンライン 7月21日(火)5時6分配信
連日報道されていた新国立競技場の建設は、一旦「総理の決断」で幕を引くことになりそうだ。今後もまだひと悶着はありそうだが、少なくとも2520億円より予算が下がる事は間違いなさそうだ。
当初予算の1300億円から1000億円以上も上乗せされ、場合によっては3000億円を超えてしまうのではと報道されると、いったい誰が犯人なのかと日本中が大騒ぎになった。デザイン通りに作ると駅をつぶす必要があるとか、森さんの気持ちを考えろとか、安保法案から注意をそらすための陽動作戦だったとか、わけのわからない話も多数出た。
しかし、たったの2520億円でこれだけ大騒ぎをするのは異常としかいいようがない。日本では毎日、新国立競技場一つ分以上のお金が垂れ流されているからだ。年間100兆円を超える社会保障費だ。
■優遇される高齢者。
年金・医療・介護・子育て支援・生活保護など、社会保障費は多くの人が生きていくために必要なお金だ。それでもあえて垂れ流すと表現をしたのは、無駄があまりに多いからだ。
年金はどんな資産家でも受け取っている。この原資にはどんなに収入が低い人でも負担している消費税も当然含まれている。
医療費もいまだに2割負担、1割負担で受診が可能な高齢者がいる。フリーターで貯金はゼロ、月収は10万円を少し超える程度で年金よりも少ない収入で生活しているワカモノが3割負担で受診しているにもかかわらずだ。
なぜこんな事になるのか。それは収入しか見ずに資産を見ていないからだ。高齢者は収入は少ないが資産は多い。今のように、収入を基準に年金の減額や医療費負担の割合を決めていると、本来余裕のある人にまで過剰な社会保障を提供する事になってしまう(資産の補足は難しいが、これはマイナンバー制度で対応できるはず)。
■1兆円なんて簡単に捻出できる。
2014年の社会保障費は総額で115.2兆円、そのうち約半分の56兆円が年金、3割超の37兆円が医療、残りは介護や子育て費用、生活保護等になる。単純計算で全体を1%削るだけで1兆円も捻出できる。1%分の費用で新国立競技場を現在のデザインのまま毎年4個作ることが可能だ。12年後には47都道府県に建てられる。
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