ライフハッカー編集部 - 仕事術,働き方 09:00 PM
やりたいことよりも、自分が役に立てることをしよう
99u:先月、有名なベンチャーキャピタル、Andreessen Horowitz社の創始者の1人であり、経営者でもあるBen Horowitz氏が、母校コロンビア大学の卒業式で式辞を述べ、斬新なキャリアアドバイスを行いました。その要旨は、情熱には従うな、というものです。
たとえば、成功者1000人にアンケート調査をしたら、1000人全員が自分のしていることに情熱を傾けていると答えるでしょう。それもあって、「好きなことをすれば、成功する」というのが、世間一般的な考えかたです。確かに、それも一理あるかもしれません。しかし、違う見方をすれば、「成功しているから、自分のすることが好きなのだ」とも考えられます。さて、どちらが真実でしょうか?
Horowittz氏は、成功したいという思いやその実現に対して、自身の情熱をやみくもに注ぐのは賢明でないとし、その理由を次のように解説しました。
好きな気持ちは、比較するのが難しいものです。数学と工学、どちらが好きですか? 歴史と文学、どちらが好きですか?テレビゲームとK-popのどちらが好きですか? このような質問には答えづらいですが、質問を変えて、得意なものはどれですか? と聞かれれば、非常に答えやすくなります。
情熱は変化します。21歳の時に夢中になっていたことに、40歳になっても夢中でいられるとは限りません。
必ずしも好きだからといって、それが得意なことだとは限りません。American Idol(人気テレビ番組)を観たことはありますか? 歌うのが好きだからといって、プロの歌手になれるわけではありません。
やりたい気持ちに従うというのは、非常に自己中心的な世の中の見方です。しかし、時を経れば、世の中から何を享受したか(お金、車、物や賞賛)よりも、自分が何を社会に貢献したかのほうが大事なのです。
それゆえ、皆さんには、世の中への貢献につながるようなことをして欲しいのです。得意分野を見つけ、それを通じて、世の中に寄与してください。他者に貢献してください。より良い世の中になる手助けをするのです。それこそが、皆さんがなすべきことなのです。
彼のアドバイスは、ビジネス成功に向けた典型的なベン図のようなものです。(1)自分の得意なもの、(2)自分の好きなもの、(3)市場の需要があるもの、自身のビジネスアイデアが、この3つの要件を満たしているかをわかりやすく示しています。つまり、情熱は3分の1の割合に過ぎないのです。好きなことに集中するのは、財政面でも知性面でも満足なキャリアパスを考える際には重要です。しかし、感情だけに流されて、自身の得意なものや、世の中から求められているものを無視すべきではありません。
「自分のしていることが好きなことならば、人生において働くという日は1日もない」という格言があります。つまり、自分のしていることを好きになるには、仕事への強い情熱だけでなく、自分の行動がこの世界に影響を与えるとか、良い貢献ができているかどうかも、大きな要因だということなのです。
Follow Your Passion, Follow Your Contribution|99u
Allison Stadd(原文/訳:コニャック)