NHKニュース7 2015.07.17


川があふれ、学校が。
四国と中国を直撃。
被害は広範囲に及んでいます。
こんばんは。
ニュース7です。
今夜はまず、国立競技場です。
東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムに大きな変更です。
新しい国立競技場は、このキール・アーチと呼ばれる、弓の形をした柱が、斬新なデザインの象徴でしたが、一方で建設費が膨れ上がり、批判が強まっていました。
それがきょう、安倍総理大臣は、現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直すと決断したと述べました。
安倍総理大臣はきょう午後、総理大臣官邸で、大会組織委員会の会長を務める森元総理大臣と会談。
途中から下村文部科学大臣と、遠藤オリンピック・パラリンピック担当大臣も加わりました。
森元総理大臣は。
また、下村文部科学大臣は、設計から完成まで50か月強の見込みの下、2020年春までの競技場の完成を目標とすることを明らかにしました。
安倍総理大臣が、ゼロベースの見直しに踏み切ったその背景は。
建設費の膨張に、予想していた以上に批判が集まったからです。
これを受けて安倍総理大臣は、水面下で計画を見直した場合のシミュレーションを、事務レベルに指示していました。
こうした中、各種の世論調査で、第2次安倍内閣の発足以降、初めて内閣の不支持が支持を上回りました。
安倍総理大臣としては、対応が後手に回れば、批判がさらに強まりかねないという危機感もあり、計画をゼロベースで見直すことを決断したものと見られます。
今後は競技場の完成をオリンピックに間に合わせることが、絶対条件になりますが、残された時間は限られています。
政府は秋口ごろに、総工費の上限を設けたうえで、新しい計画を作りたいとしており、建設費を抑えることで、国民の理解を得たい考えです。
白紙に戻された建設計画。
当初は斬新なデザインが注目されましたが、次第に巨額の建設費に関心が集まるようになりました。
3年前。
選ばれたのは、イラク人の女性建築家、ザハ・ハディドさんの作品。
キール・アーチと呼ばれる、弓の形をした柱が特徴です。
建築費は、1300億円を見込んでいましたが、忠実に再現すると、費用が2倍を超えることが分かりました。
去年5月には、デザインを見直して、費用を圧縮。
しかし、建築資材や人件費の高騰なども加わり、工事を請け負う予定の建設会社の試算では、3000億円を超えました。
このため先月、国は新たな方針を示します。
開閉式の屋根の設置を大会後に先送りするなどして、2520億円にすることが決まりました。
一方で、変更を重ねるにつれ、巨額の建設費に批判が高まっていきました。
オリンピックメダリストの有森裕子さんは。
計画が白紙に戻されたことについて、有森さんたちの反応です。
新しい国立競技場をデザインしたザハ・ハディドさんは著名な建築家で、事務所によりますと、これまでに44の国で、950のプロジェクトを手がけているということです。
流線型の外観が目を引くソウルにある大型商業施設、トンデムンデザインプラザ。
去年3月にオープンしました。
総工費は日本円でおよそ523億円。
建設が進むにつれて、当初の計画より工費が大きく膨らみました。
北京の中心部にある商業施設、銀河SOHOは、卵のような形をした4つのビルが、流線型の橋でつながっています。
ザハ・ハディドさんのデザインは高い評価を得てきた一方で、国際的なコンペティションで選ばれても、その後、計画が中止になるなど、完成しなかった建物も多いことで知られています。
ザハ・ハディドさんの建築事務所は、先ほど声明を出しました。
安倍総理大臣が計画を白紙に戻すと発表したことについて、理解を示したうえで、コストがかさんだのは、デザインのためだと伝えられたのは間違いだ。
デザインは日本の建設業者の標準的な材料や、技術を使っている。
日本側の設定した予算に見合うものだとしています。
スタジオには、スポーツ担当の佐藤記者です。
佐藤さん、計画は白紙になるということですけれども、やはり焦点となったのは、この建設のコストだったんでしょうか。
そうですね。
建設コストが膨れ上がって、批判が強まっていたということが、今回の見直しにつながりました。
大きな要因とされたのが、キール・アーチです。
屋根の部分の2本の柱は、スタジアムの斬新なデザインの象徴とされてきたんですけれども、これが白紙になるということで、このキール・アーチも含めて、見直されるということなんです。
これによって、コストの大幅削減につながると見られています。
3年前にこのデザインを選んだときの審査委員会で、委員長を務めた安藤忠雄さんは、きのうの記者会見で、コストの徹底した議論はなかったと話しています。
このときの議論の不十分さが、その後、建設が二転三転した原因と言われていますので、今回は徹底したコストのチェックが求められています。
突然、計画を白紙に戻すということになったわけですけれども、これが今後、国際的な問題になって、東京オリンピック・パラリンピックの開催に、影響が出るということはないんでしょうか?
オリンピック招致の際の国際公約に違反するとの指摘があることについて、JOC・日本オリンピック委員会は、デザインや工期の変更が、違反に当たることはないという認識を示しています。
またJOCの竹田会長は、IOC・国際オリンピック委員会のバッハ会長と、新国立競技場について電話で話したときに、デザインが争点ではなく、日本のテクノロジーでレガシーとしていいものを残すことが大事だと言われたということを明らかにしていますので、問題視されることはないと見られています。
予定どおり計画が進んでも、完成するのは2020年春、オリンピックまでは3か月ほどですから、ぎりぎりになります。
限られた工期の中で、今後、設定されるコストにきちんと収めることができるのか。
後がない状況ですから、国の威信をかけてやらなければなりません。
ここまで、新しい国立競技場の建設問題についてお伝えしました。
次です。
影響は長時間に及びました。
四国から中国地方へ。
およそ15時間かけて縦断した台風11号。
校舎の2階近くまで浸水した中学校。
和歌山県では川が氾濫しました。
被害が相次ぎました。
台風11号。
午後6時には、日本海を1時間に20キロの速さで北東へ進んでいます。
こちらは神戸市の今の様子です。
雨が降っています。
風の音も聞こえます。
台風の中心は、日本海に出ましたが、西日本や東日本では、局地的に激しい雨が降っています。
気象庁のデータをもとに、今回の台風の風の向きや強さを映像化しました。
強い風が流れ込み続けているのは、特に台風の東側。
四国や紀伊半島です。
雨のデータを重ねてみますと、長時間、同じ場所に激しい雨が降り続いたことが分かります。
そこで起きた氾濫や浸水。
何が起きていたんでしょうか。
グラウンドが一面、水につかっています。
徳島県阿南市にある加茂谷中学校です。
浸水は午前0時ごろに始まりました。
教室は2階から上にあるため、水につかりませんでしたが、水位は一時3メートルほどに上ったということです。
水は近くを流れる那賀川からあふれました。
川を撮影した午前2時ごろの映像。
画面の左にあるのが中学校のフェンスです。
午前5時ごろの映像では、雨が少し弱まり、あふれた水が学校に流れ込んでいる様子が分かります。
こちらは午前8時ごろの映像です。
校舎の1階部分です。
柱を見ると、下の部分がまだ水につかっているのが分かります。
水位は徐々に下がり、午前8時半ごろにはほとんど引いたということです。
学校では、あすから夏休みでしたが、きょうは臨時休校にして、後片づけをしました。
ゆっくり、ゆっくり。
流されてきたと見られる木や、がれきが散乱していました。
中学校がある加茂谷地区は、古くから洪水に見舞われてきました。
地区にある納屋のふすまから見つかった文書には、およそ140年前、明治時代にも洪水に襲われた記録が記されていました。
加茂谷中学校もたびたび浸水被害を受けています。
周囲の住宅地よりも低い土地に建設されているからです。
去年8月には、台風で川の水があふれて、校舎の2階まで水につかり、周辺から学校に避難してきていた人たちが、一時取り残されました。
こうした過去を教訓に、学校は台風に備えていました。
加茂谷中学校の2階のホールです。
去年の台風では、ここまで水が来たので、あらかじめ低い所にあるものを、上に上げたということです。
さらに机などは3階に上げておいたということです。
今後も大雨や台風のたびに、警戒を強いられそうです。
台風の影響で、記録的な大雨となった和歌山県。
田辺市本宮では、24時間の雨量が、7月としては最も多くなりました。
この雨で、熊野川の水位は急激に上昇。
新宮市にある観測所で、昨夜8時、6メートルほどだった水位は、6時間後には倍以上の12メートル以上となりました。
このころ、和歌山県と気象庁は、熊野川が氾濫したと発表しました。
こちらは新宮市熊野川町の日足地区。
午前7時ごろの様子です。
一面、水に覆われています。
水は橋の高さにまで達しています。
午後になると、雨は弱まり、水が引き始めます。
水が押し寄せた場所では。
多くの流木や土砂が残されていました。
地元の人などは片づけに追われ、こちらのガソリンスタンドでは、流れ込んだ水の勢いで倒れた給油機を、大勢で元に戻していました。
過去にもたびたび、洪水を起こし、暴れ川と呼ばれる熊野川。
4年前、台風12号による豪雨でも、至る所で氾濫しました。
このときの教訓が生きた店もありました。
田辺市にある薬の販売店は今回、床上まで浸水しましたが、棚の一番下の段には薬を置かないようにしていました。
被害を最小限に抑えることができたといいます。
影響は台風から離れた関東でも。
きのう、埼玉県桶川市の増水した用水路で、人が流されるのが目撃されました。
警察は、行方が分からなくなっている、近くに住む女子高校生の可能性もあると見て捜索しています。
神奈川県横須賀市の海岸では、中学2年の男子生徒の行方が分からなくなりました。
周辺には波浪警報が出されていました。
滋賀県長浜市では、水かさが増した川で、2歳の男の子が溺れ、意識不明の重体になっています。
NHKが午後5時現在でまとめたところ、台風の備えをしていた兵庫県の男性2人がきのう死亡し、大阪や兵庫など、18の府と県で、57人がけがをしました。
このうち、滋賀県米原市のごみの最終処分場では、倒れていた重さ180キロの扉を、担当者2人が戻そうとしたところ、風にあおられ、再び倒れ、2人が大けがなどをしました。
避難の動きです。
兵庫、滋賀、三重、和歌山の4つの県では、合わせて5800人余りに避難指示が出ていて、避難勧告は9つの府と県で18万人余りに出ています。
土砂崩れも相次ぎました。
土砂の流れた跡には、大きな木が残されていて、土砂の勢いのすさまじさを物語っています。
岡山県倉敷市では、住宅の裏山で土砂崩れが起き、空き家2棟が全壊しました。
愛媛県西条市では、川沿いの道路が5メートルほどにわたって崩れ、近くの建物が川に落ちかかっています。
住宅の一部が壊れる被害は、8つの府と県、合わせて21棟に上ります。
また和歌山など13の県で、少なくとも131棟が、床上や床下浸水しました。
台風11号、気象庁の最新の観測では、鳥取県沖の日本海を、1時間に20キロの速さで北東へ進んでいます。
台風の中心は日本海に出ましたが、このあとも警戒が必要です。
台風に向かって、南から湿った空気が流れ込むため、東日本や西日本では大気の不安定な状態が続き、近畿ではあす朝にかけて、北陸ではあす夕方にかけて、1時間に40ミリ以上の激しい雨のおそれがあります。
特に東海では、あす昼過ぎにかけ、1時間に60ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。
あす夕方までに降る雨の量は、いずれも多い所で東海で250ミリ、北陸で150ミリ、近畿と甲信で100ミリと予想されています。
また風が強く、波の高い状態も続く見込みです。
気象庁は引き続き、土砂災害や川の氾濫に警戒するよう呼びかけています。
偉大な物理学者がこの夜を去りました。
7年前、ノーベル物理学賞を受賞した、アメリカ・シカゴ大学名誉教授の南部陽一郎さんが、今月5日、急性心筋梗塞のため亡くなりました。
94歳でした。
ノーベル物理学賞の受賞が決まったとき、こう語っていた南部陽一郎さん。
大正10年、東京で生まれ、旧東京帝国大学を卒業し、研究生活に入りました。
昭和27年、研究の場をアメリカに移し、シカゴ大学の教授を務めました。
昭和45年には、アメリカ国籍を取得しています。
南部さんは、物質を構成する最も基本的な粒子である、素粒子の研究に取り組みました。
対象性の自発的破れと呼ばれる理論など、新たな理論を世界に先駆けて次々と発表し、素粒子物理学の発展に大きな影響を与えました。
そして平成20年、益川敏英さんと、小林誠さんと共に、ノーベル物理学賞を受賞しました。
当時益川さんは、南部さんについて聞かれると。
南部さんは4年前、大阪大学と大阪市立大学のそれぞれ特別栄誉教授となり、大阪とアメリカを行き来する生活を送っていました。
日本にいるときは、大阪大学の研究室に週に1回ほど訪れ、研究をしたり、若手の研究者と議論を重ねたりしていたということです。
南部さんはことし5月に大阪市内の病院に入院し、治療を受けていましたが、今月5日、急性心筋梗塞のため亡くなりました。
研究者たちからは、死を悼む声が相次ぎました。
素粒子物理学に生涯をささげた南部さん。
誰にもまねできない発想で、研究をけん引する存在でした。
ニュースを続けます。
地球温暖化対策で、削減目標を正式決定です。
日本の温室効果ガスの削減目標を巡り、政府の地球温暖化対策推進本部は、2030年までの削減目標を、2013年と比べて26%とすることを正式に決定しました。
石川県にある志賀原子力発電所の1号機の下を走る断層について、原子力規制委員会の専門家会合は、これまでの議論をまとめた見解に当たる、評価書の案を取りまとめました。
この中では、12万年から13万年前以降に、一部が変位した可能性は否定できないとしていて、この断層が将来、活動する可能性があるとする内容です。
今後、確定した場合、1号機は再稼働できずに、廃炉になる可能性があります。
大相撲名古屋場所は6日目。
きょうから中盤戦です。
新大関の照ノ富士は、初優勝した先場所、敗れている平幕の佐田の海と対戦しました。
手を出して、上手を引いた。
左四つに組みました。
両まわしです。
がっちり。
つり上げて、照ノ富士6連勝。
照ノ富士。
まわしをすぐに取れたのがよかったと、機嫌よく振り返っていました。
時天空は、きょうで幕内出場900回。
得意の足技で勝ちました。
大砂嵐は、2日目からの連勝が4でストップ。
勢にはようやく初日が出ました。
好調な関脇・栃煌山は5勝目、大関・稀勢の里と、関脇・逸ノ城の一番です。
おっと、動いた、逸ノ城。
しのいだ、稀勢の里。
張って、左からおっつけます。
右を差させないように、左からおっつける。
差しかった、もろ差し、稀勢の里、寄り切り。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
台風11号の雲は形を崩し、勢力は弱まってきています。
しかし、南側に注目をしますと、雲が連なっています。
これは南から湿った空気が流れ込みやすい状態が続いていることが、ここから分かります。
では、雨の予想です。
今夜は近畿や東海付近、再び雨雲が発達する見通しです。
そしてこの雨雲は、あすの日中にかけては次第に東へ、北へと広がる見通しです。
あすの日中は、東北の日本海側などでも、局地的に激しく雨の降る所があるでしょう。
あすから3連休という方も多いと思いますが、こうした不安定な天気は続くんでしょうか?
月曜日にかけての各地の天気、ご覧ください。
日曜と月曜は日ざしと、そして暑さが戻る所、多くなりそうです。
ただ、マークにはありませんが、局地的には雨の降りやすい状態が続く見通しです。
これまでの雨で地盤の緩んでいる所は、特にご注意ください。
ではあすの全国の天気です。
2015/07/17(金) 19:00〜19:32
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽台風11号 各地に被害 ▽新国立競技場 見直しか 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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