安保関連法案:戦争アカン…関西で広島で高知で若者や主婦

毎日新聞 2015年07月19日 22時08分(最終更新 07月19日 23時43分)

安全保障関連法案の廃案を訴える声を上げデモ行進する参加者ら=大阪市中央区で2015年7月19日午後6時3分、貝塚太一撮影
安全保障関連法案の廃案を訴える声を上げデモ行進する参加者ら=大阪市中央区で2015年7月19日午後6時3分、貝塚太一撮影

 衆院を通過した安全保障関連法案の廃案を求めるデモや集会が連休中日の19日も各地で行われた。ツイッターなどの呼び掛けに集まった若者たちの姿も目立った。「戦争アカン」。党派や世代を超えて反対の声が渦巻いた。

 大阪市内では、ツイッターやフェイスブックといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて集まった市民約8200人(主催者発表)が御堂筋をデモ行進した。大学生でつくる「自由と民主主義のための関西学生緊急行動」(シールズ関西)と、大阪の若者でつくる「民主主義と生活を守る有志」(サドル)の主催。

 シールズ関西のメンバーで神戸大大学院2年の塩田潤さん(24)が「欠陥だらけの法案をあんな横暴なやり方で通すのは民主国家ではない。首相には辞めてもらおう」と呼び掛けると、参加者は大阪市西区の公園を出発。大学生らは交代でマイクを握り、法案への反対を訴えた。幼い子どもを連れた女性や戦争を知る世代の姿も見られ、「戦争アカン」などと書かれたプラカードを掲げて歩いた。

 被爆地・広島市の中心部でも法案反対のデモ行進があり、約85人が市内の繁華街約1キロを練り歩いた。

 呼び掛けたのは広島市の主婦ら4人で、「戦争の過ちを繰り返させない」として先月末からSNSなどで参加を促してきた。デモ行進した広島市西区の2児の母、小川未来(みき)さん(35)は「何よりも自分の子どもたちが戦争に行くようなことにならないように声を上げた」と危機感を募らせていた。

 高知市では市民集会「憲法アクション inこうち」が高知城内の広場であり、約600人(主催者発表)が横断幕を掲げるなどしてデモ行進した。大学教員らでつくる「高知憲法アクション」など10団体が企画した。同市の主婦(39)は「安倍政権は『もっと議論を』と訴える国民の声を切り捨てている。やり方が許せない」と怒りの声を上げた。

 奈良市では市民ら約300人がJR奈良駅前から奈良公園までをパレード。「9条の会奈良県ネットワーク」の主催で、参加者は「アベ政治を許さない」と書かれたプラカードを手にし、「外交努力で平和を守ろう」などとシュプレヒコールを上げた。市内に住む学校教員の女性(32)は「国民を無視した採決を見て、このままではいけないと思った。子どもを戦場に送ってはならない」と強い口調で話した。【遠藤孝康、吉村周平、岩間理紀、矢追健介】

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