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発明の名称 脳内神経活動検出装置、それを用いた脳機能診断装置及び思考映像表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−195779(P2007−195779A)
公開日 平成19年8月9日(2007.8.9)
出願番号 特願2006−18634(P2006−18634)
出願日 平成18年1月27日(2006.1.27)
代理人 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩
発明者 阿部 和秀 / 佐々木 忠寛 / 飯田 晋 / 杉浦 理砂 / 逸見 和弘 / 梅田 俊之
要約 課題
生体頭部の神経活動をより高精度に把握することができる脳内神経活動検出装置、脳機能診断装置、思考映像表示装置の提供。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
電磁波を発生させる電磁波発生手段と、
前記電磁波を生体頭部に照射する電磁波照射手段と、
前記電磁波照射手段に基づいた前記生体頭部からの反射波を検出する反射波検出手段と、
前記反射波を解析して前記生体頭部における脳内の神経活動を検出する神経活動検出手段と、を備え、
前記神経活動検出手段は、
前記生体頭部における生体組織構造及びその物性値に関する生体組織情報が記録された生体組織情報記録手段と、
前記反射波検出手段で検出された反射波の位相及び振幅を解析し、解析された反射波の位相情報に基づいて、前記反射波を位相の異なる複数の反射波に分離する反射波分離手段と、
前記反射波分離手段により分離された位相の異なる複数の反射波の前記生体組織構造における反射位置を特定する反射位置特定手段と
前記反射位置特定手段により反射位置が特定された反射波のうち、前記生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波を選択し、前記選択された反射波の位相及び振幅の時間的な変化を検出する時間的変化検出手段と、
を備えることを特徴とする脳内神経活動検出装置。
【請求項2】
前記反射波分離手段における前記反射波の位相の解析は、検出された反射波のパルス遅延時間で行うことを特徴とする請求項1に記載の脳内神経活動検出装置。
【請求項3】
前記反射波分離手段における前記反射波の分離は、前記パルス遅延時間による解析に加え、解析された前記反射波の振幅情報に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の脳内神経活動検出装置。
【請求項4】
前記時間的変化検出手段は、前記生体頭部の神経活動をつかさどらない生体組織のみを通過した反射波の位相又は振幅の時間的な変動を検出し、その変動を、神経活動をつかさどる生体組織を通過した前記反射波の位相又は振幅の時間的変化に反映させて補正する反射波補正手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の脳内神経活動検出装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の脳内神経活動検出装置を備えた脳機能診断装置であって、
前記脳機能診断装置は、
前記脳内神経活動検出装置に接続され、前記脳内神経活動検出装置で検出された脳内の神経活動の時間的な変化を解析することで脳機能を診断する脳機能診断手段と、
前記脳機能診断手段で診断した結果を出力する出力手段と、を、
備えたことを特徴とする脳機能診断装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の脳内神経活動検出装置を備えた思考映像表示装置であって、
前記思考映像表示装置は、
複数配置された前記脳内神経活動検出装置と、前記複数の脳内神経活動検出装置を制御する制御部とを備えた神経活動検出部と、
前記神経活動検出部のうち脳内の神経活動の変化が検出された前記脳内神経活動検出装置の検出位置を解析する検出位置解析手段と、
前記検出位置解析手段で解析された検出位置の位置情報に基づいて、被測定者の思考を表示する思考表示手段と、を備えたことを特徴とする思考映像表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体頭部の神経活動をより高精度に検出することができる脳内神経活動検出装置、および、それを用いた脳機能診断装置及び思考映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体頭部の神経活動を非侵襲で測定する脳機能測定装置として、脳波を計測する脳波計測装置(例えば、特許文献1)、磁気共鳴撮影装置を用いたfMRI(例えば、特許文献2)などが知られている。更に、頭部に赤外光を照射して使用者の意識的な脳機能活動に基づく脳血液量の変化の有無を判定する意思表示装置が開示されている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開平10−179532号公報
【特許文献2】特開平9−238914号公報
【特許文献3】特開2002−119511公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載されている脳波計測装置で計測する脳波は、頭皮表面において観測される信号であるため、脳内部の神経細胞そのものの活動から出てくる信号の他にも、頭部の筋肉が出す活動電位、まばたきによる眼球運動、心臓の筋肉活動に伴う信号、脈拍に同期した電位変化、呼吸に伴う変動など、多くの電位変化が混入してくることが問題とされている。したがって、脳の特定領域、特定の領野の活動と、得られた電圧信号とを関連付けることには困難を伴う。また、頭皮表面の微弱な電位変化を検出するためには、頭皮に直接、特殊な電極ペーストを塗布して電極を固定するなどの必要がある。
【0004】
一方、特許文献2に記載されているfMRIは、脳内部の領域におけるエネルギー代謝量(酸素消費量)を間接的にモニターするものであるため、脳細胞が発する電気的な信号を直接モニターするものではない。このため正確に脳内での生体の活動状況を把握することができない。
【0005】
また、特許文献3に記載されている意思表示装置は、脳血流の変化を測定するもので、血流の変化を検出する場合は、日々のストレス、または、血液の粘性程度等によりその変化が大きく変動してしまうため、正確に、脳血流の変化を測定するには、測定者の精神が安定している等の細かな対応が必要である。
【0006】
そこで、本発明は、生体頭部の神経活動をより高精度に把握することができる脳内神経活動検出装置を提供することを目的とする。また、この脳内神経活動検出装置を用いることで、より高精度に生体頭部の神経活動を診断することができる脳機能診断装置を提供することを目的とする。更に、この脳内神経活動検出装置を用いることで、より高精度な思考映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に関わる脳内神経活動検出装置は、電磁波を発生させる電磁波発生手段と、前記電磁波を生体頭部に照射する電磁波照射手段と、前記電磁波照射手段に基づいた前記生体頭部からの反射波を検出する反射波検出手段と、前記反射波を解析して前記生体頭部における脳内の神経活動を検出する神経活動検出手段と、を備え、前記神経活動検出手段は、前記生体頭部における生体組織構造及びその物性値に関する生体組織情報が記録された生体組織情報記録手段と、前記反射波検出手段で検出された反射波の位相及び振幅を解析し、解析された反射波の位相情報に基づいて、前記反射波を位相の異なる複数の反射波に分離する反射波分離手段と、前記反射波分離手段により分離された位相の異なる複数の反射波の前記生体組織構造における反射位置を特定する反射位置特定手段と前記反射位置特定手段により反射位置が特定された反射波のうち、前記生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波を選択し、前記選択された反射波の位相及び振幅の時間的な変化を検出する時間的変化検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に関わる脳機能診断装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の脳内神経活動検出装置を備えた脳機能診断装置であって、前記脳機能診断装置は、前記脳内神経活動検出装置に接続され、前記脳内神経活動検出装置で検出された脳内の神経活動の時間的な変化を解析することで脳機能を診断する脳機能診断手段と、前記脳機能診断手段で診断した結果を出力する出力手段と、を、備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に関わる思考映像表示装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の脳内神経活動検出装置を備えた思考映像表示装置であって、前記思考映像表示装置は、複数配置された前記脳内神経活動検出装置と、前記複数の脳内神経活動検出装置を制御する制御部とを備えた神経活動検出部と、前記神経活動検出部のうち脳内の神経活動の変化が検出された前記脳内神経活動検出装置の検出位置を解析する検出位置解析手段と、前記検出位置解析手段で解析された検出位置の位置情報に基づいて、被測定者の思考を表示する思考表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、生体頭部の神経活動をより高精度に把握することができる脳内神経活動検出装置を提供することができる。また、この脳内神経活動検出装置を用いることで、より高精度に生体頭部の神経活動を診断することができる脳機能診断装置を提供することができる。更に、この神経活動変化検出装置を用いることで、より高精度な思考映像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
<第1の実施形態(脳内神経活動検出装置)>
本発明に係る脳内神経活動検出装置の第1の実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る脳内神経活動検出装置の各構成部のブロック部である。
【0014】
図1に示すように本実施形態に関わる脳内神経活動検出装置1は、電磁波発生部2と、電磁波照射部3と、反射波検出部4と、神経活動検出部5とを備えている。
【0015】
電磁波発生部2は、脳内の神経活動を検出するために、生体頭部に照射する電磁波を発生させる電磁波発生手段2aを備えており、例えば、発振回路、電力増幅器、周波数フィルター等で構成されている。
【0016】
電磁波照射部3は、電磁波発生手段2aで発生させた電磁波を、生体頭部に照射する電磁波照射手段3aを備えており、例えば、アンテナ等で構成されている。
【0017】
反射波検出部4は、電磁波照射手段3aに基づいた生体頭部からの反射波を検出する反射波検出手段4aを備えており、例えば、アンテナ等で構成されている。
【0018】
詳しくは、図2に示すように、電磁波発生手段2aで発生させた電磁波6を、電磁波照射手段3aにより生体頭部に照射し、生体頭部内で散乱し、反射した電磁波7を反射波として反射波検出手段4aにより検出する。検出した反射波は、生体頭部、特に、脳内の神経活動に伴う生体組織の複素誘電率が時間的に変化することによって変調されている。
【0019】
神経活動検出部5は、反射波検出手段4aにより検出された反射波を解析して、脳内の神経活動を検出する神経活動検出手段5aを備えており、例えば、演算回路で構成されている。
【0020】
神経活動検出手段5aは、生体組織情報記録手段5aと、反射波分離手段5aと、反射位置特定手段5a、時間的変化検出手段5aと、を備えている。
【0021】
生体組織情報記録手段5aは、生体頭部における生体組織構造及びその物性値に関する生体組織情報が記録されている。図3には、生体組織情報記録手段5aに記録されている生体組織情報の一例を示す。
【0022】
例えば、図3に示すように、生体組織情報記録手段5aには、頭蓋骨(Layer1)、灰白質(Layer2)、白質(Layer3)の三層構造の生体組織と、その物性値(各生体組織の厚さ:d〜d、各生体組織の比誘電率:ε〜ε、各生体組織の誘電損出:tanδ〜tanδ)がそれぞれ記録されている。なお、実際の脳では、頭蓋骨と脳との間は外側から硬膜・クモ膜・軟膜の3層からなり、クモ膜と軟膜の間はクモ膜下腔といわれ、髄液で満たされているが、ここでは、本発明の実施形態の説明を容易に行うために省略する。
【0023】
なお、生体組織情報記録手段5aに記録されている生体組織構造及びその物性値は、一般的な人間の生体頭部における生体組織構造及びその物性値が記録されていてもよく、別の方法(例えば、超音波パルスエコー、電磁波パルスエコー、MRI等)で測定した生体組織構造及びその静的な状態における物性値等を入力して記憶させてもよい。
【0024】
反射波分離手段5aは、反射波検出手段4aで検出された反射波の位相及び振幅を解析し、解析された反射波の位相情報に基づいて、前記反射波を位相の異なる複数の反射波に分離する。
【0025】
電磁波を生体頭部に照射することによって、生体頭部から反射される反射波は、実際は、位相の異なる複数の反射波の合成波である。図4に、生体頭部に電磁波を照射した際の各生体組織での電磁波の反射、透過状況を表す反射、透過モデルを表す概念図を示す。
【0026】
図4に示すように、電磁波照射手段3aから電磁波(A0)を照射すると、最初に、生体頭部表面(頭皮)で一部の電磁波(A1)が透過し、一部の電磁波(B0)が反射する。反射した電磁波(B0)は、第1の反射波(B0)として検出される。透過した電磁波(A1)は、頭蓋骨(Layer1)を通過する間に一部が減衰し、頭蓋骨(Layer1)と灰白質(Layer2)の界面に到達する。頭蓋骨(Layer1)と灰白質(Layer2)との界面では、再び一部の電磁波(A2)が透過し、一部の電磁波(B1)が反射する。反射した電磁波(B1)は再び頭蓋骨(Layer1)を通過する間に一部が減衰して生体頭部表面へと戻り、生体頭部表面から放出される。放出された電磁波は、第2の反射波(C0)として検出される。この第2の反射波(C0)は、第1の反射波(B0)より、位相が遅れた状態で検出される。更に、透過した電磁波(A2)は、灰白質(Layer2)を通過する間に一部が減衰し、灰白質(Layer2)と白質(Layer3)の界面に到達する。灰白質(Layer2)と白質(Layer3)の界面では、一部の電磁波(A3)が透過し、一部の電磁波(B2)が反射する。反射した電磁波(B2)は、灰白質(Layer2)を通過する間に一部が減衰し、更に、頭蓋骨(Layer1)を通過する間に一部が減衰して、生体頭部表面と戻り、生体頭部表面から放出される。放出された電磁波は、第3の反射波(D0)として検出される。この第3の反射波(D0)は、第2の反射波(C0)より、更に位相が遅れた状態で検出される。
【0027】
このように、生体頭部に電磁波を照射すると、生体頭部表面及び生体頭部を構成する生体組織の界面で複数の反射が発生する。このため反射波検出手段4aで検出された反射波は、生体頭部表面及び生体頭部を構成する生体組織の界面でそれぞれ反射した位相の異なる複数の反射波の合成波として検出される。すなわち、図4の生体頭部に照射した電磁波の反射、透過モデルで説明すると、反射波検出手段4aで検出される反射波は、図5(a)に示すような位相の異なる複数の反射波(B0、C0、D0)が合成された合成波(B0+C0+D0)として検出される。
【0028】
そのため、反射波分離手段5aでは、反射波検出手段4aで検出された反射波の位相を解析し、解析された反射波の位相情報に基づいて、前記反射波を位相の異なる複数の反射波に分離する。すなわち、図5(a)に示すような反射波検出手段4aで検出された反射波、すなわち、合成波(B0+C0+D0)の位相を解析し、解析された位相情報に基づいて、図5(b)に示すような位相の異なる複数の反射波(B0、C0、D0)に分離する。
【0029】
反射波分離手段5aにおける反射波の位相の解析は、パルス遅延時間で行うことが好ましい。これは、生体頭部における各生体組織の厚さは、例えば、頭蓋骨で約1cm、灰白質で数mmと非常に薄いため、反射波検出手段4aで検出される反射波の位相を解析して、位相の異なる複数の反射波に分離するためには、高分解能を有するパルス遅延時間で解析することが好ましい。
【0030】
反射波分離手段5aにおける反射波の分離は、パルス遅延時間による解析に加え、解析された前記反射波の振幅情報に基づいて行うことがより好ましい。
【0031】
図4における電磁波の反射、透過モデルを用いて説明すると、検出された第1の反射波(B0)の振幅は、第2の反射波(C0)、第3の反射波(D0)に比べて非常に大きい。言い換えれば、第1の反射波(B0)は、照射した電磁波(A0)に比べて振幅の減衰が一番少ない。これは、第1の反射波(B0)は、生体頭部表面で反射しているため、照射した電磁波の振幅の減衰は、生体頭部表面の透過のみだけである。これに対して、第2の反射波(C0)は、生体頭部表面における反射(B0)、頭蓋骨(Layer1)を透過する際の頭蓋骨内での減衰(A1)、頭蓋骨(Layer1)と灰白質(Layer2)との界面における透過(A2)、頭蓋骨(Layer1)を透過する際の頭蓋骨内での減衰(B1)と、少なくとも4回の振幅の減衰を受ける。また、第3の反射波(D0)は、生体頭部表面における反射(B0)、頭蓋骨(Layer1)を透過する際の頭蓋骨内での減衰(A1)、頭蓋骨(Layer1)と灰白質(Layer2)との界面における反射(B1)、灰白質(Layer2)を透過する際の灰白質内での減衰(A2)、灰白質(Layer2)と白質(Layer3)との界面における透過(A3)、灰白質(Layer2)を透過する際の灰白質内での減衰(B2)、及び、頭蓋骨(Layer1)を透過する際の頭蓋骨内での減衰(C1)と、少なくとも7回の振幅の減衰を受ける。そのため、例えば、図5(b)に示すように、各生体組織の反射位置により、検出される反射波の振幅強度は減少する。
【0032】
非特許文献:S Gabriel et al.Phys.Med.Biol.41(1996)pp.2251−2269によれば、照射電磁波波長が1GHzの時の骨の比誘電率εは12であり、誘電損出tanδは0.24であると記載されている。これは、骨に含まれる水分は少ないため比誘電率、誘電損失ともに相対的に小さい。
【0033】
非特許文献:K.R.Foster et al.Phys.Med.Biol.24(1979)pp.1177−1187によれば、脳の灰白質の比誘電率εはおよそ50、誘電損出tanδはおよそ0.4、脳の白質の比誘電率εはおよそ35、誘電損出tanδはおよそ0.3であると記載されている。脳の灰白質は、血液等の液体が流れる層であるため、比誘電率、誘電損失ともに相対的に大きく、脳の白質は脂肪分が多く含まれるため灰白質に比べると、比誘電率、誘電損失の値が比較的小さい。
【0034】
以上の点から、例えば、図4でいう第1の反射波(B0)は、照射した電磁波に比べて一番振幅の減衰が小さく、続いて、第2の反射波(C0)においても、透過して減衰する生体組織が頭蓋骨のみであり、この頭蓋骨は比誘電率ε、誘電損出tanδがともに相対的に小さいため、第1の反射波(B0)に比べると振幅の減衰はあるものの、比較的減衰が少ない状態で検出される。しかしながら、第3の反射波(D0)は、頭蓋骨のみならず、比誘電率、誘電損出が大きい灰白質を2回も透過するため、その振幅の減衰は非常に大きくなる。
【0035】
すなわち、反射波検出手段4aで検出された反射波の振幅情報、すなわち、振幅強度の違いに関する情報を用いることで、より的確に、反射波検出手段4aで検出された反射波を、位相の異なる複数の反射波に分離することができる。
【0036】
例えば、図6に示すように、検出された反射波の位相がパルス遅延時間で分析しても第2の反射波(C0)が完全に分離できない場合でも、第1の反射波(B0)の振幅をA、第2の反射波(C0)の振幅をAC0、第3の反射波(D0)の振幅をAD0とした場合に、その振幅強度の差を用いて、第2の反射波(C0)の振幅強度を演算することができる(図6参照)。このため、第1の反射波(B0)、第2の反射波(C0)、第3の反射波(D0)をそれぞれ分離することができる。
【0037】
このように、反射波分離手段5aは、反射波検出手段4aで検出された反射波が、生体頭部表面及び生体頭部を構成する生体組織界面でそれぞれ反射した複数の反射波の合成波であるため、この合成波の位相、より好ましくは、この合成波の位相と振幅を解析して、これらの位相情報、より好ましくは、位相情報と振幅情報に基づいて、反射波検出手段4aで検出された反射波(合成波)を位相の異なる複数の反射波に分離する。
【0038】
反射位置特定手段5aは、反射波分離手段5aにより分離された位相の異なる複数の反射波の生体組織情報記録手段5aに記録されている生体組織構造における反射位置を特定する。
【0039】
生体組織構造内での反射位置の特定は、反射波分離手段5aにおいて解析された反射波の位相情報又は振幅情報を用いて行う。すなわち、位相情報を用いる場合は、分離した反射波の検出順、振幅情報を用いる場合は、その振幅強度により行う。
【0040】
時間的変化検出手段5aは、反射位置特定手段5aにより反射位置が特定された反射波のうち、生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波を選択し、選択された反射波の位相及び振幅における時間的な変化を検出する。生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織とは、本実施形態では、灰白質(Layer2)であり、この領域を通過した反射波は、第3の反射波(D0)である。
【0041】
脳内部の神経活動をつかさどる生体組織には、数多くの神経細胞があり、互いに相互作用を及ぼしながら活動している。それぞれの神経細胞においては細胞膜を介したイオンの出入りによる電気的活動と、神経細胞間においては神経伝達物質と呼ばれる生化学物質の移動により情報が伝達される。このような神経活動等により、生体組織の物性値、特に、複素誘電率や誘電緩和時間が時間と共に変化する。なお、神経活動を行う生体組織の物性値が変化すると、電磁波の透過率、反射率が時間的に変化する。そのため、生体活動をつかさどる生体組織を通過した反射波の振幅は一定ではなく、神経活動に応じて時間的に変化する。
【0042】
なお、生体頭部の電磁波媒体としての時間的変動は、上述した神経活動等以外に、脳内部の生体組織の機械的な移動(心筋の活動、血管内の血液の移動など)などによる生体組織の厚さの変動による影響も受ける。これらは、いずれも主として、反射波の位相の時間的変化として検出される。
【0043】
よって、生体頭部の神経活動をつかさどる領域を通過した第3の反射波(D0)のみの位相及び振幅の時間的変化を他の影響とは分離して検出することで、生体頭部における脳内部の神経活動を正確に把握することができる。
【0044】
以上、示したように、本実施形態では、生体頭部に電磁波を照射して、検出した反射波の位相及び振幅を解析し、解析した位相情報に基づいて、前記反射波を位相の異なる複数の反射波に分離し、分離した反射波の前記生体頭部の生体組織内での反射位置を特定し、反射位置が特定された反射波のうち、前記生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波を選択し、その反射波の位相及び振幅における時間的な変化を検出することで、生体頭部の神経活動を高精度に把握することができる。
【0045】
次に、本発明の脳内神経活動検出装置に関わる構成回路図の一例を説明する。
【0046】
図7は、本発明の脳内神経活動検出装置に関わる構成回路図のブロック図の一例を示す概念図である。
【0047】
本発明の脳機能測定装置は、例えば、図7に示すように、送信回路21と、アンテナ部22と、受信回路23と、信号処理部24から構成されている。
【0048】
送信回路21は、例えば、水晶発振器25と、PLL26と、電圧制御発振器27と、電力増幅器28と、バンドパスフィルター29によって構成される。水晶発振器25と、PLL26と、電圧制御発振器27とを用いて発振させた高周波の正弦波信号を電力増幅器28により増幅し、バンドパスフィルター29により高調波成分を除去した後に、アンテナ部22に送られ、アンテナ部22から生体頭部に向けて照射する。
【0049】
アンテナ部22から生体頭部に向けて照射する電磁波の周波数は、数百MHzから、10GHzまでの範囲で行うことが好ましい。
【0050】
生体に照射する電磁波の周波数が、数百MHzより低い周波数を用いる場合は、水分子の分極以外に、たんぱく質やDNAなどの他の分子がもつ分極成分が大きくなり水分子そのもの複素誘電率、誘電緩和時間の変化を、検出することが難しい。一方10GHzよりも高い周波数帯では、水分子の緩和周波数(25GHz)に近くなるため、生体頭部内を通過する電磁波の減衰が大きくなり、生体頭部から反射する反射波の振幅強度が小さくなるため、反射波の検出が困難となる。
【0051】
受信回路23においては、生体頭部の神経活動により変調されて戻ってきた反射波を、アンテナ部22で受信し、サーキュレータ30で出力信号と入力信号に分離した後、バンドパスフィルター31により両信号の高調波成分を除去したのちに、低雑音増幅器32で増幅して、ミキサ33、ミキサ34に出力する。更に、ミキサ33には、送信回路21で発生させた高周波の正弦波信号を、ミキサ34には、正弦波信号の位相をπ/4遅らせた余弦波信号をそれぞれ入力されることで、低雑音増幅器32で増幅された出力信号と入力信号は、直交復調され、ローパスフィルター35、36により低周波成分のみを取り出して、得られたアナログ信号をA/D変換器37、38によりデジタル信号に変換する。
【0052】
信号処理部24では、デジタル信号化された反射波信号を用いて前述した神経活動検出手段5aの解析が行われ、脳内の神経活動の振幅及び位相の時間的変化をそれぞれ独立に検出する。
【0053】
<第2の実施形態(脳内神経活動検出装置)>
本発明に係る脳内神経活動検出装置の第2の実施形態について図面を用いて説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る脳内神経活動検出装置の各構成部のブロック部である。
【0054】
本発明の第2の実施形態に関わる脳内神経活動検出装置50は、第1の実施形態の脳内神経活動検出装置1に加えて、反射波補正手段5aが更に加わった構成を有している。その他の構成は第1の実施形態の脳内神経活動検出装置1と同様なため説明を省略する。
【0055】
反射波補正手段5aは、反射位置特定手段5aで反射位置が特定された反射波のうち、生体頭部の神経活動をつかさどらない生体組織のみを通過した反射波の位相又は振幅の時間的な変動を検出し、その変動を、神経活動をつかさどる生体組織を通過した前記反射波の位相又は振幅の時間的な変化に反映させて補正する。
【0056】
前述した反射波分離手段5aでは、生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波に加え、生体頭部の神経活動をつかさどらない生体組織のみを通過した反射波も分離されている。ここでいう生体頭部の神経活動をつかさどらない生体組織のみを通過した反射波は、本実施形態では、第1の反射波(B0)、第2の反射波(C0)がこれに相当する。これらの反射波は、通過した生体組織、または、生体組織間における反射及び透過等により、照射した電磁波に比べると、振幅の減衰及び位相の変調を受けている。
【0057】
しかしながら、神経活動をつかさどらない生体組織、特に、頭蓋骨は、神経細胞集団の同期した電気的活動、神経細胞間においては神経伝達物質と呼ばれる生化学物質の移動による情報の伝達等は行われない。すなわち、神経活動における物性値、特に、複素誘電率や誘電緩和時間の時間的変化は、神経活動をつかさどる生体組織に比べると非常に小さい。さらに、頭蓋骨は、脳内部の生体組織の機械的な移動(心筋の活動、血管内の血液の移動など)などによる頭蓋骨自身の厚さの変動も当然のことながら皆無に等しい。
【0058】
このため、検出される生体頭部の神経活動をつかさどらない生体組織のみを通過した反射波の位相又は振幅における時間的変化は、実際、極微小な変動はあるものの一定として定義しても問題ない。すなわち、生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波の時間的変化を検出する際の妨げになることはない。
【0059】
このように、生体頭部の神経活動をつかさどらない生体組織のみ、例えば、頭蓋骨のみを通過した反射波は、前述したように、位相及び振幅の時間的変動はほとんど無い。このため、例えば、頭蓋骨のみを経由した反射波の位相又は振幅が変動した場合には、その変動は他の要因(例えば、電磁波発生回路の変動等)で発生したノイズであると考えられる。そのため、この変動を、神経活動をつかさどる生体組織を経由して反射した反射波の位相及び振幅の時間的変化に反映させることで、発生したノイズをキャンセルすることができるため、より高精度に生体頭部における神経活動を検出することができる。
【0060】
以上、示したように、本実施形態では、生体頭部を構成する生体組織のうち、生体頭部の神経活動をつかさどらない生体組織のみを通過した反射波の位相又は振幅における時間的変化を検出し、それを、生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波に反映させて、補正することで、生体頭部の神経活動の変化をより高精度に把握することができる脳内神経活動検出装置を提供することができる。
【0061】
<脳内神経活動検出装置を用いた脳機能診断装置に関する実施形態>
次に、本発明に関わる脳内神経活動検出装置を用いた脳機能診断装置について図面を用いて説明する。
【0062】
図9は、本発明に関わる脳内神経活動検出装置を用いた脳機能診断装置に関する概念図である。
【0063】
本発明に関わる脳機能診断装置は、上述した脳内神経活動検出装置60と、脳内神経活動検出装置60に接続され、脳内神経活動検出装置60で検出された脳内の神経活動の時間的な変化を解析することで脳機能を診断する脳機能診断部61と、脳機能診断部61で診断された結果を出力する出力部62とを備えている。
【0064】
脳内神経活動検出装置60は、例えば、図7に示すような送信回路21、アンテナ部22、サーキュレータ30、受信回路23、信号処理部24を備えたアンテナ制御解析部63とを備えている。
【0065】
脳機能診断部61は、脳内神経活動検出装置60で検出された脳内の神経活動の時間的な変化を解析することで脳機能を診断する脳機能診断手段を備えており、例えば、IC回路で構成されている。
【0066】
脳機能診断手段は、例えば、生体頭部の脳血栓の有無を確認することができる。すなわち、脳機能診断装置により、測定した患部における測定結果が、反射波分離手段5aによって、生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波が分離されない場合、又は、生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波が分離されても、その時間的変化が微小又は無い場合は、その患部には、図10に示すような脳血栓64が存在すると診断することができる。これは、脳血栓64の存在により、生体頭部に照射した電磁波が脳血栓64の表面で透過せずに乱反射してしまい、生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波を検出することができない、又は、検出できたとしても振幅が非常に微弱な反射波であるからである。
【0067】
出力部62は、脳機能診断部61で診断された結果を出力し、被測定者に伝達する出力手段を備えており、例えば、結果を文字で出力する表示装置、結果を音声で出力する音声発生装置で構成されている。
【0068】
また、本発明の脳機能診断装置は、医療分野において、より応用的な治療も行うことができる。例えば、アルツハイマーの患者に対して、その生体頭部の神経活動をつかさどる生体組織を通過した反射波の時間的な変化を検出し、その時間的な変化傾向を健康な人間のものと比較して、その違いを検出し、健康な人間のそれに近づけるように、電気的治療等を行うという新たなアルツハイマーの医学治療等に応用することができる。
【0069】
<脳内神経活動検出装置を用いた思考映像表示装置に関する実施形態>
次に、本発明に関わる脳内神経活動検出装置を用いた思考映像表示装置について図面を用いて説明する。
【0070】
図11は、本発明に関わる脳内神経活動検出装置を用いた思考映像表示装置に関する概念図である。
【0071】
本発明に関わる思考映像表示装置70は、上述した脳内神経活動検出装置が複数配置された神経活動検出部71と、神経活動検出部71内の複数の脳内神経活動検出装置のうち、脳内神経活動の変化が検出された脳内神経活動検出装置の検出位置を解析する検出位置解析部72と、検出位置解析部72で解析された検出位置の位置情報に基づいて、被測定者の思考を表示する思考表示部73とを備えている。
【0072】
神経活動検出部71は、図12に示すように、複数の脳内神経活動検出装置のアンテナ部74(74(1.1)・・・・74(x.y))と、複数のアンテナ部74からの照射、検出、解析等を行うアンテナ制御部75とを備えている。
【0073】
アンテナ制御部75は、例えば、図7に示すような、送信回路21、サーキュレータ30、受信回路23、信号処理部24を備えている。
【0074】
検出位置解析部72は、図12に示すような神経活動検出部71の複数のアンテナ部74のうち、脳内神経活動の変化が検出されたアンテナ部の検出位置を解析する検出位置解析手段を備えている。
【0075】
思考表示部73は、検出位置解析部72で解析された検出位置の位置情報に基づいて被測定者の思考を表示する思考表示手段を備えている。
【0076】
本発明に関わる思考映像表示装置70の使用例を説明する。
【0077】
図13に示すように、被測定者が神経活動検出部71を頭にかぶり、例えば、二次元的な円を想像してもらい、その想像の結果、複数のアンテナ部74のうち、脳内の神経活動の変化が検出されたアンテナ部74の位置を記憶する。さらに、三角、四角、楕円、球体、立方体、直方体、色(赤、青、黄色・・)等のできるだけ多くの映像について想像してもらい、そのときの複数のアンテナ部74のうち、脳内の神経活動の変化が検出されたアンテナ部74の位置を記憶する。すなわち、被測定者が円、三角、四角、色等をそれぞれ思い浮かべる際に、それぞれ脳の神経活動が活性化するアンテナ部74の位置を記憶させる。
【0078】
以上記録されたそれぞれの映像に対する検出位置の位置情報に基づいて、被測定者の思考に伴う生体頭部の脳内神経活動が活発する位置を解析する。
【0079】
このように、被測定者の思考に対する生体頭部の脳内神経活動が変化するアンテナ部の位置の傾向を把握することで、例えば、図14に示すように、被測定者が花を想像した際に、脳内神経活動の変化が検出されたアンテナ部74の位置情報に基づいて、その被測定者の想像した花を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る脳内神経活動検出装置の各構成部のブロック図。
【図2】生体頭部に電磁波を照射した際の電磁波の変調状態を説明する概念図。
【図3】生体組織情報記録手段に記録されている生体組織情報の一例を示す概念図。
【図4】生体頭部に電磁波を照射した際の各生体組織での電磁波の反射、透過状況を表す反射、透過モデルを表わす概念図。
【図5】反射波分離手段を説明するための概念図。
【図6】反射波分離手段を説明するための概念図。
【図7】本発明の脳内神経活動検出装置に関わる構成回路図のブロック図の一例を示す概念図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る脳内神経活動検出装置の各構成部のブロック図。
【図9】本発明に関わる脳内神経活動検出装置を用いた脳機能診断装置に関する概念図。
【図10】脳内に脳血栓が存在した場合の脳機能診断装置に関する概念図。
【図11】本発明に関わる脳内神経活動検出装置を用いた思考映像表示装置に関する概念図。
【図12】図11の神経活動検出部71を拡大した概念図
【図13】本発明に関わる思考映像表示装置の使用例を説明する概念図。
【図14】本発明に関わる思考映像表示装置の使用例を説明する概念図。
【符号の説明】
【0081】
1 脳内神経活動検出装置
2 電磁波発生部
2a 電磁波発生手段
3 電磁波照射部
3a 電磁波照射手段
4 反射波検出部
4a 反射波検出手段
5 神経活動検出部
5a 神経活動検出手段
5a 生体組織情報記録手段
5a 反射波分離手段
5a 反射位置特定手段
5a 時間的変化検出手段
5a 反射波補正手段
6 電磁波
7 電磁波
21 送信回路
22 アンテナ部
23 受信回路
24 信号処理部
25 水晶発振器
26 PLL
27 電圧制御発振器
28 電力増幅器
29 バンドパスフィルター
30 サーキュレータ
31 バンドパスフィルター
32 低雑音増幅器
33 ミキサ
34 ミキサ
35 ローパスフィルタ
36 ローパスフィルタ
37 A/D変換器
38 A/D変換器
50 脳内神経活動検出装置
60 脳内神経活動検出装置
61 脳機能診断部
62 出力部
63 アンテナ制御解析部
64 脳血栓
70 思考映像表示装置
71 神経活動検出部
72 検出位置解析部
73 思考表示部
74 アンテナ部
75 アンテナ制御部




 
 


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