NHK高校講座 地理「水から世界を考える」 2015.07.17


フリードリヒ2世はイスラームと外交交渉による平和条約を結ぶ事に成功した。
地球は水の惑星。
その全体量は…雨や雪は地上に降り注ぐと土壌に浸透して地下水となり河川に流出して海に注ぎ蒸発して再び雨になります。
形を変えて循環する水。
その量はほぼ一定に保たれています。
しかし14億の全てを人間が使える訳ではありません。
淡水の2/3は氷河など凍ったままで残りの1/3もほとんどが地下水。
つまり河川や湖など私たちが利用しやすい水は僅かに0.01%しかないのです。
今日は世界の水について考えていこうと思うんですがドミちゃん今のびっくりしましたよね。
(ドミニク)びっくりした。
僕らが使える水というのは全体の0.01%しかないという。
でもそんなに少ないなんて日本にいると考えられないですね。
確かに日本は水に恵まれてる印象がありますからね。
ちょっとこの地図を見てみて下さい。
これはですね……を示した地図です。
日本は紺色ですね。
紺色というのは国民のほとんどが安全な水を飲める国です。
水色が90%以下。
ベージュが75%以下。
そしてオレンジは50%未満しか安全な水が飲めないという…。
アフリカはほとんどの国が困ってますね。
困ってますね。
水色ベージュオレンジ多いですね。
アジアも結構困ってますね。
水不足で困ってる国や地域は実はたくさんあるんですがじゃあなぜそういう事が起きてるのか見てみましょう。
はい。
まず人間は水をどう利用しているのでしょうか。
水の利用法は大きく3つに分けられます。
その割合はほぼ7対2対1となっています。
70億人を超えた世界の人口。
その中でも近い将来人口世界一になるといわれているインドです。
ある日のニューデリー郊外。
皆さん棒のようなものを持ってトラックを待っていますが…。
始まった始まった。
みんな我先にと棒の先をタンクに突っ込んでいます。
給水車からホースで水をもらうんです。
水道設備の整っていない地域ではほぼ週に1度の給水に遅れたら暮らしていけないのです。
工業化が進み驚異の経済成長を遂げた中国。
衣服自動車家電などの生産は世界一。
世界の工場と呼ばれています。
アメリカ中部にある世界最大の穀倉地帯プレーリーとグレートプレーンズ。
ステップ気候のこの地域は降水量が少ないため地下水をくみ上げるかんがい農業で作物を育ててきました。
コンパスのようにアームを回転させながらまかれる水は1つの畑で…この大規模なかんがい農業を支えてきたのがオガララ帯水層という巨大な地下水源です。
その…しかし長年大量の水をくみ上げたせいで…もしこの地域で農業ができなくなったらアメリカから穀物を輸入している世界中の国々に影響が及んでしまうのです。
オガララ帯水層知ってました?知らなかったです。
あんな巨大なものがある事も知らないけどそれがもう枯渇しそうなんだって。
水って必要なんですね。
そうですね。
さてここからは先生にお話を聞いてみたいと思います。
三上岳彦先生です。
よろしくお願い致します。
先ほど農業用水工業用水それから生活用水という話が出たんですけども…ドミニクさん。
え〜っと…おっそんな使う?使わないかな?どうだろう?正解は?じゃあ答えですね。
答えあそこのペットボトル240。
こんなに?2入りですから全部で120本。
え〜!ドミちゃん予想の倍以上使ってますよ。
えっでもこんなに使ってないですよね。
そんな印象ですけど毎日シャワーは浴びてるし確かにトイレに行ったら水も流しますし炊事や洗濯もありますから。
それぐらい使ってたんだ。
先進国は毎日の暮らしで知らないうちに大量の水を使ってるんですね。
さっきアメリカの地下水が枯渇してるって話が出できましたけども日本でも目に見えないところでその事に関係してるんですよ。
え〜何だろう?そうですね。
じゃあもう一枚の地図で確かめてみましょうか。
よいしょ。
ん?何この矢印。
実はこれバーチャルウォーターという考え方。
日本は世界中から農産物や畜産物工業製品など輸入しています。
もしそれらを日本で生産したとしたらどれだけの水が必要になるかそれを計算したのがバーチャルウォーター。
この地図は日本がそれぞれの国から輸入している1年分のバーチャルウォーターを表しています。
例えば穀物や肉をたくさん輸入しているアメリカからは年間339億m^3のバーチャルウォーターを輸入している事になるのです。
直接的に水を輸入してる訳じゃないけれども間接的にはたくさんの水を輸入してる事になってるよという。
だから水を輸入してるというのはペットボルト輸入してるそうじゃなくて…「隠れた水」それがバーチャルウォーター。
そうですね。
このハンバーガー1個を作るのに一体何の水が使われてる?うん?何。
ドミちゃん分かる?どうですか?40。
じゃあちょっと正解を見てみましょう。
あらっ。
ハンバーグの材料は牛肉ですよね。
牛肉つまり牛はトウモロコシとかそういう穀物を食べて育ちますよね。
だから穀物を栽培するのに必要な水の量も計算する。
それからパンは小麦を材料としてる。
だから小麦を栽培するのに水が必要だ。
というのを全部足すと999。
約1,000ですね。
ドミちゃんこれ100だったらパンしか食べれないよ。
肉ないよ。
肉欲しいですよ。
1,000というのはさっきの2ペットボトルでいうと500本ですよ。
はぁ〜。
すごいですね。
1個のハンバーガーで。
結局…この量はですね…つまりそれだけの量の水を…使ってるのと同じくらい輸入しちゃってると。
水の問題ってひと事じゃないってよく分かりました。
でもこれで終わりじゃないみたいですよ。
世界の水問題はまだまだあるようです。
ではご覧頂きましょう。
水不足で多くの国が困っていますが水の問題はそれだけではありません。
ここはアフリカジプチ。
多くの発展途上国では水道が設置されていないため人々は遠くまで水をくみに行く必要があります。
この水くみが別の問題を引き起こしています。
ほとんどの国で水くみは女性と子供の仕事になっています。
炎天下を何時間も歩いて必要なら一日に何度も行わなければならない水くみ。
それは…水に関する労働が人権や教育問題にまで影響を及ぼしているのです。
一方中国をはじめとする新興国では工場廃水や生活廃水の垂れ流しによる環境汚染が問題になっています。
およそ3億人が安全でない水を使用しているといわれています。
養殖魚が全滅した湖。
水の汚染がもたらした悲劇です。
安全な水がどんどんどんどん減っていく。
水は大切にしないといけないですね。
そうですね。
私とか高校生はどうしたらいいですかね?高校生にできる事っていうとまず節水ですね。
大事だとまず心掛ける事ですね。
そうします。
砂漠化とかそういうものを進行させないためには…先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
ドミちゃん水の問題は僕らがリードして世界のみんなで考えるそれぐらいやんなきゃ駄目ですよ。
そうですね。
ではこのあとは世界の水問題に日本がどう取り組んでいるのか見てみましょう。
発展途上国では安全な水が不足しているために病気になったり命を失ったりしてしまう子供がたくさんいます。
そこで先進国のさまざまな団体は井戸を掘るという支援を続けています。
こちらはケニア。
ここで日本のNGOが手がけたのが上総掘りという千葉県で生まれた伝統的な工法の井戸掘りです。
木や竹の弾力を利用して人力だけで500mもの穴を掘る事ができるこの上総掘り。
特別な機械や燃料を使わず現地の人にもメンテナンスが可能な事からアフリカやアジアの国々に広まっています。
日本から何も持っていかないで現地で井戸が掘れるっていう部分は非常にこれからの時代に合ってると思いますので。
古い技術ですけども考え方によっては最先端だっていう部分も感じております。
更に地球の水の97.5%を占める海水。
これを生活用水などに利用できないものかと人々は研究を続けてきました。
1960年代海水を蒸発させて真水を回収するプラントが中東の国々で稼動するようになります。
しかしこの蒸発法はコストがかかり過ぎるため世界的には広まりませんでした。
それに代わって設置されるようになったのがこちら。
逆浸透膜という特別な膜を使って海水を淡水にするプラントです。
逆浸透膜には1000万分の1ミリというとても小さな穴が開いています。
この穴は塩分やウイルスよりも小さいため安全な水だけをろ過する事ができるのです。
この逆浸透膜現在日本のメーカーが世界のおよそ半分のシェアを占めているといわれています。
日本ってすごい貢献してるんですね。
してますね。
そして今日はですねその海水淡水化装置をスタジオに持ってきてもらいました。
すごいですよね。
開発販売会社の前田芳聰さんよろしくお願い致します。
(前田)よろしくお願いします。
これなんですけれども途上国なんかに持ってって浄水をする事ができると。
(前田)そうです。
ガーナで病院にですね使われてます。
手術をするのにも水がいる。
それからお医者さんには安全な水がいる。
それと赤ちゃんのミルクにも必要ですよね。
はいすごい。
すごそうですけれども早速動かしてもらってよろしいですか。
はい。
汚染された海水を想定してまず塩…お塩を入れます。
1中に35gのお塩が入りますので。
すごい塩入れますね。
続いて汚染されている事を表すため食紅で色を付けます。
更ににおい付けでお酢も少々。
こんだけ赤い海水は「エヴァンゲリオン」でしか見れませんよ。
じゃあこれをですね試飲して頂きましょう。
これは試飲に抵抗ありますけどね。
ちょっとおいしそうに見えますよね。
うわっ…あ〜。
まずい。
そしてスイッチを入れると…。
何か未来から来た道具のような。
もうね先端からポタポタ水出てきてるんですよ。
(ドミニク)しかも透明になって。
透明な…。
うわっうわっ…。
うわ〜。
出てる出てる。
すご〜い。
真っ赤な水がここまで透明に。
どんなメカニズムなんでしょう。
(前田)下にあるこの2本のフィルターこれが逆浸透膜ですけども…。
下が…。
あそこですね。
(前田)これがバクテリアとかウイルスを除去してます。
出来上がった水を早速飲んでみます。
頂きます。
お〜。
(前田)ちょっと甘くないですか?うん。
ほんのりおいしいですよ。
(前田)おいしいでしょう。
えっミネラルまで入れて?飲みやすく?
(前田)おいしくしてるんですね。
完璧じゃないですか。
これJAXAからスピンオフした浄水システムなんですか?そうなんです…尿がここに入って水になって出てくるって事ですか?
(前田)はい。
そういうですね中で安全な水…究極の安全な水を作ろうっていう事で共同開発したんです。
尿をおいしい水に変えるすごい機械ですね。
途上国にこれを持っていく事ができたら子供たちの水くみの問題あれも減りそうですよね。
ありがとうございました。
いいえありがとうございました。
こんな機械があると思わないでしょ?びっくりした。
これで将来の水不足とか心配しなくていいんじゃないですかね。
まだコストがかかるんだろうけどこういう技術は多分商売にもなるだろうし結構これで日本の浸透膜とか評価されたら日本の景気もよくなりそうだよね。
そうですよね。
これは期待ができるね。
水っていう資源は有限だけど人間の知恵は無限。
無限。
ドミちゃんナイス?ナイス。
ありがとうございます。
では次回も世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いっぱい知っちゃおう!しかし私たちが利用しやすい水はその中の僅か0.01%しかありません。
人口の増加や地下水のくみ上げによって貴重な水が減り続けています。
また途上国の水くみは教育の機会を奪うという問題にもつながっています。
輸入品を水で置き換えた数値。
日本はバーチャルウォーター輸入大国です。
外国の水問題にも関心を持つようにしましょう。
2015/07/17(金) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「水から世界を考える」[字]

人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。

詳細情報
番組内容
水の惑星とよばれる地球。地球上には多くの水が存在するが、人間が生きていくために利用できる水の量はきわめて限られている。そして、今、世界では水をめぐるさまざまな問題も起こっている。そこで今回は、地理の視点で「水」の問題を考えよう! 「水から世界を考える」 (1)地球の水循環 (2)世界の水問題 (3)バーチャルウォーター
出演者
【講師】帝京大学文学部教授…三上岳彦,【出演】中田敦彦,ドミニク,【語り】安元洋貴

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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