後藤太輔 チューリヒ=松尾一郎
2015年7月21日01時13分
テレビ放映権料やワールドカップ(W杯)招致などを巡る汚職で幹部らが逮捕された国際サッカー連盟(FIFA)は20日、スイス・チューリヒの本部で臨時理事会を開き、辞意を表明しているゼップ・ブラッター会長の後任を選ぶ臨時総会を来年2月26日にチューリヒで開催することを決めた。またFIFAの信頼回復と運営改善のため「再建タスクフォース」を設置することを決めた。
ブラッター会長は記者会見で「2月26日、私は会長ではなくなる」と会長選への再出馬の可能性を否定した。また欧州連盟(UEFA)の広報担当者が取材に応じ、「プラティニは近く態度を表明する」と、ミシェル・プラティニUEFA会長の立候補の可能性について言及した。立候補には、FIFAに加盟する5協会以上の推薦を受け、選挙日の4カ月前までにFIFA事務局に届け出なければならない。今回は10月26日が期限になる。
「再建タスクフォース」は今後選ぶ中立な議長1人と、FIFA理事10人で構成。理事の資格審査や多選制限など、改革の方法を探る。日本サッカー協会副会長の田嶋幸三FIFA理事によると、サッカーに関わる活動で得た対価の公開も模索する。理事の間にはブラッター会長下での改革に批判があったという。しかし会見でブラッター会長は、「すべてのFIFA理事と大陸連盟会長から支持を得た」と語った。(後藤太輔)
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FIFA臨時理事会後の記者会見で、報道バッジをつけたスーツ姿の白人男性がブラッター会長に分厚い「札束」のような物を投げつけ、警備員に連れ出された。英国人のコメディアンで、過去に多くのイベントを妨害した人物だという。色をなしたブラッター会長は記者会見を中断した。再開後は「世界中から集まったメディアを歓迎する。こういう場に戻ってくると、生きていることを実感できる」と余裕を見せた。(チューリヒ=松尾一郎)
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