東芝利益水増し:社外取締役「見通し不自然」修正されず

毎日新聞 2015年07月20日 10時00分

東芝の歴代社長時代に浮上した利益水増し問題
東芝の歴代社長時代に浮上した利益水増し問題

 東芝の利益水増し問題で、佐々木則夫副会長が社長を務めていた2012年の取締役会で社外取締役が、売上高や利益などの見通しを「不自然」と指摘していたことが19日分かった。実態以上に高い業績を見込んでいると問題視されたが、修正されなかったとみられる。東芝は社外取締役の活用が「経営監視機能を発揮している」としているが、実際には外部からのチェックが十分には機能していなかったことが浮き彫りになった。問題を調査している第三者委員会(委員長・上田広一元東京高検検事長)も把握している模様だ。

 東芝は第三者委の報告書の概要を20日夜に、全文を21日に公表する。田中久雄社長は同日、記者会見する予定で、田中社長ら複数の経営幹部の引責辞任は避けられない見通しだ。

 関係者によると、取締役会で執行役ら幹部が利益見通しなどを盛り込んだ社内向けの予算を報告。業績が前年度より大幅に改善することを想定していたため、社外取締役の一人が「なぜ、こんなに楽観的な見通しが示せるのか」とただした。しかし、業績改善の根拠などの十分な説明はなかったという。

 これまで東芝では、インフラ関連工事などで利益の水増しが次々に判明。受注時に、損失が将来発生する可能性を認識しながら、損失に備えた引当金を計上しなかったり、具体的裏付けがないコスト削減策を決算に反映させて業績を良く見せたりするケースが明らかになっている。経営トップによる強い業績改善要求が背景にあったとみられる。

 今回の問題を巡っては、西田厚聡(あつとし)相談役が09年まで社長を務めていた際、パソコンの部品取引を巡って利益水増しがあった疑いも浮上。佐々木社長時代には社外取締役から業績見込みを疑問視する発言があったものの、東芝はこれを事実上放置した。利益の水増しはその後、田中現社長が就任した13年6月以降も引き継がれた形だ。同社は取締役16人のうち4人が社外取締役だが、外部からの「監視の目」は十分機能しておらず、同社の企業統治の在り方が改めて問われそうだ。

 第三者委の関係者は「あれだけの組織だから『この業績見通しはおかしい』という声があって当然。利益水増しが止まらなかったことが問題だ」と指摘している。【片平知宏、岡大介】

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