(さち子)大丈夫?
(さち子)こんな所で寝たら凍えちゃうよ。
(影男)3日ほど何も食べていなくてね…。
(影男)もうお帰り。
君が風邪をひいてしまう。
(さち子)お兄ちゃんこれ。
(影男)あっ…。
あっ…。
ありがとう…。
(小林)この2カ月で失踪した少女が9人。
(明智)また失踪か…。
(明智)今度は机にでもされたか?
(加賀美)不謹慎だぞ。
(せきばらい)今回の事件は影男による犯行の可能性ありとみられている。
(羽柴)影男というのは?変装の達人にして希代の怪盗。
まあ俺に言わせれば義賊気取りの変人さ。
やつは少女愛者だが実際に少女に手を出したという話は聞かない。
(加賀美)行方不明の子の自宅付近で紙袋をかぶった不審者の目撃情報があってね。
紙袋?やつは自らが影男であると明かすとき紙袋をかぶるんだ。
(小林)それは何か意味があるんですか?フン…やつなりのポリシーなんじゃないか?
(小林)影男大怪盗少女愛者。
明智先輩調査するんですよね?俺には関係ない事件だな。
えーっ!?明智君ホントに君は興味がない事件には関わろうとしないんだな。
だったら僕が捜査します。
君が!?いやそれは…。
明智先輩がやらないんだったら僕がやります。
いいでしょ?ちょっと失礼。
好きにしろ。
ホントですか!?やったー!分かった。
いやどっちでも。
適当じゃないって。
ああ。
ああ分かったから。
それじゃあ。
フゥ…。
警察からか?いや妹からだ。
夕飯のメニューのことでな。
電話までかけてこなくていいのに。
仕方ないやつだ。
ハァ…シスコンめ。
なっ!?違うと言ってるだろ!
(せきばらい)小林君誘拐事件のことだが素人の捜査は容認できない。
今回の協力要請はなかったことにしてくれ。
では。
・
(ドアの閉まる音)さてまず聞き込みから始めよっか。
聞き込みって…小林まさか勝手に捜査するつもりなのか?捜査資料に失踪した子たちがよく行ってた場所がリストアップされてたんだ。
いや待て小林…。
・じゃあ捜査を始めるか。
明智さん?捜査する気になったんですね。
まあな。
放っておくわけにもいかないだろ。
あなたにもそんな常識的な…。
明智先輩じゃない。
えっ!?ほう…。
すごい。
本物と見分けがつきません。
(影男)小林君だね?君と話をしたい。
僕もあなたに興味があります。
本当に紙袋かぶってるんだな…。
誘拐犯がなぜ自ら姿を?・
(少女)すみませ〜ん!
(影男)少女という存在は私にとって神に等しい。
(少女)ありがとう!
(影男)故に私は少女を傷つけるなど絶対にしない。
まして誘拐など…。
むしろ私は誘拐犯を追っている。
守るべき少女大曽根さち子君がやつに捕らわれた可能性があってね。
漫画喫茶の会員カード?でもこれ女性のカードですけど…。
あっなるほど。
女装して潜入しろと。
僕におとりになれというんですね。
何!?
(影男)私は少女にだけは変装できなくてね。
君が少女のふりをして犯人をあぶり出す。
有効な方法だろう。
待て。
おとりなんて…。
し…しかも女装なんてさせられるわけないだろう!おい。
待てよおい!やらせないからな絶対!絶対だぞ!聞いてるのか!?おーい!
(影男)
大曽根さち子は幼いときに母を亡くした
それでも笑顔を絶やさずけなげに日々を生きてきた
ある日彼女は病に倒れた
(医師)頑張って病気を治そうね。
(さち子)うん。
(さち子)いつ学校に行けるようになるかな…。
(看護師)えっそうなの?
(看護師)そうよ。
母親と同じ病気。
(看護師)じゃああの子も…。
(さち子の父)痛い所はないかい?つらいことがあったら何でも言うんだよ。
うん平気。
お父さん仕事が忙しかったら無理に来なくて大丈夫だよ。
父親は娘の顔を見ようとしなくなった
死んだ母を思い出してつらいのだろうと思いむしろ彼女は父を気遣った
(男性)さち子ちゃんは今日もいい子にしてたかな?うん。
ご飯もいっぱい食べて偉いねって褒められたよ。
別の病室の老人がよく彼女の所を訪れていた
見舞いに来る人は少なかったが老人と話しているとき彼女はいつも笑顔を見せた
(さち子の父)そんな金額払えるわけないじゃないですか!
病を治すために必要な手術費用はあまりにも莫大だった
(さち子の父)さち子…すまない…。
ううん。
私平気だよ。
(看護師)元気になったらさち子ちゃんは何がしたい?う〜ん…。
お花見!海にも行きたいし遊園地もいいな。
でも…。
一番は学校…。
学校に行きたい…。
学校のみんな私のこと忘れちゃうよ…。
(看護師)きっともうすぐ…。
もうすぐよくなるから…。
(さち子の泣き声)
窓から見える季節の移り変わりを見慣れてしまったころ
(さち子の父)さち子手術の日が決まったぞ!手術費を寄付してくれた人がいたんだ!本気なのか?おとりになるって。
本気だよ。
危険だ!9人もさらわれてるんだぞ!う〜ん…。
だったら携帯のGPSで羽柴君が僕の位置を分かるようにしておくよ。
ん。
それなら安心でしょ?だ…だけど…。
あっ!し…下着!こここ…これを俺はどうすれば…。
どうもしないでちょっと持っててくれればいいから。
そ…そそそ…そっか。
そうだよな。
あっ…。
どうかな?か…か…うん。
い…いいんじゃないかな。
うん?深夜の漫画喫茶。
一人でやって来る少女は誘拐犯にとって格好の獲物だ。
獲物が来たら運びやすい席を勧めてあてがう。
えっあっ…。
獲物が注文した食べ物に睡眠薬を入れて眠らせ店内の監視カメラを逃れるためダストボックスに隠して運ぶ。
運ぶ途中足が付きそうな持ち物は全て処分する。
これで整った。
(綿貫)僕のカワイイ娘たち。
今日からこの子が新しいお姉さんや。
(少女)わーい!
(少女)家族が増えてうれしいわ。
(少女)やったー!
(綿貫)起きたらこの子の歓迎会しよな。
(綿貫)彼女の服を用意せんといかんな。
・
(ドアの開閉音)潜入成功。
けど手錠が…。
君たちは誘拐されたんだね?拘束されているわけでもないのに何で逃げないの?
(少女)逃げる…。
(少女)嫌…。
へぇ〜。
《誘拐犯への恐怖かな…》《逃げる意思を持てなくなってるんだ》ハァハァ…。
明智さんこ…小林が!靴脱げよ。
そんなことよりも…。
脱げ。
分かりましたよ!小林がさらわれたんです!影男が小林におとり捜査を提案して。
俺がもっと強く止めていれば…。
聞いてますか!?聞いているさ影男だろ?問題ない。
えっ?・君が出ろ。
はっ!?あ〜眠い。
はい明智探偵事務所です。
はい。
えっ!?はい。
(綿貫の母)息子がご迷惑をお掛けして…。
《誘拐犯の母親?》あっ…。
・
(ドアの開閉音)・
(ドアの開く音)あっ。
誘拐に協力してるんですか?
(綿貫の母)いや…。
彼女は協力しているというより自分の息子におびえて口出しできないだけだ。
あなた影男さん?
(影男)すまなかったね。
君を危険にさらして。
あなたが会員カードにGPSを仕込んでいたこと分かってましたから。
ここは犯人の家の敷地内にある倉庫でね彼の家は裕福な元土建業者だ。
彼女たちは娘と呼ばれていました。
この空間はきっと…。
家庭です。
彼は家族愛を求めていた。
いびつな人なんですね。
でもよかったです。
捜してる少女が見つかって。
あっ…待ていない。
えっ?
(影男)なぜだ…。
どこだ。
どこにいるさち子君!
(影男)君たち他の子はどうしたんだ!?向こうの壁の布…。
(影男)あっ…まさか…。
(影男)ありがとう。
(さち子)私の方こそありがとう。
(影男)なぜお礼を?私が入院してたとき毎日お見舞いに来てくれたおじいさんはお兄ちゃんだよね?
(影男)えっ!?
(さち子)時々看護師さんにもなって私のこと励ましてくれた。
(影男)どうして私の変装を…。
分かるよ。
声も姿も変わってても優しい空気は同じだから。
私の手術代出してくれたのもきっとお兄ちゃんだよね?あの後一度も遊びに来てくれなかったから私お礼言うことができなくて。
(影男)私は君が元気になってくれただけで…。
(さち子)ありがとう。
お兄ちゃんのおかげで私の体治ったよ。
今は毎日学校が楽しいの。
友達たくさんできたんだ。
春にはお花見したよ。
夏には海に行ったし。
今度はお父さんのお休みに遊園地に行くんだ。
(影男)毎日幸せかい?うん!
(影男)着けてごらん。
きっとよく似合う。
何これ〜気持ち悪〜い。
(影男)そうか気持ち悪いか。
ハハッ。
さち子君。
君の苦しい時間は終わったんだ。
これからはずっと幸せな時間が続く。
もしまたつらいことが降り掛かっても必ず私が助けに行く。
約束だ。
(さち子)約束?
(影男)そう。
約束だ。
(影男)やく…そく…。
(影男)すまない…。
約束…守れなかった…。
(影男の泣き声)・
(ドアの開く音)
(綿貫)誰なん?何してんの?何や?君。
(影男)うわー!!
(綿貫)うっ…何するんや。
(影男)ぐはっ!
(影男)ううう…。
(綿貫)君影男か?ネットの噂じゃ聞いてたけどな。
僕あんたの格好まねて娘を家に招待したこともあるんや。
(影男)なぜ殺した…。
(綿貫)あ?
(影男)なぜさち子君を殺したー!さち子?ああ大曽根さち子な。
あいつは僕の娘になろうとせんかったんや。
せやからなすぐに砕いてセメントに混ぜて壁にしてもうてん。
僕の娘にならへん少女はいらんわ。
(影男)いらない少女などいない!全ての少女が幸せになる権利がある!
(影男)ぐあっ!
(影男)うっ!うう…。
(綿貫)うん?
(影男)さち子君は幸せに…なれるはずだった!ずっと…幸せが…続くはずだった!
(綿貫)いいかげんにしいや。
(影男)ぐっ!
(影男)さち子君の…幸せを…笑顔を…!君うっとうしいで。
(影男)ぐあっ!奪った…幸せを…!
(綿貫)君怖いわ。
(影男)許さない…許さない…許さ…ない…許さない!
(綿貫)怖っ。
しつこいしつこいで!ホンマ!
(影男)許さない!許さない!許さない!ひい…!
(影男)許さないーっ!!・
(加賀美)そこまでだ綿貫!小林!小林はどこだ!?
(中村)焦るなよお坊ちゃん。
(綿貫)あっ…来るな!僕の家庭をまた壊しに来たんかー!あっおい!
(綿貫)ああっ!綿貫未成年者誘拐の容疑で逮捕する!影男から電話があってこの場所を教えてくれたんだ。
小林最初から携帯なんて役に立たないって分かってたんだな。
君を巻き込みたくなかったから。
あっ…。
バカ頼れよ僕を。
あっ…ごめん。
ん?どうしたんですか?加賀美さん。
いや…綿貫は以前にも未成年の少女に対して事件を起こしているんだ。
そのときは精神鑑定で無罪釈放になってね。
再犯者だったんですか?ああ。
それと小林君無事だったからよかったものの勝手な捜査は…。
・
(中村)加賀美警視!影男が見当たりませんよ。
あっ…。
(中村)逃げられましたかね…。
(加賀美)そうですか…。
引き続き影男の捜査は続けましょう。
結局影男に使われてしまったな。
関わるつもりはなかったんだが…。
小林が無事だったからよかったじゃないですか。
その湿布は?あのデブをやったときにな。
痛めたんですか?蹴ったときに股関節も脱臼した。
あっ。
少年湿布を買ってきてくれ!
(トイレの水を流す音)はーい。
でも本当に無事でよか…た!?はっはっ!?待て!小林!何でまたその格好なんだ!?ハァ〜。
普段からこの方が捜査しやすいかと…。
頭痛がひどい…。
だー!駄目だ駄目だ破廉恥だ!そんなに足出して。
肌色の面積が多過ぎるじゃないか!2015/07/17(金) 01:55〜02:25
関西テレビ1
乱歩奇譚Game of Laplace[字]
第3話「影男」
世間を騒がす怪人影男に興味津々のコバヤシ少年。独自に調査を始めると影男の方からコバヤシ少年に会いに来たではありませんか。その真相は—。
詳細情報
番組内容
「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと—」
没後50年となる日本を代表する作家・江戸川乱歩が綴った、「人間椅子」・「影男」・「怪人二十面相」・「パノラマ島」など心躍らされる、耽美かつ奇怪、そして幻想的な世界観を、数々の話題作を送り出したアニメ界の奇才チーム、監督:岸誠二、脚本:上江洲誠、制作:Lercheが、現代に蘇らせた完全新作アニメーション!!
番組内容2
「その日、初めて退屈じゃなくなった—」
とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。
この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。
異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。
次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。
出演者
アケチ: 櫻井孝宏
コバヤシ: 高橋李依
ハシバ: 山下大輝
カガミ: 小西克幸
ナカムラ: チョー
黒蜥蜴: 日笠陽子
影男: 子安武人
ミナミ: 藤田咲
死体君: 山口勝平
ほか
スタッフ
【原案】
江戸川乱歩
【監督】
岸誠二
【シリーズ構成・脚本】
上江洲誠
【キャラクターデザイン】
森田和明
【総作画監督】
山形孝二
【プロップデザイン】
廣瀬智仁
【CGディレクター】
内山正文
【美術監督】
宮越歩
【美術設定】
曽野由大
【色彩設定】
加口大朗
【撮影監督】
三品雄介
【編集】
坂本雅紀
【音響監督】
飯田里樹
スタッフ2
【音楽】
横山克
【アニメーションプロデューサー】
比嘉勇二
鹿嶌舜
【アニメーション制作】
Lerche
【制作】
乱歩奇譚倶楽部
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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