日中友好の根本は道義問題

2002年9月8日付 聖教新聞  一面

池田SGI会長の「人生は素晴らしい」第15回

中国 南京大学    蒋 樹声 学長

一面サブタイトル
「日本は信じられない」と言われ続ける愚
昔も今も、隣人の「血涙の叫び」を無視
「歴史をごまかす」ずるさで 日本人の心は荒廃

本文
長江(揚子江)だ。
向こう岸は遠くかすんでいる。
私は妻とともに、南京の「長江大橋」に立っていた。
上段が道路橋、下段が鉄道橋。
下段の長さは6772メートルもある。
壮観である。

「はじめはソ連の協力で工事が始まったのですが、途中(中ソ対立の結果)
ソ連の技術者が帰ってしまい、後は中国人民が自力更生で完成させたのです。
今から10年前の1968年のことでした」
そう説明を受けた。

南京の9月は、まだ炎夏の余熱が残り、河風が気持ちよかった。
流れは海のように、どっしりしている。
この河は昔、この世の地獄というべき悲劇を見ていた。
日本人が永遠に忘れてはならない南京大虐殺事件である。

まさに人類史上、類例のない、狂乱の蛮行でありました。
日本は、国家として正式に誠心誠意、謝罪すべきであると思います」
と。
「もちろん、この罪は、いかにお詫びしても、償うことは
できません。南京大学の敷地にも、実に7000人もの犠牲者の
遺骨が埋められていたことを、私は胸をかきむしられる思いで
うかがいました」と。


その身になってみよ

一度でよいから、想像してもらいたい。
「自分が侵略された側だったら」
地道に暮らしている自分の家に、突然、武装した兵隊たちが
どやどやと押し入ってくる。
男性ならば、たちまち、銃剣で殺され、女性ならば暴行された後、殺される。
食料はじめ何もかも強奪される。
「寒いから暖を取る」と称して、家に火をつけられる。
遊び半分に、刀で家族の首を「ためし斬り」される。


「私たちは変わった!」

同書でもくわしく紹介されているが、かって周恩来総理の指揮のもと、
「撫順の奇跡」と呼ばれる人間回復のドラマがあった。
戦後、中国東北地方にあった「撫順戦犯管理所」。
ここに日本の戦犯容疑者が収容されていた。
ふつうは、敵国の戦犯の扱いは過酷であって不思議はない。
しかし、この管理所では、周総理の驚くべき指示が徹底されていた。
取り扱いは人間的にし、決して殴ったり、罵って人格を侮蔑したり
してはならない。民族の恨みを忘れてはならないが、戦犯であろうとも
人間だ。人間である以上、人格を尊重すべきだ。

指示の結果、清潔な部屋が用意され、理髪室も浴場もできた。
運動場もあった。冬には暖房までついた。
栄養にも気をつかい、食糧難の中、たっぷりと白米のご飯。
管理所の職員のほうが、空腹に耐え、粗末なものを食べていた。


中国人を「人間」として見られず、「もの」としか見られなかった日本兵。
それは、自分こそが「人間じゃなくなっていた」のであった。
管理所で、人間の崇高さに触れた日本兵は変わっていった。
人間としての感情が動き出した。
すると、自分の罪の大きさに慄然とした。
後半生を償いと平和に捧げることを、涙ながらに誓った。


南京大学の蒋学長は、東京の創価学園を訪れて、十代の友に語って
下さった。
「21世紀が求めている人間像とは何か。
それは、「知識」とともに、人類全体の正義のために尽くす崇高な
「人格」をもった「全体人間」です。
日本の若きみなさん!
どうか中国の青年と手と手を取り合って、「金の橋」を更に強く、
更に立派にしていってください!
お願いします!
平和のためです!
平和友好を、祈る思いで待っている人たちがいるのです。
中国の全土にいるのです!」

------------抜粋終わり-----------


新聞全面4面の大変な長文のごく一部です。
著作権のこともありますが、内容的には究極の人権の書です。
大変な壮絶な描写もあります。
この師匠の真の思いを知っていくことこそ、真の平和活動の基でしょう。

全文読みたい方は、お知らせください。
一時的に非公開コメントを採用るすなり、なんらかの方法を採ります。

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by f2bmag8w | 2015-06-23 22:04 | Comments(3) 

Commented by f2bmag8w at 2015-06-23 22:21
公明党が与党入りしてからは、閣僚になる方もいるわけで
ある自民党の女性閣僚が、しみじみと語っていたことがあった。
ある同僚閣僚の公明党議員と一緒に仕事をする機会がたくさんあり
人格の薫りに感銘を受けることが多々あったとのこと、
誠意ある日頃の対話こそが、少しずつ意識を変えていく良い例であろう。

かって、私たちの師匠を「悪の天才」と評した人物がいた。
某大都市の首長を長くやった人間であったが
その間、公明党議員と一緒に仕事をする時間が長くなり
誠実で責任ある仕事ぶりに、首長として、公明党議員は信頼できるとの
見え方に少しずつ変わっていったようであったとのこと・・・・

一足飛びにガラガラポンとは、いかない、
平和、平和、戦争反対といっても、
本当の意味での生命の尊厳は、日蓮仏法を正しく教えてくださる師匠の
おられる教団で実践活動する人間にしか自得できないものだ。
私たちの理想を、いきなり与党の議員に求めてもそれは難しいことで
漸進的に変わっていくものだろう。・・・大河
Commented by f2bmag8w at 2015-06-24 07:10
ブログ本体&コメント欄も、すっかりエッセー風になってしまっているけど
あの神戸市の連続○○事件の時の元少年が最近本を出したらしく
それが、結構売れているらしく、いろいろ批判も出ているらしく
ちょっとニュースで聞こえたけれど、神戸市は市立図書館に
その本を購入しないことを決めたそうで・・・

その元少年、今は30代半ばくらいらしいけれど
誰しも、「自分の気持ちをわかってもらいたい」ということはあるわけで
そのひとつの形なのかなと、本を購入もしていないし読んでもいないのだけど
いつの日が御本尊の前に端座できるといいね、
Commented by 大河 at 2015-06-24 11:54 x
よそ様のブログ記事(大河クリック)ですが、冷静に分析していて興味深く読みました。

結構長いですから、時間的余裕も必要ですが
チャトラさんにも是非ご一読していただければ
チャトラさんが、漠然と感じていた不安の一因も
このブログ主は、やんわりと指摘しているようにも思います。
ものすごく客観的で、どこかの政党とかに偏らない観察です。

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